「ステップアップ」サイトに並ぶ

「ステップアップスクール・サイト」という不登校関係の“業界”で有名なサイトがあります。これまで不登校情報センターはとても及ばないとしてきたところです。

偶然、ある学校をGoogleで検索したところ、「ステップアップスクール・サイト」と不登校情報センターが前後しているのを知りました。
“オヤッ”と思い、不登校や中退を受入れているいくつかの高校を検索してみました。
検索の順位では不登校情報センターと「ステップアップスクール・サイト」がいい競争になっています。あるところでは不登校情報センターが、別のところでは「ステップアップスクール・サイト」が上位です。多数の学校を比べる余裕はありませんが、及ばないレベルではなく、相並ぶ状況です。
表示される各学校の画面は、さすがに「ステップアップスクール・サイト」がプロらしくきれいです。ここでは一歩も二歩も譲るしかありません。ですがこの面もいずれは近づくことができそうな感じがしました。
掲載情報の件数では、学校・教育関係では両者は変わらないし、おそらく超えていくでしょう。なぜなら「ステップアップスクール・サイト」は広告業として活動しているのに対して、不登校情報センターは情報提供のウェブサイト運営業としての活動の役割がどんどん高くなっているからです。「ステップアップスクール・サイト」では学校は広告費を支払って掲載するのが基本になっています。広告費に制約されることになります。
不登校情報センターは広告費が格段に少ない分だけ、運営は困難ですが将来性は逆です。ウェブサイト運営式がだんだん優位になると思えます。両者をこのように対比できるだけで、非常に大きな前進を感じてしまいました。

不登校情報センターの強みは他にもあります。
1つは学校の情報収集と掲載に限られていないことです。教育・心理などの相談室、親の会、自立・就業支援団体、保健所や児童相談所などの公共機関の情報も取り入れ充実させる可能性があります。学校・教育団体にしても適応指導教室や公立中心の定時制高校の情報を通常業務として扱える点です。
不登校情報センターの強みの第2は、自身が支援団体であることです。情報提供以外の支援活動があります。それによってかなり膨大な分野を開拓できていますし、今後も続いていきます。

相談事例から気づくこと2題

最近の相談・問い合わせの中でこれはと思うことを2題あげましょう。

一つは、訪問に関することです。対応として訪問を考えた方がいいケースが少なからずあります。
訪問活動をアウトリーチというのだそうです。行政の人がこういうわかりづらい言葉をはやらせていくのはあまりいい感じはしません。
少し前に「保健所と引きこもり」のテーマで、保健所の引きこもりの人への訪問活動状況を教えてもらうアンケートをしました。先進例はあると思いますが、全体としては「そういうことなら保健所へ」とはいきません。対応にばらつきがあり、先進例は限られているからです。
特に18歳未満の子どもへの訪問は保健所では基本的な対応範囲ではありません。
そこで児童相談所のメンタルフレンドの活用状況を見なくてはなりません。
かなり昔にアットランダムに調べたことがありますが、児童相談所ごとにかなりの差があります。現在はさらに児童虐待への対応が重視されていますので、引きこもりの子どもへの対応がどうなっているのか、メンタルフレンドの活用がどうなっているのか、情報収集の空白部分です。相談される人から部分的に様子を聞く範囲を超えてはいません。
これは情報収集のこれからのテーマになります。

もう一つのテーマは、特に20代後半以上の家族から相談を受ける例です。
引きこもり関係とはどこかで重なりますが、その枠を超えた相談例が多くなっています。
若者の就業・求職状況が厳しくなっていること、親が高齢であり家族関係が複雑になっていることなど社会的な状況が背景にあり、絡み合っています。
私の相談も、引きこもり関係の相談というよりも人生相談的になったりします。
こちらはこれという対策はとれません。
差し当たり相談事例が増える成り行きに任せるしかなさそうです。