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技術知識・仕事経験がない点
〔2010年07月25日〕
(2)技術知識がない、アルバイトもしたことがない
就職に必要な技術・知識についても深刻な状況を述べています。
スペースにきている当事者のことを、自分の体験と重ね合わせて、その深刻さを描いているのでしょう。
けれどもバランスを欠いています。ワード、エクセルは一つの実例と了解したうえですが、それにしても自分の一部しか見ていません。
① 就職に必要な技術・知識の目標がはっきりしているのならば、それを目指せばいいのです。
それは自分でやることであって、不登校情報センターではやっていないというのは弁解にはなりません。
ナンセンスであり、お門違いです。
②不登校情報センターでワードやその他のパソコンの技術知識をしているのは、ここの作業はそれで間に合うし、対人関係の媒介として有益だからです。
ここはパソコンの高度技術の修得機関ではありません。対人関係を主にする場所です。
③ 世の中の職業はパソコンが共通の必要道具とはいえません。
職業は各人の特技、関心、能力、性格それに周囲の環境などにより選ぶものです。必要な知識や技術はそれにより違います。
その点を無視しているか、目が向いていません。
あの青年をお母さんが「悪いほうに悪いほうにとって否定感ばっかりで、聞いていても嫌になる」。それと共通するのはこのあたりです。
パソコンの技術知識が必要なものとわかっていればそれに向かうことが、なぜそれをしないのでしょうか。
なぜそれができないのでしょうか。ここがいちばん重要な点です。
それこそが(1)で述べた未成熟感覚です。そこを見ないと周囲に何かをぶつけたくなるのでしょう。
自分への攻撃を周囲の他者に振り向ける方法です。そうでもしないと自分が維持できないからでしょう。
人身攻撃や物的攻撃がない限り、そこは同情し大目に見るのですが、人格的にスポイルしていくのを感じて残念です。
彼の中にある健全なもの、得意なものを伸ばす(伸ばす条件としての対人的な安定感)ことで、
このような否定感や周囲の人への攻撃性は変化しますが、彼の環境条件にそれがどの程度あるのか気がかりです。
なお、パソコンの技術知識は、短期間で新しいものが次つぎに生み出されるのが特徴です。
いま現在の最先端技術をもつ人さえ、それがいつまで有効なのか不安をもつと聞いたことがあります
。最先端でなく、またパソコン技術者でもなく「パソコンを活用するレベル」であれば、そこまで前が見えなくなることもないのです。
パソコン技術者を選んで前が見えないというのは、職業選択が間違っているか、職業選択が視野狭窄になっているのです。
就職にパソコンは絶対ではありません。初歩的でも間に合うものはありえます。