坂出市と坂出警察署の虐待情報共有
坂出市と坂出警察署の虐待情報共有
所在地 | 香川県坂出市 |
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児童虐待防止、情報共有が鍵 坂出市・署が協定締結 県内初、市町が個別連携
児童虐待の未然防止に向け、坂出市と坂出署は20日、虐待事案の情報共有に関する協定を締結し、綾市長らが「悲惨な児童虐待が起きないよう緊密に連携したい」と決意を新たにした。
児童虐待対策では、県と県警が協定を結んでいるが、市町が地元警察署と個別に協定を結ぶのは県内で初めて。
坂出市では昨年10月、1歳女児が父親に布団に投げつけられるなどして重体となる虐待事件が発生。
市職員が事件前の自宅訪問で虐待の兆候を発見できず、警察や児童相談所に連絡していなかったことが問題となった。
坂出署との協定は再発防止策の一環。
市と署は相互に連携・協力し、児童虐待事案に関する情報を適切に管理した上で共有する。
具体的には、市こども課は
▽虐待による外傷やネグレクト(育児放棄)などが考えられる事案
▽刑事事件として立件の可能性がある事案
▽児童の安全が確認できない事案
▽保護者などが安全確認に強く抵抗を示すことが予想される事案―
などの情報を坂出署に提供する。
署からも、これらの事案の児童に関する情報のほか、児童の安全確認や安全確保に必要と判断した情報を同課に伝える。
また、虐待事案の家庭が市外に転出するなどした情報を把握した場合は、速やかに相互に連絡するとしている。
市役所で行われた調印式では、市長が「悲惨な虐待事案を二度と起こさないために、地元警察との情報共有は大変心強い」とあいさつ。
浜野賢吾署長は「他市町や他県に波及するケースでも迅速な対応が期待できる。児童の身体生命の安全確保を使命として取り組みたい」と述べた。
また、市は新たな対策として
▽初期段階から複数職員で対象世帯を訪れる
▽家族全員との接触を図る▽虐待が疑われる全事案を児童相談所に連絡する-
なども打ち出している。
〔◆平成31(2019)年3月21日 四国新聞 朝刊 〕