Interview:政教分離について
政教分離について
政教分離についてどう思いますか?
〔2012-05〕
宗教と政治の関係ですが、政党と政権の組織運営の問題も考えてしまいます。
日本の民主党政権は民主党という政党の関係で動揺を繰り返しています。
小沢幹事長のときには、政権に直接働きかける政党の動きを幹事長に集中したことがあります。
政権との対等性ないしは優位性を政党側が示した時期です。
その後これは崩れて、政権方針を党側が受け入れる動きになってきましたが、揺らぎもあるようです。
橋本大阪市長と大阪維新の会の動きも少し似ています。
大阪維新の会に政党の条件があるとは思えませんが、維新の会市議団と市長の関係はしどろもどろのところがありました。
少し似ているのはこのあたりです。
問題は政党が政権をとり、政党代表が政権のトップを占めたときに表われやすくなるのです。
自民党政権時代は政策面はともかく、この点は評価できます。
宗教政党、日本の場合は公明党に代表していただきますが、こちらはさらに複雑です。
公明党のトップが政権のトップを兼ねる事態になったときです。
創価学会と公明党、政権の3つの関係ができます。
創価学会と公明党のトップが同一ということはないでしょう。
複雑な状況がいくつか考えられますが、近代民主主義としてどうかと思う想定も排除できません。
政教一致は現代のイランに見ることができるはずです。
国民の選挙で選ばれた国会議員が制定した法律の可否が、イスラム法により判断される仕組みになっています。
イスラムの法会議が国会の上位にある構造です。
政教一致とはここまでを想定しなくてはなりません。
ある宗教政党が政権を執ったとき、政教一致を破棄していなければこの事態を招きます。
ヨーロッパにはキリスト教を母体とする政党がありますが、知る限りにおいて政教一致を破棄しています。
すなわち政教分離を確立しています。
創価学会と公明党の関係がはどうすすむのでしょうか。
公明党のトップが政権のトップについているわけではありませんから、事態はそこが問われるほど進行はしていません。
しかし、創価学会と公明党の通常の関係が「公明党は創価学会の政治部門」の指摘があり、そうではないと聞いたことがありません。
その場面でイラン型体制が潜在的に存在しているとも言えるわけです。
私が公明党をよく理解していないのでしょうか。
政権に入ったときもはっきりしませんでしたが、閣僚段階なので問題は明瞭になりませんでした。
静かなときに準備してほしいものです。