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対人関係での消耗が激しい人たち
〔2011年08月28日〕
前回の続きは、2006年11月支援スタンスの基づいて何をしてきたのかに答えなくてはならないでしょう。
答えは最近になりかなり明確になりました。
とりあえず「仕事おこし」「仕事づくり」ですが、世間一般で考えられるものとは違います。
参考に次のものを挙げておきます。
「2011年8月ーフルタイムでなくても働ける条件づくり」
これに関してはそのうちに整理して記述することにします。
今回は、2006年11月の支援スタンスが必要な背景を少し説明します。
「引きこもり支援とは、誰かをどこかに就職できるようにすることとは違う」という趣旨の私が書いたものを読んで、IM氏は頭にきたようです。
それでかつて取り組んだ「人材養成バンク」を復活せよとか、どうすれば上手くいくのかのご教授までしてくれました。
世の多くの支援団体がそのように「就職して働ける力をつけるように」と考え、そのような取り組みをしています。
成果はかなり生まれているかといえばそうとも言い難いようです。
早い話、IM氏ご自身はどうでしょうか。
ご自分のことは例外で、他の多くの引きこもりには通用すると考えているのでしょうか。
たぶん通用する人はいます。
しかし、それ以上に通用しない人が多くいます。
これが長期の引きこもりを経験した人への私の認識です。
就職したときにIM氏に生じていることは例外ではないと判断しています。
もちろんかなり大きな個人差はあります。
特に多いのが一緒に働く人との関係です。
意思疎通が上手くいかないレベルを超えています。
対人不安感、対人警戒感、対人恐怖感、さらには対人敵対感、対人憎悪感というレベルの人もいます。
不安、警戒、恐怖レベルが複合している人が多いと思います。
私は「ブラックな会社」を揶揄するIM氏のブログを読んでいます。
対人敵対と対人憎悪レベルが中心の人はそれがどのように表れるのか標本を見る思いです。
A社に行けばA社の社員憎悪エッセイができますし、B社に行けばまた違った憎悪物語ができます。
IM氏のいまの状態はそのようなものです。
まさに心のうちを無防備に“晒している”状態です。
しかし、すべての人が対人憎悪レベルが中心にいるのではありません。
そこまでの人はごく少数です。
むしろ対人恐怖、対人不安、人間関係が苦手レベルの人が多数を占めます。
そういう人たちは周囲の人への関心、注意、気配りにとても多くのエネルギーを費やします。
そこに失敗しない、叱られない、完璧にという業務進行の心情が加わりエネルギーの消耗を著しく激化させます。
周囲にいる多くの人たちがその経験を私に話してくれたことで徐々にわかってきたことです。
それは私から見れば重労働と思える範囲です。
週5日のフルタイム就業はとても難しいと思います。
それを見て私はどのような状態が就業あるいは社会参加として可能なのかを模索してきたのです。
2006年11月に書いた基本スタンスにおいて、私自身がこのような状態の人がどうすれば働けるのか、社会参加できるのかを試行錯誤してきました。
そして事態をわりと要約して書けるようになったのは最近のことです。
いまはようやくかなたに光が見えるところにいます。
困難な道なき道を探していたのです。
IM氏に対しては楽観的なことは言えません。
これからも誰に対しても同じで楽観的なことはいえません。
自分の人間としての力を信じて、粘り強く、自分にできることを積み重ねていこうと呼びかけるだけです。