カテゴリ:児童相談所
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周辺ニュース
◆虐待対応へ児相の権限強化 法改正案閣議決定
政府は29日、児童相談所の体制や権限強化を柱とする児童福祉法と児童虐待防止法の改正案を閣議決定した。
ベテラン児童福祉司や弁護士の配置を義務付けたほか、強制的に家庭に立ち入る「臨検」の手続きを簡略化。
増加する児童虐待への対応強化に向け、今国会での成立を目指す。
改正法案は、児相の強化策として(1)同僚らへの指導・教育も担当するベテラン児童福祉司や児童心理司らを配置(2)児童福祉司への研修の義務化――を規定した。
児相や市町村の求めに応じ、医療機関や児童福祉施設、学校が被虐待児に関する資料を提供できるようにすることも明記。
「臨検」に関しては、実施に先立つ保護者への「出頭要求」の手続きを省略した。
他に、虐待を受けるなどして実親の元で暮らせない子供について、里親委託や養子縁組を促進することも盛り込まれた。
里親支援や養子縁組に関する相談・支援は、児相の業務に位置付ける。
また、これまで一時保護中に18歳になった場合は児童養護施設などへの入所措置ができなかったが、20歳未満まで入所措置を可能にする。
保護された子供が大学などへの進学を諦めたり、中退したりしないよう、施設出身者らが共同生活する「自立援助ホーム」に関しては、入所可能な年齢を「20歳未満」から「22歳に達した年度末」に引き上げる自立支援策も盛り込まれた。
〔共同〕
〔2016年4月6日・貧困ネット、平成28(2016)年3月29日 日本経済新聞 電子版(共同通信〕
周辺ニュース
◆児童相談所 保護基準なく試行錯誤 相模原中学生自殺 国、明確な方針示さず
神奈川県の相模原市児童相談所(児相)に保護を求めていた男子中学生が自殺した問題は、各地の児相にショックを広げている。
「家庭に介入し」「子供を守り」「親を指導・支援する」。
全てが児相に求められ、権限と責任は大きくなる一方、各業務に国の明確な運用基準はなく、職員たちは試行錯誤している。
今回のケースで、相模原市児相は2013年秋、学校からの通報で生徒への虐待を把握した。
生徒と共に両親を通所させ、暴行をやめるよう指導を続けたが、約1年後、両親が指導内容に反発し、通所が途絶えた。
母親は「子育ての悩みをわかってもらえなかった。児相に通うほど親子関係は悪化した」と訴えたという。
「保護してほしい」と繰り返し訴えた生徒が自殺を図ったのは、翌月だった。
厚生労働省は子供の安全のため、強制的に親から引き離す職権保護を積極運用するよう指針で求めているが、どんな場合に保護するかは現場に任されている。
ある児相幹部は「いずれ親元にかえす必要もあり、保護の決断は常に難しいが、相模原のケースは、子供が自ら保護を求めた異常事態で、対応が消極的すぎた」と指摘。
その上で、「親の悩みを共有し、一緒に改善していく姿勢が職員にあれば、こんな結末にならなかったはずで残念」と話す。
「悩みを共有する」手法は近年、注目されつつある。
実際、さいたま市児相などでは、豪州発祥の支援プログラム「サインズ・オブ・セイフティー」を導入。
職員が家族と共に問題解決に取り組み、保護者と対立していたケースで関係が改善し、職員の連携が向上する効果も出ているという。
また、同じ担当者が子供の保護と親への指導・支援をするのは困難だとの指摘もあり、担当を分ける児相も少なくない。
だが、虐待対策と調査指導を別にしていた千葉市児相は、4月から両班を統合する。担当者は「どんなやり方がいいのか探り続けている」と話す。
〔2016年4月5日・貧困ネット、平成28(2016)年3月24日 読売新聞 東京朝刊〕
周辺ニュース
◆23区が児相設置、可能に 中核市でも促進 虐待対応強化へ
厚生労働省は、東京23区による児童相談所(児相)の設置を新たに認める方針を決めた。
設置が進んでいない人口20万人以上の中核市にも促す。
児童虐待に対応する拠点を増やし、急増する通告や相談にきめ細かく対応できる体制をつくる狙い。
自治体側や与党と調整した上で今の国会に児童福祉法改正案を提出し、2017年度からの施行を目指す。
児童福祉法は都道府県と政令指定市(20市)に児相の設置を義務づけ、希望する中核市には設置を認めている。
だが、東京23区は規定がなく、設置できない。
改正案の素案では、23区も設置可能とした上で、施行後5年をめどに中核市と23区に対して政府が設置に向けた支援や必要な措置を講じると定めた。
専門的な人材を育成するための研修の実施や、児相の施設整備費や人件費の財政支援などが見込まれる。
児相は昨年4月時点で全国に208カ所あり、そのうち東京23区内が7カ所。45の中核市のうち、設置しているのは神奈川県横須賀市と金沢市の2カ所だけだ。
一方、児相が対応した児童虐待は急増し、14年度は過去最多の8万8931件。00年度の5倍に上った。
素案では、市区町村に子どもや家庭への支援拠点を設ける努力義務を課した上で、虐待の内容に応じて児相が市区町村に対応を引き継げる仕組みづくりも盛り込んだ。
児相に弁護士を原則配置することも入れた。
児童養護施設などの出身者が入れる自立援助ホームの利用年齢上限は、原則20歳未満から大学などへの就学中に限り22歳になる年度末に引き上げる。
児童福祉法の対象年齢を18歳未満から20歳未満に引き上げることも有識者が検討してきたが、厚労省は民法上の成人年齢を18歳に引き下げる議論があることを理由に見送る方針だ。
〔2016年3月14日・貧困ネット、平成28(2016)年3月9日 朝日新聞 東京朝刊〕
周辺ニュース
◆児相増設、人材の育成課題 設置難色示す中核市も
急増する児童虐待に対応するため、厚生労働省が児童相談所(児相)の設置を促す方針を決めた。
増え続ける虐待に、現行の体制では対応しきれなくなっていることが背景にある。
政府による支援で、専門人材を十分に育てられるかどうかがカギを握る。
「虐待が頻発する状況に対応できるようには現場もなっていない」。
塩崎恭久厚労相は2月中旬の記者会見で、危機感を示した。
昨年4月時点で虐待の相談や調査を担う児童福祉司は2934人。
2000年度から15年間で2・2倍に増えたが、虐待の対応件数はこのペースを大幅に上回り、14年度は00年度の5倍になった。
厚労省は07年の指針で、児相の職員に通告から48時間以内に子どもの安全確認をするよう求めており、業務内容も負担が大きくなっている。
今回の児童福祉法の改正では、児相設置の支援を強める。
東京23区とすべての中核市が設ければ、児相は現在の3割近い60カ所ほど増える。
人口4万~7万人に1人としている児童福祉司の配置基準は、虐待対応件数も考慮して見直す。
東京23区側は児相を設置できるように求めてきた。
区長らでつくる特別区長会によると、区の施設で虐待が疑われる子どもに気づいても区職員の危機感が児相に伝わらず、判断が食い違うことがあるという。
親の合意がなくても子どもを保護する法的権限は児相にしかなく、各区に1カ所ずつ設けることで迅速な対応ができるとする。
06年に中核市として初めて設置された神奈川県横須賀市の児相の高場利勝所長も「緊急時には児相職員が担当部署に直接駆けつけて対応方針を即決できる」と話す。
課題は専門職員の育成だ。横須賀市では大学を出たばかりの職員もすぐに虐待対応にあたる。
研修は神奈川県が年10回ほど開催する際に参加しており「人材育成はおんぶに抱っこ状態」。
特別区長会の試算では、23区すべてに児相を設置した場合、新たに児童福祉司が100人、児童心理司が40人必要になる。
中核市の一部には、人材育成の難しさから設置に難色を示すところもある。
〔2016年3月14日・貧困ネット、平成28(2016)年3月9日 朝日新聞 東京朝刊〕
周辺ニュース
◆児童相談所見直しに「待った」=地方6団体①
相次ぐ児童虐待の被害から子どもを守ろうと、厚生労働省が検討している児童相談所の見直しについて、地方側から懸念の声が強まっている。
社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の専門委員会では、児童相談所と市町村の機能を切り分け、緊急性の高い事案は児童相談所、比較的軽度な事案は市町村が担当する役割分担を検討。
また、児童相談所の設置自治体について、これまでの都道府県と政令市に加え、中核市と特別区にも2年後をめどに設置を義務付ける方向性を打ち出した。
厚労省は、児童福祉法改正案などを今国会に提出する方針だ。
これに対し、中核市市長会が昨年末、懸念を表明したのに続き、2月に入り、全国市長会が厚労省に意見書を提出。
中核市への設置義務付けについて、「地方分権改革に逆行すると言わざるを得ない」などと懸念を表明した。
市長会幹部は「各自治体は現状でも一生懸命取り組んでおり、方針転換は逆に混乱を招くのではないか」と語る。
全国知事会や全国町村会も、厚労省に地方側の意見を反映するよう求めており、6団体幹部の間からは、「機能の切り分けは本末転倒」「財源や人材の手当てはどうするのか」といった不満や不安が噴出している。
6団体の某幹部は「政府は参院選に向け、児童虐待防止に力を入れているとアピールしたいのだろうが、今国会の改正案提出は難しいのではないか」と議論の先行きを案じていた。
〔2016年2月29日・貧困ネット、平成28(2016)年2月22日 時事通信 官庁速報〕
周辺ニュース
◆児童虐待の担当検事を新たに配置へ 最高検察庁
全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数が8万8000件余りと過去最多となるなか、最高検察庁は4月から児童虐待を専門に担当する検事を新たに配置し、取り組みを強化することになりました。
全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数は年々増加し、平成26年度は8万8000件余りとこれまでで最も多くなっています。
こうした事態に対応するため最高検察庁は、4月から児童虐待を専門に担当する検事3人を裁判を担当する公判部などに新たに配置し、虐待事件への取り組みを強化することになりました。
児童虐待は、被害を受けた子どもから詳しい証言を得られにくいうえ、自宅などの密室で継続的に暴行が行われているケースが多いため、暴行と子どもが受けた被害との因果関係を立証するのが難しいとされています。
このため担当検事は専門の医師の協力も得ながら全国の虐待事件の事例を集めて分析し、裁判での的確な立証方法について検討を進めていくということです。
また虐待の原因や背景を把握して再犯防止につなげるため児童相談所との連携の在り方などについても検討していくことにしています。
〔2016年4月8日・貧困ネット、平成28(2016)年3月31日 NHKニュース〕
周辺ニュース
◆児童相談所 重い役割 体制充実求め職員交流 名古屋 自治労連が初開催
「市町村・児童相談所等、子ども家庭相談担当職員全国交流会集会」が27日、名古屋市で始まりました。
日本自治体労働組合総連合(自治労連)の主催。
児童相談所(児相)が2014年度に対応した児童虐待が過去最高の1万5129件にのぼり、児童虐待が大きな社会問題になっているとして、自治労連が初めて全国集会を開きました。
全国の児相職員ら80人が参加しました。
開会あいさつで自治労連の高柳京子副委員長は「児童虐待が増加するなか、児相や一時保護所などの役割が重要になっている。
全国各地の取り組みを交流し、相談体制充実など運動をすすめたい。児童虐待の背景にある、貧困と格差の解決に取り組む」と述べました。
パネルディスカッションで、自治体の家庭支援センター職員や虐待防止専門員、スクールソーシャルワーカーら5人のパネリストが「児童相談所・市町村の職場の体制と役割について」をテーマに討論。
自治体の相談窓口の状況、虐待増加に追いつかない児相職員の不足、一時保護所の施設不足などの実態が報告されました。
パネルディスカッションに先立ち、松本伊智朗・北海道大学大学院教授が「子ども家庭相談をめぐる児童福祉法改正の動向」と題して基調講演をおこないました。
集会は28日、テーマ別に分散会が開かれます。
〔2016年3月6日・貧困ネット、平成28(2016)年2月28日 しんぶん赤旗 日刊〕
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