所在地 |
富山県高岡市 |
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ページ名オタヤこども食堂、富山県高岡市、(子ども食堂)
子ども食堂、地域の居場所 子育て中の家族・高齢者らも一緒に 県もサポート/富山県
地域の子どもに無料や安価で食事を提供する「子ども食堂」が、県内でも相次いでオープンしている。
子どもだけではなく高齢者らも一緒に過ごせる「地域食堂」を合わせると、現在9カ所あり、県や市町村も補助金を出すなどサポートを進めている。
県内初の子ども食堂として、2015年に高岡市中心部の御旅屋地区にオープンした「オタヤこども食堂」。
現在は御旅屋セリオ6階で毎月第2、第4土曜日に、高校生以下には無料で昼食を提供している。
これまでに延べ約4千人が利用した。
今月9日、楽しそうにカレーを食べる家族連れのほか、子どもだけで食事をとる小中学生の姿もあった。
近くに住む小学5年と2年の兄妹は、幼い時に両親が別居し、一緒に住んでいる母親は仕事で家を留守にしがちだという。
普段、昼食と夕食は祖母が働く居酒屋で食べ、こども食堂が開かれる日はいつも利用しているという。
この日、カレーをお代わりした兄は「お小遣いがなくてもおなかいっぱい食べられる」。
妹は「いつもフルーツがついているのがうれしい」と笑顔をみせた。
子ども食堂は、家で十分に食事が取れなかったり、1人で食べていたりする子どもの居場所として、全国で広がっている。
オタヤこども食堂の発案者の田辺惠子さん(66)は、同市の民生委員として、「孤食」の子どもたちがいることに心を痛めていた。
東京の子ども食堂の例を参考に友人ら有志と食堂を立ち上げた。
食材は企業や個人からの寄付に頼り、高岡西高の生徒らがボランティアで給仕役を務める。
田辺さんは「助けを必要としている子どもたちはもちろん、子育て中のご家族に気軽に立ち寄って利用してもらいたい」と話す。
この日、食堂を視察した高橋正樹・高岡市長は「子どもの貧困は課題であり、こうした試みが広がることは大変ありがたい。しっかりバックアップする」と話した。
同市は、県が今年度から始めた「子どもほっとサロン事業」で、子ども食堂開設への助成金20万円を県と半額ずつ負担している。
射水市新湊地区の放生津コミュニティセンターでは、昨年11月から毎週第1、第3土曜日に「いみず子ども食堂」が開かれている。
毎回、近くの放生津小学校の児童ら約30人が集まる。
午前10時過ぎには子どもたちが訪れ、無料の昼食を挟んで、午後3時まで宿題をしたりゲームで遊んだりしている。
食堂を運営する新湊中央ロータリークラブの池田茂前会長は「子どもの貧困対策というよりは、まるで児童館のようだ」と苦笑い。
それでも「子育てがしやすい地域だという評判になれば、町おこしにもつながる」と考えている。
県子ども支援課の杉田聡課長は、県内の子ども食堂の傾向として「高齢者らを含めた地域の人たちの居場所となっている」という。
「困ったことがあれば地域の中で相談できる環境ができて、結果的に経済的に困っている子どもや孤立している世帯への支援につながればいい」と話す。
県は10月16日、子ども食堂の開設を考えている個人や団体を対象にした初めての研修会を富山市で開く。
問い合わせは同課青少年係(076・444・3136)。
〔◆平成29(2017)年9月14日 朝日新聞 大阪朝刊地方版〕