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当事者にとっての居場所の意味と役割

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当事者にとっての居場所の意味と役割

〔回答その5〕
当事者が居場所に来るというのは、いまのところ引きこもり支援の中心になるものと思います。
①、居場所とは何かというと、引きこもり経験者にとって、対人関係を練習する場です。
ときどき居場所は「同じ体験をした人同士が集まり、互いに理解しあえる場」と紹介されることがあります。
それは事実ですが、事実の半分です。
残りの半分は人を理解することに思い悩む場でもあります。
同じ困難の経験者とは理解しあえるときと反発しあうときにわかれやすいからです。
ある当事者は居場所を指して“修行をしているみたいだ”と言いました。実感だと思います。
②、対人関係の練修の場の前に、居場所とは引きこもりの人には外出先の役割があります。
引きこもりの人にとっては家から出ても行く先がないことは多いものです。
図書館、公園、コンビニ、本屋などに行く人が多いのです。
周囲に人がいても必ずしも会話をしなくてもいい、お金を使わなくてもいいというのが一つの特色です。
③、それに加えて、居場所にくることで人によっては話し合える場になります。
友人ができることも少なくありません。
同じ場に来ている人を自分のペースでゆっくり観察し、関心や興味に共通性があるなどから接触を試みます。
話しかけられるほうが楽ですが、それは自分の側が選ぶ形になります。
④、パソコンやその他の仕事上の知識や技術を得られることもあります。
しかしこれは一般の職業技術を学び身につける場と同じように扱うことはできません。
対人接触を進めやすくするためのツールのような役割が主要なものと考えたほうがいいのです。
これを超えた役割を持たせることは、居場所の枠を超えた内容を持ち込むことになる可能性があります。
参加者によってはいいけれども、一般的に認めるのは居場所の役割を超えています。
⑤、問題は「働ける場」になれるかどうかです。
ここは不登校情報センターの居場所に関して焦点になるところです。
まだ多くの居場所はそういう展望や見込みを思い描いているとは思えません。
これは不登校情報センターの支援方法の経過から生じたことで、特別な面があります。

もしこの点で何らかの成果を得ることができるならば、他の居場所にも影響するかもしれません。

(その1)支援方法を接触できる引きこもり経験者から学ぶ
(その2)不登校情報センターが支援団体になった経過
(その3)引きこもりの家族へのサポートの概略
(その4)親の会の始まりと役割
(その5)当事者にとっての居場所の意味と役割
(その6)対応は先天的・後天的なことの複合した理由により異なる
(その7)自活型の社会参加をめざす引きこもり支援策
(その7)関係資料
(その8)引きこもり経験者が自活型の社会参加できる支援体制を考える
(その9)引きこもり経験者の興味・関心と気質的・文化的な背景
(その10)不登校・引きこもりの解決とは社会にある問題全体の解決に重なる

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