仕事場交流は質問に答える形で紹介してもらいました

7月9日の「大人のひきこもりを考える教室+仕事場の紹介と交流会」は、よかったです。
後半の「仕事場の紹介と交流会」が新しい取り組み方で内容的には今後とも継続できる感覚を得られました。

(1)認知症の人の小規模グループホームの仕事場紹介にはいろいろな質問が出されました。
入所者9名が1ユニットで2ユニット毎の施設が東京都内26か所(隣接県にも多数)あります。
スタッフは1ユニット6~7名が3交代で当たります。
スタッフの資格(資格がなくても始められる…)、
年齢構成(70代のスタッフもいて入所者との区別が…?)、
入所者の難易度の分布(重度が多いと大変だが…)、
共同生活サポートなので食事準備はスタッフがするのか(かなり事情に通じた人からの質問ですが)⇒調理スタッフは昼と夜は別になるが朝食は通常スタッフが…、
パートタイムから始められるのか(スタッフのうち1~2名なら…)、施設外への同行などは? 
このほかにもいろいろな質問があり答えていただきました。
そのうち希望者を募り現場見学をしたいです。

養護施設を出たばかりの軽度の障害がある人がスタッフを希望しています。
出身校や養護施設の関係者はその人の身元保証人になれないので、私が引き受けるつもりです。

(2)産直の野菜販売店からは3名が来てくれました。
産直販売店はひきこもり経験者などの居場所の役割もしています。
月曜日から土曜日、午前11時から夜8時まで(閉店は季節により変わる)。
現在は5名のスタッフがいて、統合失調症と潔癖症の経験者も交じります。
曜日や時間帯によってはかなり忙しい時もあるので、仕事に慣れたら1時間でも来ていただけるといいそうです。
周辺地域の掃除を月2回していて、この時は20名ぐらいが参加するそうです。これはボランティアになります。
開店して4年ですが、この活動が周辺からも好意的に受け入れられています。
野菜等の購入者にはおばあちゃんが多く、今春から宅配サービスを始めたところです。
店員としては時給950円から始める仕事体験です。
こちらも実際の現地に行ってみるのがよさそうです。
場所は京成小岩駅の近くです。

2つの仕事場紹介をしていただきました。
これからも「仕事場の紹介と交流会」を続けます。
いろいろな仕事場の様子を聞き、出かけて見学や短時間の実習も企画したいです。
特に「人が来ない」と困っている事業所さんには、速攻の求人は保証できませんが、働く立場から求める職場像を感じていただける機会になると思います。
事業者さんからの問い合わせも歓迎します。 
(つづく)

江戸川区福祉部との意見交換を終えこれからを考える

江戸川区の福祉部長+課長3名と会い、話すことができました。
私を含めてこちらからは出席3名です(4月24日)。
全容を一度に紹介することはできませんが、区の方策を具体的に実行するために私たちのできそうなことを具申する形で、意見交換を続けたいところです。
そしてその1つひとつの具申文を今回の意見交換の内容説明に代えます。
というのは福祉部長から説明を受けた江戸川区のひきこもり対策の全体はたいしたものだと思ったからです。
私たちには想定できないものもあり、参考にでき積極的に推進したいものがあります。
17日の区長宛の手紙に書いた社会状況の認識は近く、22日の「追伸」で書いた提案は対策とは合いません。
しかしこちら側で調整できそうです。
区の対策を実行するカギは、ソフトパワーの深さと規模に関係すると直感しました。
実行するソフトパワーが不十分だと対策の全体が絵に描いた餅に終わる可能性もありえます。
私たちには規模の大きさはありませんが、有効なソフトパワーの蓄積はあります。
区の対策に沿った私たちの経験を上乗せする方策、それが調整して具申するベースになりそうです。
それで、①今回の意見交換での感想、
②訪問活動の方法と個別のフォロー方式、
③居場所の様態または安全&管理のバランス、
④新しい就業支援の形としてのリクルート方式の研究など――
これらを数回に分けて、私たちの取り組みの経験と区の方策を重ね合わせたものを具申しようと考えたところです。
それぞれがかなりの内容になります。
時間もかかり進めていくうちに軌道修正をするかもしれません。
具申文の作成順も上の通りにはいかないかもしれませんが。

「追伸 江戸川区長への手紙」を送りました

24日、江戸川区福祉部長と会うことになっています。4、5名が参加する予定です。
17日に送った区長宛の手紙に続いて昨日22日「追伸 江戸川区長 多田正見 殿」という手紙を送りました。
17日の手紙の内容を提案の形に要約し、また言葉不足であった「リクルート活動=中小事業者への説明」部分を加えました。
全体でA4版2枚です。
これも時機を見て、公表するつもりです。

ひきこもりの実数を知る2つの方法を提案

昨年秋、15歳から39歳までのひきこもり数が54万人と内閣府から発表されました。
これは2015年12月に無作為に5000人を調査し、内閣府の基準でひきこもりと判断した回答者1.57%から全体を推計した数値です。
その後、各地でひきこもりの実態調査が行われ、40歳以上のひきこもりの人が全体の30%以上を占めるという報告が続きました。
厚生労働省のひきこもり定義もありますが、個人をひきこもりと確定するものではないので、推測値にとどまります。
実態を調べようがない壁に突き当たり、ひきこもりはどれくらいいるのかの数値がはっきりしません。
行政部門のひきこもり対応が進まないのはこの数値がはっきりしないことが要因の一つと考えられます。
ここで私は2つの提案を考えます。
①、1つは2020年に実施される国勢調査の機会を活用することです。
調査にひきこもりを近似的に把握する項目を設定することです。
職業を書き込む欄があります。
そこに無職、と回答した方に無職の期間がどれくらい続いているのかを書く欄を作ることです。
無職イコールひきこもり(またはニート)とは言えません。
障害で働けない人、高齢による人などもいます。さらに勤務先はなく創作活動をしている人もいますが、その全部が作家とか画家と答えるとも思えません。
それらとの区別は残ると思いますが、厚労省の推測値よりも実態に近くなると考えます。
2020年実施になる国勢調査のための有識者会議が設置され委員も決まっています。
それらを考えて、国勢調査を行う総務省に提案を送るつもりです。
②、提案はもう1つあります。厚生労働省のひきこもり定義はありますが、それを判断する人は決められていません。
医師はひきこもり状態の人を診て「精神障害があるかどうか」を診断しますが、一般にひきこもりの診断はしません。
そのため行政部門の数値はひきこもりの数値がぼやけるのです。
ひきこもりの判断とは、医学的な診断ではなく社会的状態像の判断です。
参考になるのは不登校の判断のしかたです。これは文科省の基準により学校長が行います。
状態像の判断は、基準を設けて判断できる人を決めていくのがいいと思います。
ひきこもりの判断は、厚生労働省のひきこもり定義に基づき、ひきこもりと周辺状態の人に対応をしている、団体機関にしてはどうでしょうか。
その団体機関で一定期間の実務経験をもち、当該対象者と接点・接触が持てる人です。
たとえば保健所の保健師・精神保健福祉士、心理相談室のカウンセラー、福祉機関の職員、民生委員などです。
特に公共機関の実務経験のある職員は、ある程度の期間に数回の接触の機会を持ったあと判断してもらうのがいいと考えます。
相談現場の実感としてひきこもりの人は公共機関との接触や面談的な受け答えをしやすいと考えられるからです(絶対的ではありませんが)。
これにより市区町村単位での該当者の存在がかなり明確になると思います。
行政としてひきこもりへの対応を進める基礎が整うでしょう。

江戸川区議会議員への働きかけは一区切り

不登校情報センター事務所の移転対応策から始まる1か月弱の検討を踏まえて、今後の方向を江戸川区議会議員に説明をしてきました。
議員数人と話したのですが、問題の所在(複雑さや実践的な対応策)、行政として取り組むときの予測、私たちの20年の取り組みの到達点などを改めて実感することができました。

不登校情報センター事務所の移転という小さなレベルで扱わず、「江戸川区をひきこもりに取り組む見本的な自治体にしていこう」という気持ちで働きかけるだけの意味があると感じました。

推測では少なくとも江戸川区内には5000名を超える“ひきこもり状態”の人がいます。
これは厚生労働省の全国的な推測値を江戸川区に当てはめて考えた数値です。
不登校情報センターには、相談や体験発表会などのイベントに参加した江戸川区在住者の名簿は116名です(都内1500名、全国7000名の名簿の一部です)。

取り組み内容は、訪問活動(アウトリーチ)、相談、居場所ワーク(週3日の事務作業とHP制作=情報提供)、居場所(ゲーム交流会、パステルアート教室、就業を考える会、当事者が話し合う希望の会、絹リサイクルリメーク教室など)、2つの親の会(十代中心の不登校の会、30代・40代中心のひきこもりの会)、さらに他団体と協力する「かつしか子ども・若者応援ネットワーク」や「ひきこもり大学in下町」など多くあります。
一言で「アウトリーチから就業まで」の取り組みを20年かけて蓄積してきたのです。
これらの取り組みは小粒ではありますが、「江戸川区をひきこもりに取り組む見本的な自治体にしていこう」という働きかけとは矛盾しないものと思います。

これからの感想は、一緒に議員に話してきた藤原宏美さんと共有することが出来ます。
議員への働きかけを一区切りして、これからどう進むのかは2人で話し合うテーマです。
私なりの思うこと、藤原さんなりに思うこともあり、統合または分担して進める課題です。

不登校情報センターは転居し活動は縮小(検討中)

新方向が必要な背景
①きっかけは主力スポンサー会社の広告停止です。
今回だけではなく最高期と比べて収入は半減しています。
借入金・未払金を確実に支払うため、転居を考えます。
②定期的に通所する当事者が減少しています。
個別相談室的なミニ居場所を設けて、収入源になっているネット運営を継続します。
集会的な取り組みは外部の施設を借りて行います。
③現在の借室の更新が8月であり、2~3か月以内に移転先を決めます。
電話番号を変更しなくてもいい地域を考えています。

基本方向は、収入に見合う取り組みを継続することです。
所在し続けることが必要条件になります。
①居場所の活動(集会できる場所がなくなる可能性は大)。
会場を借りて継続する方法を考えます。
・親の会(十代中心の不登校、20代後半以上のひきこもり、それぞれ月1回)
・ゲーム交流会(月1回)
・パステルアート教室(月1回)
・就労について考える会(月1回)
・希望の会(ひきこもり経験者の集まり、月1回)
・絹リサイクル・リメイク教室(月1回)
・相談室(月10件程度)⇒難問かもしれません。
②居場所外の活動(居場所がなくても継続できます)
・かつしか子ども・若者応援ネットワーク
・ひきこもり大学in下町
・訪問サポート活動
・ネット上の情報提供(継続できる条件を確保)
 *パソコン数台、コピーFAX複合機、事務文書の置き場・保管

活動を継続できる別の条件探
・江戸川区等の施策にできる条件を探す。
・空き家等で現状レベルのスペースを低額で借用できる(可能性を聞いたところ当面はありえません)。

今年もありがとうございました。いいお年を!

不登校情報センターにとってNPO法人をやめたことは今年の重大ニュースの一つです。といっても周りにはほとんど影響は見えません。
秋になって税務署で開かれた「帳簿の記帳説明会」に出席しました。不登校情報センターはNPO法人をやめたあと個人事業になりました。それで記帳を勉強するためです。そういう歩みはしていますが気になりこともあります。

やめる手続きの届け出た後しばらくして、すでに不登校情報センターは解散したという公報がされています。役所の公報としては間違っています。
理由は、法務省の登記所では官報に載せそのあと通知があって再度の手続きがいると聞いています。これにより最終的にNPO法人の解散手続きが終わると聞いていましたが、それが終わっていません。
もう一つは、NPO法人の解散は組織の解散とは同じではありません。不登校情報センターは存続しています。今回の「帳簿の記帳説明会」は、個人事業としての出席です。
これらの事情はありますが継続はするつもりです。今年はサイト制作でも大きな変化がありました。ここを足場に来年の活動を考えています。この年末年始の休日はそれに忙しくブログの更新に手が出せません。この場を借りて「今年もありがとうございました。いいお年を!」と送らせていただきます。
偶然ですが、この記事がブログの2500件目です。ほぼ1日1件のペースです。

その人に即した「出番をつくる」提案をしたい

歩いているときや寝る前とならんで事務的なルーチンワークをしているとき、ふと何かを思い付くことがあります。
今回は会報『ポラリス通信』の発送をしながら思いついたことです。発送はいつもならルーチンワークになるのですが、会報の送付に合わせて多くの人に短い一言メッセージを書こうと思いました。今回の会報は不登校情報センターのこれまで進んできた中ではかなり大きな曲がり角の方向転換になると考えたからです。それを個人レベルでどう受け止めてもらえるのか、必ずしも自信はありません。
各人に即した一言メッセージならキャッチしてもらえるかもしれません。結局自分は何をするかのところがはっきりしたいと、方針の転換といっても現実がともなわないのです。一般的な方針転換(軌道微調整程度かもしれませんが)では、受け取る側ではピンとこないでしょう。
さていざ書こうとすると難しいのです。ありきたりのことならやめるつもりで始めました。何人かに書いているうちにこれはその人への「出番をつくる」提案になると思いました。例えばこんなことです。
ある人が似顔絵を描いているのを見たので「毎号の会報に誰かの似顔を描いてみませんか」という提案。
先日のある交流会で、働き始めたころ遭遇する問題がいくつかでました。以前に「ひきこもり後を考える会」をした人にはそれを再開する提案。
他にもいろいろメッセージを書きましたが、まだまだです。30人ぐらいに書きましたが、ピンとくるとか、出来そうとか、そういうものは少なかったです。
しかし、これからもその人に即した内容で「出番をつくる」提案を考えるつもりです。

今後の活動方向を探す2文書を作成しました

不登校情報センターは今後の活動方向を手探りで続けています。
(1)NPO法人をやめる手続きをとっています。引きこもりを支援する団体であることに変わりはありませんが、周辺の社会問題にも可能な対応できるようにしたいと思います。
(2)KHJ家族会に参加する可能性を研究しています。これまでの会員や協力者の事情を伝える2つの文書を作成しました。次の会報『ポラリス通信』送付に同封する8ページの冊子をつくりました。
文書は、以下のとおりです。

〔KHJに参加する条件を検討(案)〕
http://www.futoko.info/…/%EF%BC%AB%EF%BC%A8%EF%BC%AA%E3%81%…
〔不登校情報センター・親の会の歴史〕
http://www.futoko.info/…/%E4%B8%8D%E7%99%BB%E6%A0%A1%E6%83%…

KHJ家族会の支部になるか検討中です

不登校情報センターの組織面で、いろいろな検討と対応を考えています。
(1)NPO法人(特定非営利活動法人)はやめます。既に手続きを開始しています。東京都所轄ですが、法務省所轄の登記所で行います。いったん登記所に出向き、そこでもらった書類を東京都に提出し、もういちど登記所で手続きをするというものです。かなりの時間を要します。
(2)親の会は存続しますし、居場所(当事者の会)も存続します。親の会はトカネット親の会から続く十代・二十代の親の会と二十代後半以上の「大人の引きこもりを考える教室」の2系列あります。これらが別の会になっています。重なるところもあり、組織としては1つにします。そのうえで運営を別にする方向です。
(3)親の会はKHJ家族会(全国KHJ家族会連合会)に入る(=支部になる)可能性から考えています。予備的な話はしていますが、近くKHJに出向いて話す予定です。家族会ですから、ひきこもりの家族が代表者になるのが条件のようです。
不登校情報センターの情報提供活動、訪問サポート部門、相談活動、居場所での仕事づくりは、KHJの枠組みにはなさそうで、支部の独自活動になるはずです。KHJには全国大会や関東圏ブロックのような地域的な枠を大きく広げる活動面もあります。
(4)さらに賛助会員制度もあるのですが、これという役割はないので廃止します。
(5)会報『ポラリス通信』の扱いも組織面を考える一つです。訪問サポート部門トカネットの会報を不登校情報センターの会報にしています。それは支障ないのですが、会費がなく送付していますので、購読制にしたいと思っています。しかし、事情を考えると一律にはいきません。不定期読者(会員外で購読料の支払いがない人対象)もありとする予定です。
不登校情報センターの会計年度は7月1日から、翌年6月30日にしています。ちょうどその時期でこれらをまとめて考えることになりました。