182 泥
4月 1st, 2024 / Author: 中崎シホ漆黒だ
純白だ
闇夜はつねに
うごめいている
光の朝は
来る度ちがう
闇も光も
一色ではない
泥のように
涙を重ね
頭の中の泡が
パチパチ弾け
いつものように寝て覚めて
泥の中から目醒めを手繰る
182 泥4月 1st, 2024 / Author: 中崎シホ漆黒だ 純白だ
うごめいている
来る度ちがう
闇も光も 一色ではない
泥のように 涙を重ね
頭の中の泡が パチパチ弾け
いつものように寝て覚めて 泥の中から目醒めを手繰る 181 交差する点3月 2nd, 2024 / Author: 中崎シホ眠りたくない夜毎 闘うように飲み続け 目覚めたくない朝 眠らない夢を見続けて
亡くていい 記憶も思考も なくなればいい
幻か現実か そんなことは問題ではない あるのは 脳内をめぐる電位の 確かな存在
息もままならぬ 希薄な空気のなか 世界と交差する その地点へ ふと踏み込んだり 遠く見失ったり 180 音もたてずに2月 4th, 2024 / Author: 中崎シホ目覚める人は 音をたてない 声をださない
沈黙の 奥深くへ 思考の 流れ遠くへ
伝えない ということが伝わる 繋げない ということに繋がる
共感という対他性 感覚は 分かちあえるか 内観という対自性 観ること ただそれだけいやそれさえ 179 五感の深部1月 6th, 2024 / Author: 中崎シホ真っ暗なのは 見えないのではない 闇を見ている
無音なのは 聞こえないのではない 沈黙を聞いている
不毛なのは 生きていないのではない 死を生きている
広い視野と 澄ます耳 舌は渇えて 身をさらし 懐かしい匂いに 包まれる 178 紙封筒9月 2nd, 2023 / Author: 中崎シホ紙封筒に 足を すべり込ませる
乾いたシーツのように こもる体温 あるいは 薄っぺらな閉塞
体を覆う 紙一枚
意識なきまま 文字もなく どこへともなく なにかを送る
どこへゆくにも 身のひとつ
閉ざされたまま 開かれることは あるのだろうか 177 四苦八苦8月 1st, 2023 / Author: 中崎シホ生まれ落ちて 老いてゆきつつ 病んで臥せて 死に臨む
愛から離され 怨みと会わされ 求めを得られず 五感の盛り
苦はなにか 世の中の苦を 文字の列にして あらわす意味
意味の無意味さ すべては わからなくていい 感じて摑みたい 176 最後の仔7月 1st, 2023 / Author: 中崎シホハンドサインで 助けを求めた サインの意味も 知らないまま
宇宙内外の はるかどこかに居るはずの 僕の親玉に サインを送る
見放された仔の 無力と絶望
彼方からくる 暗示ももはや 途絶えがちで
混沌のうちから この生を受けるも 生まれ落ちた衝撃で 使命も指令も そんなものがあったのかさえ 忘れてしまった
そうして僕は つぶされる 全身全霊 つぶさに滅びる
あなたの 最後の仔になる 覚悟はすでに できていたのに |