進路相談会で不登校周辺の相談を受ける
進路相談会で不登校周辺の相談を受ける
「かつしか進路フェア2017」に参加し、相談コーナーに座りました。数件の相談を受けましたが多くは親子そろってです。数年前の相談内容とくらべるといくらかの変化を感じます。
(1)不登校が長期になっているのではなく、比較的短かいいわゆる“さみだれ登校”タイプが多いこと。不登校を看板にしていない進路相談会では長期のひきこもりになっている不登校は相談に見えないのかもしれません。
不登校のきっかけが起立性調節障害などの体質によるという直接の理由がはっきりしている人もいました。この場合も起立性調節障害という病気を治すことよりもそういう体質に沿った生活スタイルをめざすのがよいと答えました。
外傷など一時的なものは治療優先でいいと思いますが、体質や気質に関することは必ずしも“治す”ことが優先しません。アレルギー体質のばあいも基本は同じです。“治す”動きは長期に続く場合が多いのでそれに沿った生活スタイルをめざすことだと思います。
(2)数人が発達障害といわれるアスペルガー障害(自閉症スペクトラムという)やADHDであること。これはすでにそのように診断されている人もいるしそうでない人もいます。
発達障害については、否定的に考えることではない。優れていることもあれば、不便なこともある。そういう自分を理解してどう対応するのかを経験から学び、自分なりの対応策を身に着ける方がいい。こういうスタンスで答えました。
相談では「自分の発達障害のタイプ」を理解すること、教科書的な全般の理解ではなく、自分のタイプを知るのが大事だと改めて感じました。浦河のベテルの家では統合失調症の人たちが自分で自分の病名・症状に名前を付けていると聞きました。発達障害も同様にしていいと思います。
自分の発達障害の表われと教科書的な発達障害の表われは矛盾しません。なぜなら発達障害は多様に表われ個人差が大きいからです。むしろ大事なのは「自分に表れる発達障害の特徴」です。発達障害を理解するというよりは、自分を理解することが大事で、それに沿った対応方法を経験的に身に着けるのがいいと考えるのです。
相談のなかでこの点を話しました。
(3)いじめに関係する不登校の相談もありました。相談例は生徒を取り巻く周辺事情(家族関係、転校など)が絡んで複雑になっています。
それでも中学校でできそうなことはあるのですが、「確認できない」などと答えられ“逃げている”との印象を持っています。このような場合の対処法を話しました。以前に書いたことなのでここでは省きます。
(4)不登校が続いていることによる学習の遅れを心配する生徒(親)は、多くいます。身体的な理由が少なければ、このような生徒への学習面での補充を考えてもいいのではないでしょうか。あえて言えば「公的な個別学習サポート制」です。
今回の相談コーナーもカウンセラー、社会福祉協議会からも相談メンバーが座りました。コーナーを設けて3年目ですが「通常の進路相談会にこのような相談コーナーを設けた成果が出てきた」との感想が出ました。
〔2017年8月6日〕