フードバンクいたばし
所在地 | 東京都板橋区 |
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ページフードバンクいたばし、東京都板橋区、(子どもの貧困のニュース、子ども食堂・フードバンク)
子どもの貧困なくしたい 「フードバンクいたばし」設立
集まった食料を前に「賞味期限が3カ月以上ある物を寄せてほしい」と呼び掛ける藤村行一さん(右)と利根川徳さん=板橋区の昌玲寺で
家庭などで余った食料を寄せてもらい、生活に困っている人たちに届ける「フードバンクいたばし」が今月、発足した。
メンバーは、板橋区の住民や在勤者。
代表の藤村行一さん(43)は「多くの人と力を合わせ、子どもの貧困などの問題に取り組んでいきたい」と意気込んでいる。
(増井のぞみ)
藤村さんは同区前野町にある昌玲寺(しょうれいじ)の住職。寺は代々、親族が住職を務めていたが、子どもの頃は家庭の事情で別の場所で暮らし、貧しい生活を送ったという。
「小学生の時は、継ぎはぎだらけの長ズボンをはきたくないから、冬でも半ズボン。
高校では、おかずの少ない弁当を見られるのが恥ずかしく、ふたで隠して食べていた」と振り返る。
厚生労働省によると、所得が標準的な水準の半分に満たない世帯で暮らす子どもの割合(貧困率)は、二〇一二年に16・3%に達した。
六人に一人が貧困状態にある計算で、区の民生委員をしている藤村さんは普段の活動を通じて、地元にも十分に食事を取れない子どもがいることに気がついた。
フードバンク設立のきっかけは二年前。
生活に困窮した人らが訪れる「いたばし生活仕事サポートセンター」を運営するNPO法人ワーカーズコープ(豊島区)スタッフの山下沙織さん(56)から、少なくない数のシングルマザーや高齢者が食べ物の相談に来ていると聞かされた。
「自分と同じような思いをする子どもがいなくなるようにしたい」と考え、共に活動していくことを決めた。
手始めに、昨年十月の板橋区民まつりで缶詰や乾麺など約三十五キロの食料を集め、区内の母子寮や子ども食堂に届けた。
今後は年二~三回、区内の催しで食料を募るほか、事務局を置く昌玲寺で随時受け付ける。
フードバンクは、まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らすことにもつながるため、スーパーや企業、自治会などに、切り替え時期が近い災害備蓄品の提供を呼び掛ける。
同NPO理事の利根川徳(あつし)さん(55)は「困った時に互いに支え合える地域づくりをしていきたい」と話している。
問い合わせは昌玲寺=電03(3965)2780=へ。
〔東京新聞TOKYOweb 2017年3月16日〕