通信制高校の卒業生のフォローに農産物の販売店

NPO法人青少年自立支援の会の古井敏昭さんが見えました。
千葉県習志野市に「鹿島学園高等学校津田沼キャンパス」を、いすみ市に「房総キャンパス」を開設しています。
4月に「いすみ物産倶楽部」というアンテナショップを、江戸川区北小岩(京成線小岩駅南口)にオープンしました。房総キャンパス近くの農家の人と協力し、農産物などを販売しようというのです。高校の卒業生などが販売員として働ける機会にしようとする試みです。
通信制高校の卒業生は文科省の報告でも半数が無業者になっています。進学も就職もしない(できない)で、ニートや自宅生活を送るといいます。津田沼キャンパスにもそうなっていく卒業生がいます。そういう人を卒業後もフォローする必要を感じ、その1つとしてできたのが「いすみ物産倶楽部」です。
「無農薬野菜、無農薬米、合鴨米、十万石最中、落花生などです。お中元、ギフトに最適。試食もあります」とか。関心のある方は見に行ってください。
所在地=江戸川区北小岩2-9-11(京成線小岩駅) TEL090-2213-0877 営業時間は朝の10時から夕方の6時まで。

冊子『居場所ワークのすすめ』発行の「まえがき」を書きました

ひきこもりの支援活動の基本は社会参加の現実的な基盤をつくることです。
現在のひきこもり支援策がいろいろあるといいますが、大きく分けると私は三つになると考えています。

(1)地域若者サポートステーションに代表される支援団体です。直接の就職支援をする機関で、支援団体はそのための訓練施設です。仕事上の知識や技術を身につける訓練からはじまり、その延長として対人関係の訓練などを含むように広がってきました。支援の向かう先は主に就職になります。支援団体という訓練施設のタイプは学校型の支援と考えます。

(2)第二のタイプは、福祉型に向かいます。ひきこもりの当事者がもつのは家族関係とか対人関係などの問題と考えます。ところが友達関係や家族関係の改善が社会参加や仕事につくことと結びつかない様子があります。事情にはひきこもりの長期化と当事者の高年齢化が関係しています。
こちらの取り組みは、ひきこもりである状態を一種の障害と認め、広い意味の障害者への社会福祉型の支援枠に向かっています。

(3)上の二つのタイプがひきこもり支援の中心です。
ところがこれらの支援方法は行き詰まるのではないかと思うのが第三に道を必要とする背景です。その視点から不登校情報センターの当事者の居場所、そこにおける作業の発生から現在までの十年以上の取り組みを振り返ったのが本書です。
ひきこもり個々人がばらばらに就職ないしは社会参加に向かうのではなく集団的な自立をめざします。この集団的な場が会社ではなくNPOです。
その場は一つの営業単位です。その営業単位がどの程度の収益を獲得するかによって構成メンバーの収入も変わります。実例に挙げるのは不登校情報センターというNPOですが、ここ自体は収益赤字です。
その場は営業単位ですが、発展すれば何らかの共同的な生活の場になるかもしれません。そこはまだ雰囲気として感じるだけです。この居場所ワークがひきこもり支援の決定的な方法と強弁する根拠はありません。別の方法として考える材料にしていただきたいものです。

第二章はこれまでの経過のときどきに書いたものです。今日の取り組みを実務的にまとめた第一章とすぐには結びつかないこともあります。しかしこういう背景があるから今日の姿が生まれたことを考えなくてはよくわからないと思いました。
本格的には重複なく書き下ろすのがいいわけですが、そういう余裕がないなかでまとめたものです。

郵便局の非正規雇用者も募集中です

しばらく前に警察官が不足しているというニュースを見ました。2月2日のコミティア会場(東京ビッグサイト)では自衛官の総務(?)を担当している人がいて、「自衛官が辞めていくのに補充できないでいる」という、自衛官不足を聞きました。先日は新聞紙上でバスの運転手が足りなくて、定期循環バスの運行が大変になっているという記事を読みました。このように社会の一部では人員不足が発生しているようです。

最近、長期の引きこもりのあと郵便局で働き始めているMKくんから手紙をもらいました。それを見てください。
「就労から今月で丸8年になります。あいかわらず対人不安で、非正規雇用のままですが現在も継続中です。
今、要員不足で困っています。不登校情報センターに関わっている方で就労してもいいという方がいらっしゃいましたらご紹介いただけると助かります。
〇〇郵便局。郵便物の組立と自転車での配達。8時から14時45分まで6時間(超勤あり)。週5日。時給1020円からです。バイクでの8時間勤務も募集しています。ただし、半分くらいの人は数か月以内で辞めてしまいます。最短は2日でした。「この人大丈夫かな」と思った人でも3か月以上続いた方で定着できなかった人はいません。」

3か月続けば、その後も継続するということでしょう。どうでしょうか。チャレンジする人はいますか?

自治体の就職支援センターッて聞いたことがありますか

自治体の就職支援センターッて聞いたことがありますか
会員Cくんは葛飾区の就職支援センターに通っています。
就職支援センターは葛飾区の委託を受けた組織で、ハローワークとも違います。
葛飾区の場合は6か月の期間、個人的に相談する、グループで話し合う、支援者のケースワーカーと一緒にハローワークに行くなどの取り組みをします。
Cくんと一緒に参加している人の2人から、その実情を話してもらう機会をつくります。そう多くの人が参加できるとは思いませんが、家族の方を含めて参加希望者がいましたら連絡をください。
場所は不登校情報センターですが、日時は希望者がいましたら相談をして決めて行きたいと思います。
メール:open@futoko.info
FAX:03-5875-3731

平井で「お話し聞きます」再開

引越し期間の2週連続で休んだ「お話し聞きます」を再開しました(9日・通算8回目)。
場所を平井に移すので、会員C君と一緒にどこにするのかを偵察して回ります。9時に事務所を出て、平井駅北口の広場の片隅にダンボール箱と椅子を並べます。「お話し聞きます」平井デビューです。
さて始めようとしたら、すぐ横から小さな女の子が2人分のアイスクリームを差し出してくれました。自転車に乗る準備していたその子のお母さんが「お話をすることはないですが、がんばってください」と声をかけてくれました。実に幸先のいい応援です。
まもなくフレンドリーな外国人2人が話しかけてくれました。近くで英語を教えているそうで、1人はフィリピン籍の女性、この人は長く日本にいて日本語もよく話せます。もう1人は最近日本にきたオーストラリア籍の男性です。
この2人が正式の初めてのお客さんになりました。「お話し聞きます」とはいうものの質問を受け、それに答える内容もありました。
覚えている質問は「なぜ日本は総理大臣がよく変わるのか」「駅の近くにゴミ箱が置いてないのはなぜですか」。他にもいろいろ話した気がします。「お話し聞きます」とはいえ、質問に答えるのもその範囲です。「どう聞く・何を聞くかはその場による」=これはC君の名言です。日本人の場合はより聞いていく時間が長くなると想定していますが、現実は想定に制約されないということです。
日本の印象を聞いたときの答えは、フィリピンやアメリカに比べて安全であり、夜のこんな時間でも安心して外にいられるという答えがありました。
気分をよくして、来週も同じ場所にすることにしました。

サポステの様子を話します

ある地域若者サポートステーション(サポステ)に行っているA君が来ました。「サポートステーションの最近事情を話してみないか」と聞いてみると、フリースペース的な意味合いが少なくなっているようなのです。聞く人を複数の小集会にして事情を話してもらい交流会にしようと考えました。タイトルは「サポートステーションの現在」(仮)とします。関心のある人は予約のうえ参加してください。

引きこもり支援に問合せ内容

事務作業グループで、引きこもり支援施設、居場所・フリースペースおよび自立・就業支援団体に通用する、新しいフォーマット用紙を考えました。全体のデザイン作成前の「こういう内容を聞きたい」というところです。メンバーが宿題に答えたことを、私が補正して2点を整理しました。

(1)当事者のどの状態の人に対応していますか――該当するレベルに順位をつけ、対応方法を選んでください。
①、 自室から出られない・自宅から出られない人たち(順位     )
対応方法:自宅等への訪問、家族の相談、家族会、その他の対応方法(
     )
②、 自宅から出て、図書館やコンビニに行くが居場所には行かない(居場所に来ない人(順位     )
対応方法:家族の相談、家族会、その他の対応方法(     )
③、居場所に行き、支援者などとは話せる人(他の当事者との接触は難しい人)(順位     )
対応方法:当事者との相談、居場所に入る、家族の相談、家族会、その他の対応方法(     )
④、対人関係で親和的と思える人とある程度のコミュニケーションがとれる人 (順位     )
対応方法(             )         
⑤、社会参加をめざす・何かの技術ら資格取得を目指す人(順位     )

対応方法(             )
⑥、アルバイトや短期の就業を繰り返す人(順位     )
対応方法(             )
⑦、以上のレベルとは異なる状態の人と対応方法(順位     )
どういう状態の人ですか(             )          
対応方法(             ) 
         
(2)居場所について(⇒項目をつくり選べる形にする)
①、週何回あるのか、参加者の年齢・年代、何人ぐらい参加しますか。
②、居場所としてうまく機能していますか、どんな問題がありますか、当事者・支援者・参加者にとってどういう意味がありますか、使いやすい場所ですか。
③、初めて参加したまま来なくなった人はいませんか。どういう理由だと考えますか。
④、居場所にきた一人ひとりにきめ細かな対応をしていますか。

これに先日(7月3日)の「引きこもり支援施設への質問」を加えていくとかなりいい線のフォーマット用紙ができそうです。

引きこもりと苦楽を共にする

引きこもりと苦楽を共にする
「引きこもりの高年齢化の先」その9です。
6月12日のシリーズ2回目「支援策を要約すると」で書いたことです。
「支援の方法は対個人サービス業を超えて、集団的・社会的なものが必要になること―医療やカウンセリングの役割は対個人サービスです。それとして重要ですが、それを超えた生存のための社会環境づくりを求められます。就職支援も対個人サービスの範囲内の支援策です」。
仕事起こし、仕事づくりもまた同じです。私が対象にしているのは高年齢化している引きこもり経験者です。
例えばカウンセラーの資格を得ても、クライアントが来るようにならなくてはカウンセラーの仕事、職業にはなりません。引きこもりの経験者には資格や技術や技能を伝えるだけでは仕事になりません。会社組織に入ってチームを作り分担をして仕事をする方法もうまくいきません。
個人の自由業的なことをしながら(請負でもSOHOでも形は問いませんが)、営業面などのカバーがいります。それは特別なことではなく、多くの企業や事業所は既にそうしています。
そのカバーする仕組みや条件を共同事務所的なところがするのです。仕事ができそれに集中する枠組みができれば、各人それぞれやっていくでしょう。しかしお客さんのいない対個人サービス業はないのです。その部分をカバーする営業・企画・広報などの役割が必要です。

仕事起こしのために技術養成や資格講座がよく行われます。その比較的高額の受験料によって、講師や指導員が収入を得てその人たちの“仕事起こし”に終わるやり方は見え透いています。受講者の仕事つくりに進まなくてはなりません。
それに代わる方法を追求しているつもりです。支援者と支援対象の高年齢化した引きこもり経験者が苦楽を共にするような仕事づくり、仕事起こしが必要なのです。簡単にできるような話は私にはまったく信用できません。少なくともそういう人は引きこもりを理解しているとは思えないです。
彼ら彼女らをカバーが必要であるといいますが、その課題には共同事務所にあたる不登校情報センターの力量を超えるものもあります。「集団的・社会的な支援策」としたものです。そのための法律的・制度的条件を利用・設定することまで指摘しました。
ここには確かに飛躍があります。支援団体として、共同事務所としてもっと身近に日常的に関わることがあります。それなくして法律的・制度的条件といっても現実的なことにはなりません。それらの個々の内容は既に書いたことのなかにありますので、繰り返しません。
なにしろ成功の軌道に乗った状態ではありません。その途上の悪戦苦闘の状況を書きました。こういう事情をわかったうえで高年齢化している引きこもり経験者が不登校情報センターに参加するように呼びかけます。また引きこもり支援を試みる各地の支援者の参考になればさいわいです。
系統性がなく思いついたことをばらばら書いたのですが、シリーズはこれで締めとします。

仕事づくりの取り組み記録管理

仕事づくりの取り組み記録管理
引きこもりの就業に関して、現在の状況をまとめようと書き始めました。
途中でパソコンが壊れたので、リズムが狂ってしまい一服状態になりました。
そこで、これまでこのテーマに関して実行してきたこと、考えてきたことを振り返ることにしました。いくつかの記録を読み返そうとしたのです。実は大変でした。

「五十田猛のエッセイ」ページからはとりあえず、次のものを挙げておきます。
引きこもりからの仕事起こし(その1)…2006年5月
引きこもりからの仕事起こし(その2)…2006年7月
引きこもり経験者の仕事に就く力…2006年11月
不登校情報センターが取り組む社会参加の2つの道…2009年10月
「ハーフタイム就労制」の提唱と積極的な可能性…2010年8月
30代以上の引きこもりの支援方法…2011年1月
フルタイムでなくても働ける条件づくり…2011年8月

その後の記録はブログ「センター便り」の中にあります。
不登校情報センターの引きこもり支援の特殊性…2012年1月2日
収入になる見込みはどうか…2013年2月17日

実はブログを読み返す-その前にブログから該当文書を引き出すのに手間取りました。タグ「仕事起こし」があるのですが、あまり役立ちません。ないよりははるかにいいのですが見落としても気づかないでしょう。ブログのいい点は、文書が比較的短いことです。
それらを含め記録管理の面から改善すべきものがあります。

サイト制作の方向性・草案

11月13日付け「新着・更新記事」で「サイト制作の潮目の変わり時」を書きました。
不登校情報センターのサイト制作はWikiシステムを導入し、重要部分でそれへの移行を終えました。またこれまでは手をつけられなかったページも充実させていく可能性と現実性ができています。その状態を潮目の変わり時と感じられるからです。
これらをページ分担およびページ作成基準を再確認することで、今後のページ作成の方向性を探っていきます。
(1)スクールガイドに地域表示を導入⇒改善策「校名等での詳細ページで解決」。
都道府県に市区郡別(校種を超えた地域単位の表示)の作成を検討します。
①校種間で重複や移行が多くわかりづらいもの⇒高等専修学校と技能連携校、技能連携校と通信制サポート校フリースクール学習塾と通信制サポート校、通信制サポート校と高卒認定予備校、家庭教師と学習塾。これらが背景にあるので探しそびれが生まれています。それを解消するために校種を超えた地域単位での表示ページが必要です。しかし一覧表示ページの二重化を避けたい!ので工夫が要ります。
②一条校(小学校・中学校・高等学校・養護学校)および適応指導教室は、相互に移行や重複がありません(全日制・定時制・通信制高等学校は独立した学校として扱う。しかしこれらが一条校以外の校種と重複することはない)。この点を生かします。
(2)スクールガイドのその他のページについて
適応指導教室⇒近くWikiシステムに移行。
*養護学校・特別支援学校。
*学校案内書・相談室等案内書。
これらのページの担当者の交替や確認します。
(3)スクールガイド以外のページ
メンタル相談、②自立・就業支援、③支援者・講師等プロフィール、④イベント情報、⑤訪問サポート・トカネット、⑥ひきコミWEB版および⑦バナー広告作成、⑧文書入力、さらに⑨全体の技術アドバイザー役は担当者がいることになっていますが確認します。
親の会ネットワーク留学・外国の教育制度精神保健福祉センターなどその他に多くのページがあり担当者がいません。新規作成予定の「みんなの質問コーナー」もいません。
この担当者空白ページに新参加者を含めてなるべく担当者をつけていくことがこれからの方向の1つです。個別のページ群担当を決めると同時に、ページを越えて統一性や基準を導入する担当者もいります。
(4)ページ担当者の役割
①それぞれのページの新規情報、更新情報を行う日常作業。②デザイン、表紙を含めて“見たい・親しめる”ページを企画し相談しながら作成する。③ページのデザインバランスを考慮しながら収入になる企画を取り入れます。④他のページとの関連・つながりをよくしてサイト全体の活性化を図ります。
(5)担当者の補充:技術修得とミニ実習会
サイト制作と情報集めの事務作業、文書入力などの周辺作業は原則として引きこもり経験者が行います。不登校情報センターに関わる当事者、訪問先の当事者の対人関係づくり、社会参加の場として参加を呼びかけます。通所できる範囲に居住する引きこもり経験者で関心を持つ方は相談に来てください(電話による連絡、家族からの問い合わせや相談も歓迎します)。状態等によっては自宅での在宅作業もありえます。
参加者には初歩的なPC操作レベルから文書入力、Wikiシステム、ブログなどのPC利用の学習機会(技術修得とミニ実習会)を設けます。
(6)多数の人が同じドメイン内のサイトを制作します。技術レベルの違いや個人的な好みによるページづくりが生まれるのは避けられません。むしろその違いを生かすことが大事になります。
そのうえでシステムの中核になるWikiシステムの特性を生かす基準が必要です。
① ページの構成上のランク(どのレベルの分類に相当するのか)の全体的な統一性を図ること。
②学校名・団体名・人名など固有名詞の表記の統一性を図ります。点(・)や字間などの1字空き、半角空きなどの基準を明文化し、また実例をあげて示します。
③ その他に必要な基準をつくります。

以上が、これからの方向の原案です。参加者の希望と状態、技術的な可否などによりこの提案を現実化していきます。