「保健所の発達障害等への対応について(情報提供のお願い)」として保健所における発達障害への対応を調べています。
まだ回答数は多くはありませんが、いくつかのことに気がつきます。
(1)全体として、発達障害への対応は進んでいません。
そのなかでも幼少児など年齢の低いところからの対応が始まっているという印象を受けます。青年や成人にはまだ手が届いてはいません。
(2)公共機関は役割分担があります。いわば重点的な対応分野があるものと思います。保健所における発達障害は、その重点分野ではなさそうです。むしろ伝統的な保健分野の機関として地域に定着をしており、いろいろな相談等が集中する状態を生かして、専門分野への導入や案内役をしつつあるのかもしれません。これは各保健所により違いもありますから、一律にいえるものではないこともまた確かです。
(3)先日から全国に児童家庭相談室のリストを作成し始めています。これにも対応の重点があり、福祉分野への導入の役割にあるのかもしれません。
たとえば家庭裁判所における対応を調査するときは、いじめや虐待に関係することを想定しています。その際も裁判に重点を置くよりも、家事裁判の特徴や家裁調査官の仕事内容などを広く理解していただく視点が必要になると感じています。
(4)不登校、引きこもり、発達障害という分野を中心に支援者の情報を集めてきましたが、その周囲・背景、社会的な土台には共通したものがあります。これ以外にも、家庭内暴力、貧困問題、孤立などがつづきます。引きこもりから社会に近づく、社会参加のために何かをしようとしてきたのですが、状況は社会のほうからいろいろな形で引きこもりに近づいているという印象です。
公共機関はそれぞれの独自性や専門性を持ちながらも、互いに協力し合うことがとりわけ重要になってきました。「管轄外」ということで終わらないで、それぞれが協力する仕方・動きが現われています。今回の調査で感じていることです。