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児童虐待:最多760件 「心理的」増加し53% 「実父」からが「実母」上回る 昨年度 /香川
県の児童相談所が対応した2015年度の児童虐待件数が760件となり、過去最多を記録した。
種類別では「心理的虐待」が409件で全体の53・8%を占めた。
心理的虐待は年々増え、06年度の87件から4・7倍の増加となった。また、虐待者は「実父」が「実母」を初めて上回った。
18歳未満の子どもの福祉に関する相談は、県子ども女性相談センター(高松市西宝町)や県西部子ども相談センター(丸亀市土器町東)、市町の窓口で受け付けている。
県子育て支援課によると、県の2施設で対応した児童虐待件数は年々増加し、420件(06年度)、588件(10年度)、727件(14年度)と推移している。
15年度、種類別で最多となった心理的虐待は、159件(12年度)から369件(14年度)などと近年、特に増えている。
親から「お前なんかいなかったらいい」と常時言われたり、親が配偶者から暴力を振るわれているのを目撃したりするケースがあった。
また、13年8月から「兄弟姉妹への虐待の目撃」が心理的虐待に含まれるようになったことも増加の一因という。
心理的虐待に続き、「身体的虐待」が219件(28・8%)、食事や清潔な衣服を与えないなどの「ネグレクト(養育放棄)」が125件(16・4%)となった。
一方、「性的虐待」は7件(0・9%)にとどまった。
県子ども女性相談センターによると、被害者が自ら言わないと発覚しにくく、潜在的にはもっと発生している可能性があるという。
実際、本人や両親からの相談は少なく、本人から話を聞いた教諭らが連絡する場合が多いという。
また、虐待者別にみると、06年度には実母(307件)が実父(79件)を大きく上回っていたが、実父は徐々に増加。
実母が300件前後で推移する中、15年度には実父(348件)が実母(306件)を初めて上回った。
「養父・継父」は81件、「養母・継母」は7件だった。
浜田恵造知事は「児童虐待は依然として深刻で、社会全体で解決するべき課題。
市町や関係機関との連携を強化し、防止や早期発見に努めたい」と話している。
県子ども女性相談センター(087・862・8861)は年中無休、24時間態勢で通報、相談を受け付けている。
〔2016年6月16日・貧困ネット、平成28(2016)年6月9日 毎日新聞 地方版〕
児童虐待対処 最多760件 加害者 実父45・7% 県、昨年度=香川
県は、2015年度に対処した児童虐待が前年度比4・5%増の760件で、記録のある1990年度以降で最多だったと発表した。
加害者は実父が5割弱を占め、94年度以降で初めて実母を上回った。
県内2か所の児童相談所で対処した件数を集計した。
暴言を浴びせるなど「心理的虐待」が409件(前年度比40件増)で最も多く、殴ったり蹴ったりする「身体的虐待」が219件(4件減)、食事を与えないなどの「ネグレクト(育児放棄)」が125件(2件減)、「性的虐待」が7件(1件減)と続いた。
加害者は、実父が348件(56件増)と45・7%を占め、実母は306件(35件減)。
養父・継父は81件(4件増)、養母・継母は7件(4件増)だった。
厚生労働省は2013年8月、本人に暴力などの身体的虐待がなくても、きょうだいが虐待されるのを見た場合も心理的虐待と認定するよう指針を改正。
さらに、子供の前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」を、県警が児童相談所に積極的に通報するようになったことが一因という。
県は「虐待は社会全体で解決すべき課題。『おかしい』と感じたら迷わず連絡してほしい」としている。
相談は県子ども女性相談センター(高松市、087・862・8861)か県西部子ども相談センター(丸亀市、0877・24・3173)へ。
〔2016年5月29日・貧困ネット、平成28(2016)年5月20日 読売新聞 大阪朝刊〕