私の宝物
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私の宝物
【おじさん、おばさんの大好きな雅子さんへ、あけましておめでとう。今年ももっといい子になりましょう。冬休みはこられないそうですが、春休みに雅子がくるのを、おじさん、おばさんとても楽しみにしています。】
と書かれた伯父からの年賀状は私の宝物です。
毎年、夏休みや冬休みには宿題と着替えだけ持って遊びに来るように言ってもらい毎年お世話になっていました。
鍾乳洞、陶器作り、名古屋港など毎回珍しいところばかり連れて行ってくれて、ときに私が両親の不満など言うと、優しい伯父が急に厳しい顔になり延々とお説教が始まるのです。
しんみりと説き伏せるようなお説教はものすごく恐ろしく、そして自分が悪かったと心から思えるものでした。
目からは涙が溢れます。
でもお説教が終わると「雅子はえらいなぁ、よく泣かずにいたね。」としっかり褒めてくれる伯父は中学生になるお祝いは万年筆がいいか、辞書がいいかと、真剣に悩んでくれました。
お祝いをもらう前に亡くなってしまいましたが、その伯父からの年賀状は今でも宝物です。
〔『公明新聞』2007 32歳 家事手伝い〕