子ども時代に不登校により勉強をしていない人へ

小学校から中学校にかけて不登校のためほとんど学習をしていない人がいます。
そういう1人で子育て中のお母さんから「独学で勉強をしようかと思っている……何から手を付ければいいか」という問い合わせがありました。

小学校高学年から不登校中学校では保健室登校をしていたため、そのころに学習しなければならなかった知識がありません。
中学卒業後は和裁の道に進み一人前にしていただき、今は2児の母となりました。子どもが幼稚園に行き少し手が離れたため独学で勉強をしようかと思っているのですが、何から手を付ければいいかと悩んでいます。
子どもも小さく家でコツコツするぐらいしかできないですが。何か自宅で一人でしていくのにおすすめの物などはありますでしょうか。

この問い合わせを親しくしている元教員の田中登志道さんに伝えたところ、次のような返事をもらいました。参考になるので紹介します。

この方は家庭婦人としても、和裁をする社会人としても順調に歩んでおられますね。
特に勉強したい分野があるのではなく、中学生までに「勉強」をしなかった欠落感があって、それを埋めたいのだと思います。
特に資格がほしいとか、ある分野を身につけたいというのではないでしょう。
とすれば、のんびりと、負担のかからない程度に、「勉強をほどほどに楽しむ」くらいがいいのではないでしょうか。
提案としては、中学校(あるいは高校)の教科書は一般の書店で手に入りますので、それを、お茶を飲みながら、あるいは寝っ転がりながら、読書のつもりで、楽しんでお読みになったらいかがでしょうか。
今の教科書はけっこうよくできていて、無味乾燥ではありません。
僕としては特に、高校の家庭科の教科書をお薦めします。家事・栄養・調理・被服関係の内容などは、この方には興味深いと思います。
英語だけは、それだけでは手につかないでしょうから、NHKの「基礎英語1」あたりを書店でCDつきでお買いになって、勉強なさると面白いでしょう。中1からの内容なので、無理なく学べると思いますし。こんなことを考えました。

不登校のため子ども時代に勉強をしていない人の状況はいろいろです。だから誰にでもこれがいい方法とは思いません。その人にあったことを考えたいですね。

食事会は天丼のバイキング

食事会は、天丼のバイキング式となりました。
アジ、サバ、シイタケ、カボチャ、ナス、ニンジンがテンプラになりました。他にイカの刺身があり、イカスミをまぶしたスパゲッティもできました。テンツユも自家製で作られました。料理人は多いです。
4合の米を炊き、7、8人が各自の天丼を完成します。
私は少食ですが、やや多めに食べた気がします。
食費は1人当たり350円。上出来です。

午後の早い時間は「成人むけ中学教育の学習スペース」です。
今日から新しく1名が加わりました。まず一緒に書店に行き、問題集選びをします。
漢字検定を口にしていましたので、それに関するものを探しました。同じ学年でも漢字の読みはできるけれども、漢字を書くほうが難しいことがわかります。結局、小学生の漢字中心の国語の問題集から始めることになりました。学習スペースとしてだんだん定着してきました。

学習スペースにYhくん初参加

水曜日は徐々に「成人の中学教育の学習スペース」として定着しつつあるようです。
きょう初めて参加したYh君は20代の青年です。高卒認定資格を目指しています。
今日は小学校日本史の問題集を持ってきました。先史時代・縄文時代の問題に取り組んだ後、興味がないことは退屈を感じるというので、一気に明治時代まで跳んで日本現代史に入りました。
彼のばあいを考えたとき、興味を持ち長く続けて来れるのが初めの目標になりそうです。そこを考えての問題集の初めから明治時代へのジャンプです。
問題集をしながら、緊張感をゆっくりしたものにし、力を抜いて生きられるようになるのがよさそうです。日本史の知識の点では彼のほうが知っているところも多くありました。学習をしながら学習以外のものも目的になります。

学校教育の空白が多いと思う人はぜひこの学習スペースに参加してください。
何をするかは一人ひとり違います。
相談しますので連絡をください(TEL03-5875―3730、open@futoko.info)。

 

成人学習スペースからお願い

成人向け中学教育の学習スペースへの参加者が増えそうな雰囲気です。
実際に何人ぐらいが定着するのかはまだ予測できませんが、名前が挙がっている人で6名になります。
中学校教育としていますが、小学校の問題集から始める人が多そうです。
テキストに当たる問題集を選ぶ時点で、ぎりぎりわかるものよりももう少し学年を下げたところを勧めています。それが小学校の問題集になる理由にもなります。
実際やってみると小学校の問題集とはいえ、そうそう簡単ではありません。だからそこから始める意味もあります。
読者の方にお願いがあります。
(1) 書き込みのできる問題集がありましたら、譲ってください。
小学校1年生から中学校の国語、算数・数学、理科、社会科、英語などです。発行社は問いません。
書店で購入するとなると1冊7、800円から1000円近くかかり負担になる人もいるからです。
(2)ボランティアで講師役を務めていただく方を募集します。一生懸命に教えるよりも勉強を長続きできるように楽しみを取り入れてくれる人がいいです。
(3)この学習スペースに参加しようという生徒を募集します。年齢は50歳未満とします。男女は問いません。何を勉強するのかわからない人はそこから一緒に考えましょう。その相談から始めるのがいいと思います。

不登校情報センターだからこうした事態に関わることができるのかもしれません。学校教育、特に義務教育といわれるものの空洞化をこういう姿で目の当たりにしています。学校教育は崩れつつあるのでしょうか?

不登校生の気持ちを考える

「不登校する人の気持ちを察する、分析する、寄りそって考えるのはなぜ必要ですか」の質問がありました。
不登校情報センターにおいて何人かの青年が小学校の教科の問題集を勉強しています。「好きなこと、できることをしてください」といっても、初めからすぐにはこうはなりません。高校の勉強がしたい、中学校のことでわからないことがある、そういう経過の中で本当に必要なことは小学校の基礎的な勉強であると本人も私もわかったのです。受けとめるとはあらゆることを受けとめるスタンスが必要です。

この経過は子ども(人間)を理解し、どう関わるのかを私が実地に学ぶことでした。私が自分ではこう思うというだけのものは空回り、独りよがりになりました。何らかの肯定的な反応が得られるのは子どもの状態に触れたときです。
そのためには子どもの状態をよく見る、子どもの状態に身をおいて考える、出されたことをこと受けとめる以外には対応策は浮かんできません。
不登校情報センターには青年期の引きこもりの人がいます。彼ら彼女らは話す機会があれば静かに聴いてくれますが、実際に動くのは自分で納得したことだけです。強く言ったらいいのではありません。
この手ごわさを子ども時代から持っているのです。頑固とか強情と思われることもあるはずです。それは何かを大事にしているからです。
人間は自分の中にある宝物を探しているのです。私があれこれできるのはその宝物探しの手伝いです。宝物を出しやすい場、出しやすい人間環境をつくる。心の中に感じた宝物を表現できる機会をつくることです。

それらが不登校する人の気持ちを察する、分析する、寄りそって考えることになります。9月30日の進路相談会のパネルディスカッションの場でたことの関連記述4です。

生涯学習スクールの提案を入手

「イジメ被害児(者)・発達障害児(者)・不登校経験児(者)・思春期精神疾患者・高校中退者などの青少年が社会参加を実現するための学習支援活動を行うためにフリースクール、サポート校、学習塾等のうち一定の条件を満たすものに早急に教育機関として認定する。この教育機関の名称を当面「生涯学習スクール(仮称)」と呼ぶことにする。将来的には生涯学習組織として一部として包摂する」
このような提言のある「サポート校・フリースクールの位置付け(素案)」が送られてきました。知人のNPO法人フリースクール青砥理事長 安井光義さんからです。
文書は(1)通信制高校&サテライト教室の現状、(2)通信制高校生の現状、(3)サポート校の現状、(4)フリースクールの役割、(5)当面の緊急施策は構成されるA4版5枚です。
冒頭の文書は最後に<初等教育・中等教育段階における当面の緊急施策>にあるものです。緊急施策には、詳しい6項目があり、イジメ被害生徒の“駆け込み寺”機能、教育助成金、初等・中等教育学校卒業認定機構の設立、地域リソースの活用として地方公共団体の施設の無償貸与などが提示されています。

この提言に「イジメ被害児(者)」が対象者に明示されていることが新鮮です。また不登校情報センターの「成人の中学校教育の学習スペース」が該当する可能性があり今後に関係しそうです。何らかの形で制度化されていけば、不登校情報センターのサイト制作の対象になる多くの学校・教育機関の動向にも影響します。
文書は朝日新聞と不登校新聞が共催した会合で配布された資料に共通した内容があると聞きましたが、まだ確認はしていません。安井さんの文書はフリースクール青砥の経験を含めたものです。

2つのミニ勉強会

9月26日、水曜日はセンター内で2つのミニ勉強会がありました。
(1)成人の中学教育の学習スペースは実は小学校の国語の問題集をしています。
問題集を見てわかったこと。「手紙を出す」と「箱からおもちゃを出す」の「出す」は意味が違います。この「出す」と同じ使用例を探すのです。種類わけを学ぶのですが、これはいずれカテゴリー分類につながる物の分類の基礎をしているのです。小学校国語を侮ってはいけません。
こちらは毎週水曜日に開きます。小学校国語にかぎりませんので自分なりの問題集を持ってきてください
(2)ブックシェアの会は自分が読んだ本を紹介しあいます。
曼荼羅の絵と絵画コンポジションの本から、それらが今日のコンピュータ・プログラムにつながる人間のものの見方になるという展開であったとか。3時間以上に及ぶかなり本気の議論のようです。

9月12日(水)センターの様子

先日案内しました学校案内書が10校くらいから到着しています。
9月30日の杉並区での進路相談会に展示し、自由に持ち帰っていただくつもりのものです。それまでになるべくサイト内の「学校案内書ページ」に掲載・更新を進める予定です。学校案内書の到着はしばらく続くものと思います。今回は200校からの案内書を展示するのが目標です。

9月30日の進路相談会は東京新聞にミニ情報として掲載されることになりました。これは東京新聞社からの確認電話が入ったことによります。

成人の中学教育教室は、これからしばらく国語になります。基本中の基本として小学生の学習参考書を使うことにしました。希望者は連絡のうえ参加してください。毎週水曜日の午後です。

11月23日(祝日)に「大学生の不登校」または「青年の生き方・学び方」によるテーマで、大学の先生を招いて講演会を開く準備をしています。

成人の中学教育の参加者を募集

成人の中学教育学習スペースを水曜日の午後にしています。
いまは中学1年生の数学「文字と式」の問題集を解いていく方法ですすめています。
個人個人のペースで進めますから、自分にできそうな(少しやさしめの)問題集を持ってきてもらうといいでしょう。
毎週水曜日の午後2時から4時くらいの見当です。次回は9月5日になります。
これとは別に漢字学習をしている人がいますが、時間が固定していませんので、一緒に進めるのは難しいです。漢字や英語をしたい人も歓迎します。あくまでも一人ひとりで進めますので、自分に合った問題集などを持ってきてください。事前に相談をしたい方も受付中です。
連絡は松田(TEL:03-5875-3730、FAX:03-5875-3731、メール:open@futoko.info)まで。

スペース9月末までの予定

スペース9月末までの予定
不登校情報センターの相談とスペースの取り組みのうち日程の確定しているものを紹介します。どれも事前に連絡をしてから来てください。パソコン作業(HP作成等)は除きます。

8月29日14時・水 ブックシェアの会(読んだ本を紹介し合う)。
8月29日14時・水 成人の中学教育学習スペース(参考書を持参)。
9月4日午後・火 松田の相談日(当事者・無料、親5000円)。
9月5日14時・水 成人の中学教育学習スペース(参考書を持参)。
9月8日14時・土 ビデオ上映会(ビデオ映画を見る)。
9月12日14時・水 成人の中学教育学習スペース(参考書を持参)。
9月16日午後・日 柳井さんカウンセラー日(当事者1000円、親5000円)。
9月16日13時・日 大人の引きこもりを考える教室第5回(500円)。
9月18日午後・火 メイク&カラーセラピー(1000円)。
9月18日午後・火 松田の相談日(当事者・無料、親5000円)。
9月19日14時・水 成人の中学教育学習スペース(参考書を持参)。
9月21日午後・日 柳井さんカウンセラー日(当事者1000円、親5000円)。
9月22日14時・土 ビデオ上映会(ビデオ映画を見る)。
9月26日14時・水 成人の中学教育学習スペース(参考書を持参)。
*( )内の金額は参加費。他は無料です。