ハッピービバーク
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「ただ、いるだけでいい」不登校経験者語る 夏休み明け「周囲は理解を」
子どもの気持ちを受け入れる大切さを語る森田義也さん=佐賀市
佐賀県内の多くの学校で2日から2学期が始まる。夏休み明けは学校生活の悩みやストレスを抱えて登校がつらい児童生徒がいる。
不登校を経験し、現在は不登校の子どもらを支援する佐賀市の森田義也さん(37)は、苦しんでいる子どもたちの心情を推し量りながら「ただ、そこにいるだけでいい。生きていて」と呼び掛け、周囲には「いつも子どものそのままを受け止めて」と促す
。
森田さんは小学生の頃から学校になじめず、登校を望む親とぶつかってきた。
似た境遇の子どもが集まる居場所づくりへの参加もためらい、「大人は自分の気持ちを理解しているとは思えず、絶えず不信感があった」と当時を振り返る。
小学4年の時、親が不登校を受け入れてくれたのが伝わり、「救われた思いがした」と強く印象に残った。
20代から佐賀市の不登校を考える親の会「ほっとケーキ」に関わり、子どものフリースペース「ハッピービバーク」の運営に携わる。
不安を抱える子どもを周囲が無理に学校へ行かせようとすると深い傷を負わせることにもなる。
「学校に行かないという気持ちも、行きたいのかどうか分からない気持ちも尊重したい。
子どもがどんな状態でも大事に思える。自分も力になれることがあるのではないか」との思いは強い。
悩みを抱える子どもはそれぞれ気持ちが異なり、不登校に寛容ではない環境や将来に対する不安などで矛盾した感情を抱えることもある。
「ただ『逃げていいよ』と言うだけでは伝わらないと思うし、優しさからの支援が押し付けになる場合もある。
関わり方は難しいし答えも出ないけど、子どものそのままを受け入れるのが大事なんだと思う」と指摘する。
夏休み明けに子どもの自殺が急増するとの調査結果から、今の時期にさまざまな呼び掛けが行われる。
森田さんは趣旨に理解を示す一方で、違和感も覚える。
「子どもは追い込まれるまでの苦しさがあり、学校に行く負担をずっと抱え続けていると思う。
『学校に行かなくてもいい』『居場所がある』を一過性にしないで、周囲は普段からそのような意識が求められる」と強調する。
「悩みを抱える子どもに届くメッセージは、一人一人異なる」と森田さん。
「かつての自分に対してだったらこう伝えたい」とした上で、「学校に行かなくて人生が閉ざされるわけではない。
それぞれの人生があり、自分も今こうして生きている。行かなくなったら終わりだとは思わなくていい」と話した。
〔2019年9/1(日) 佐賀新聞〕