カテゴリ:山梨県(地域)
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山梨県(地域)
周辺ニュース
◆生活困窮者支援制度 新規就労8割超 =山梨
県によると、生活困窮者自立支援制度で昨年度1年間に就労支援対象者となった人のうち、就労した人の割合は85・5%で、全国平均(76%)を約10ポイント上回ったことがわかった。
県福祉保健総務課によると、県内の自治体が1年間で受け付けた相談は1224件。
相談者には課題に応じた助言を行ったほか、412人に対しては個別の計画を立てて支援を実施した。
このうち、就労可能な229人の中で196人が新規就労した。
全体の相談件数のうち、県が受けた相談105件を内容別でみると、収入に関する相談が3割と最も多く、仕事と住まいに関するものがそれぞれ約2割だった。
20~30歳代は住まいに関する相談が多く、40~50歳代は収入と仕事に関する相談が多い傾向があるという。
〈生活困窮者自立支援制度〉
生活保護を受ける前に自治体が支えて自立を促す仕組みで、昨年4月に施行された。
福祉事務所がある自治体(市区、町村は原則都道府県)が実施主体で、相談窓口の設置が義務付けられている。
生活保護を受けていない困窮者(失業者や多重債務者、ひきこもりの人など)に、就労支援や家賃補助などを行う。費用は国と自治体が負担する。
〔2016年6月26日・貧困ネット、平成28(2016)年6月17日 読売新聞 東京朝刊〕
周辺ニュース
◆生活困窮世帯に学習支援 県、中高生対象に週1回 =山梨
県は今年度から、生活困窮世帯の子どもの学習支援に乗り出す。
不安定な雇用に伴い、働く世代の貧困が増える中、その子どもの教育が十分でなく、「貧困の連鎖」が社会問題化していることなどが背景にある。
ただ、支援が必要な子どもがどの程度いるのか、実態は把握できておらず、支援を必要とする世帯への周知が鍵となりそうだ。
◇必要とする人へ周知 鍵に
県福祉保健総務課によると、支援事業の対象は、県内の町村部で生活困窮世帯の中高生。原則、週に1回、2時間の学習支援を行い、教員OBなどが配置される。
県は今月30日まで事業を行う事業者を募集しており、学習支援は6月下旬に始まる見通し。
参加者は無料で受講できるという。県は事業者募集に先立ち、学用品の費用や給食費などを援助する就学援助制度を利用している世帯を対象にニーズを探ったところ、約60人の学習支援の希望者がいたという。
ただ、生活困窮世帯の実態ははっきりしないのが実情といい、県の担当者は「実際は希望者数以上に、支援を必要としている世帯があるかもしれない」と話す。
こうした学習支援については、特定非営利活動法人・県キャリアコンサルティング協会が昨年度、貧困世帯の子どもなどを対象に中央市と富士吉田市で行った。
その際、自治体に支援事業を案内してもらい、約半年で延べ約70人の利用者があったという。
参加者は熱心に学習していたが、同協会の宇佐美康司理事は「支援が必要な人に十分に情報が届いていたのか」と心配する。
県は今回の支援について、生活保護受給世帯や就学援助制度の利用世帯のほか、ひとり親世帯など、収入による線引きでは見えにくい貧困世帯への支援も行っていく考えだ。
県の担当者は「貧困の連鎖を防ぐため、学ぶ機会を提供することが必要。第一歩になれば」としている。
〔2016年5月23日・貧困ネット、平成28(2016)年5月12日 読売新聞 東京朝刊〕
周辺ニュース
◆【くらし】広がる「食」の支援 ひとり親家庭やお年寄りに
生活が苦しく、朝昼晩と3食を取るのが難しいひとり親家庭やお年寄りに食料を届ける「フードバンク活動」が、各地で広がっている。
まだ食べられる食料を無駄にする「食品ロス」の解消にもなるが、企業や個人の寄付が欠かせない。
活動のない地域にも支援を広げようと、NPOなどによる協力も始まった。
▽胸いっぱい
「貯金がなくなり2人で思い詰めていた。『お米がある』と、あんなにほっとしたことはない」
山梨県富士吉田市の70代の夫婦は昨年5月、同県南アルプス市のNPO「フードバンク山梨」から届いた箱を開けた。
中に詰まった米や調味料を見ると胸がいっぱいになり、言葉が出なかった。
収入は妻の年金だけで、そこから家賃や病気で倒れた夫の医療費を支払っている。
今も月2回食料が届くおかげで、食費の支出は、生鮮品など月2万円に節約できている。
貯金を崩してやりくりしてきたが、昨年4月に市に相談。
生活保護は買い物に使う車を持てなくなる恐れがあり、申請しなかった。
市の連絡でフードバンクの支援が始まり生活は落ち着いた。
フードバンクは、へこみのある缶詰などを寄付してもらい、生活保護は受けていないが、収入や年金が低く十分な食事が取れない高齢者や母子家庭、ホームレスや福祉施設に届ける。
約100世帯を支援するフードバンク山梨。
夫の収入が不安定で、子どものミルク代にも苦労する女性には、おむつや離乳食を多めに入れる。
滞納がなくガスを使えるかなど、生活に応じて食品を選ぶため、ボランティアの人手は欠かせない。
▽地域差
農林水産省によると、2014年時点で、団体は全国に40ある。
自治体や独立行政法人の支援を受ける団体もあるが、人手に加え、保管場所や運営資金の確保、寄付する企業の開拓が共通の課題だ。
「取り組みに地域差があり、どこでも同じ支援ができるとは限らない」(フードバンク山梨の米山けい子理事長)。
岩手県の「フードバンク岩手」(盛岡市)は、地場の食品メーカーが少なく、寄付の8割を個人に頼る。
農家からもらう米は多いが、おかずになる缶詰などが足りない。
阿部知幸副理事長は「都市部は缶詰の余裕があっても、お米が足りない。物資を補い合いたいが、遠くなるほど輸送費がかかって難しい」と打ち明ける。
▽ノウハウ共有
フードバンク山梨など11団体は昨年11月、「全国フードバンク推進協議会」を設立。
活動に役立つノウハウを共有するほか、新たな支援の動きを後押しし、各地にフードバンクを定着させる狙いだ。
ことし2月には1団体が新たに加わった。
東京都狛江市の田中妙幸さん(62)は、協議会やフードバンク山梨の助言で2月、NPO「フードバンク狛江」を立ち上げた。
14年にフードバンク活動のことを知り、「私もやってみたい」とすぐ団体づくりに取り組んだ。
「初めは食料の足りない人がどれだけいるかも分からなかった」が、スタッフの集め方などを教わり、昨年7月から地域での食料提供を始めた。
田中さんは「ノウハウを教えてくれる仲間がいるから、何も知らなくても始められた」と、活動を広げるには団体ごとの協力が必要だと話す。
〔2016年5月3日・貧困ネット、平成28(2016)年4月26日 共同通信〕
周辺ニュース
◆給食ない夏休み 子どもの食支援学校と連携 フードバンク山梨、窓口を拡大
生活保護を受けていない困窮世帯を食料支援するNPO法人「フードバンク山梨」(米山けい子理事長)は、夏休み中の子どもの食を支援する「こども支援プロジェクト」に向け、中央市内の小中学校と連携を始めた。
同法人は市町村の福祉窓口を通して申請を受け付けているが、支援が必要な子どものいる世帯をより幅広く把握するため、学校を通して同プロジェクトを周知し、申請のあった家庭を支援していく。
同プロジェクトは、給食のない長期休暇中、十分に食べられない子どもがいることから、夏休み中に5回、食料を無償提供するなど子どものいる家庭を支援する事業。
運営費は市民や企業からの寄付で賄い、昨年の夏休みに初めて実施し127世帯を支援した。
本年度は新たに、中央市内の8小中学校に協力を呼び掛け、生活保護世帯に近い状態だと市町村が認定した準要保護世帯に対し、学校を通して同プロジェクトを紹介し、食料支援の申請書を渡す。
同法人が生活困窮者自立支援法に基づく委託契約を結んでいる6市の中で、寄付金で支援できる規模であることやプロジェクトの趣旨に賛同してくれたことなどから、連携することになった。
米山理事長は「子どもの貧困は見えにくく、支援が必要な家庭を十分把握できない。
学校に協力してもらうことで、子どもたちを救うきっかけが増えるのではないか」と連携の目的を語る。
プロジェクトの詳細を説明するため各校への訪問を始めていて、18日は米山理事長らが田富北小を訪れ、食料支援の申請書を手渡した。
米山理事長は「私たちには教育現場から見える子どもの状況は分からず、学校との連携は欠かせない」と言い、鷹野晃校長は「家庭が孤立化している今、食料支援は、社会から見えにくくなっている家庭に手を差し伸べられる良いツールになると思う」と話した。
〔2016年4月27日・貧困ネット、平成28(2016)年4月22日 山梨日日新聞 朝刊〕
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