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| ==ひきこもり主婦== | | ==ひきこもり主婦== |
− | ===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
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− | ページ名[[ひきこもり主婦]]、(ひきこもりの動き) <br>
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− | '''気づくと夫としか話してない…既婚女性のひきこもり20%超、その現実と背景にある日本人の価値観'''〈AERA〉<br>
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− | 4年ほど前から今もひきこもっている既婚女性(30代)。<br>
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− | 気がつくと1カ月近く、夫以外と話していないことがある。<br>
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− | 「女子会」に出かけるようになったが、孤立感は強いという(撮影/編集部・野村昌二) <br>
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− | これまで見逃されがちだった「女性のひきこもり」が実態調査によって明らかになってきた。<br>
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− | 「男は仕事、女は家庭」という日本に古くからある価値観が、女性のひきこもりを表面化させずにいたという。<br>
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− | AERA 2020年4月6日号では、各世代のひきこもり女性の現状を追った。<br>
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− | * * *<br>
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− | ひきこもりの経験者らでつくる「ひきこもりUX会議」は3月26日、「ひきこもり・生きづらさについての実態調査2019」を発表した。<br>
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− | 昨年10月から11月にかけ、ひきこもりや生きづらさを自認する当事者・経験者を対象にインターネットやイベントなどで呼びかけ実施したもので、6歳から85歳まで1686人が回答。<br>
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− | これほど多くの当事者や経験者が答えた調査は、前例がないという。<br>
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− | 回答者のうち今もひきこもっているのは940人で、そのうち女性は61.4%と、32.7%を占めた男性の倍近くいた。<br>
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− | 女性がひきこもるきっかけは「こころの不調・病気・障害」が64.8%ともっとも多く、「家族との関係」37.6%、「からだの不調・病気・障害」33.2%、と続く。<br>
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− | 年齢は30代が36.2%ともっとも多く、次いで20代28.6%、40代23.7%の順。<br>
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− | ひきこもりの期間は10年以上が約32%いるなど、長期にわたっていることもわかった。<br>
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− | こうした実態が、なぜ今まで表面化してこなかったのか。<br>
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− | 「ひきこもりUX会議」代表理事の林恭子さん(53)は、「男は仕事、女は家庭」という日本に古くからある価値観が大きいと見る。<br>
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− | 「たとえば、成人した男性が働かないで家にいると親は心配し何とかしようとします。<br>
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− | だけど、女性は成人して家にいても、家事を手伝ってくれれば問題と思わず、親も相談に行かないため問題化されづらい」<br>
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− | 最近は40代、50代の女性のひきこもりが増えていると感じると言う。<br>
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− | 「40代は氷河期世代にあたります。<br>
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− | 非正規で働く人が多く、契約が切れて転職を繰り返すうちに疲弊し、ひきこもる人が少なくないと思います」(林さん)<br>
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− | 50代で多いのは子育てを終えた女性たち、と林さん。<br>
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− | ある女性は、結婚し子どもも育ててきたが、本当はずっと苦しいと思いながら生きてきた。<br>
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− | その気持ちを夫にもわかってもらえず、もう限界だから「死にたい」と打ち明けた。<br>
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− | ひきこもりながら親の介護に入っている女性も多く、親亡き後の不安に押しつぶされそうだと話す人もいるという。<br>
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− | 「真面目な人ほど良い娘、良い妻、良い母、さらに近年では良い社会人でなければと思ってしまう。<br>
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− | 主婦であることで周囲もひきこもっていることを問題とせず、心の内に苦しさがあることに思いが至らない」(同)<br>
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− | さらに「ひきこもりUX会議」が実施した「ひきこもり・生きづらさについての実態調査2019」では、「既婚女性」が全体の20.1%いることもわかった。<br>
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− | 埼玉県に住む30代の主婦もそんな一人だ。<br>
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− | 「気がつくと、1カ月近く夫以外の人としゃべっていないということがあります」<br>
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− | 21歳の時に勤めていた会社が倒産したことで精神的に不安になり、双極性障害と診断された。<br>
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− | 24歳で結婚し夫の両親と同居していたが、4年ほど前に夫と2人で暮らすようになってから、外とのつながりがなくなった。<br>
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− | 症状が悪化し寝込んでいると、話し相手は夫くらいしかいない。<br>
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− | 夫は優しく病気のことも理解してくれているが、感じるのは「孤立感」。<br>
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− | 実家とは縁を切り、今までつきあっていた友だちとはライフスタイルが違ってきたので疎遠になった。<br>
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− | メディアなどは、地域のボランティアや町内会に参加すればいいと勧めるが、一から人間関係を築くことはとてもできそうにない。<br>
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− | 自分は今、社会から外れた場所にいて、社会とのつながりが薄い人間になっていると思うと話す。<br>
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− | 「誰かとどうでもいい雑談をしたいと思うけど、誰と話していいかわからず、孤立感が深まっていきます」<br>
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− | 林さんは、ひきこもりはそれ自体が問題なのではなく、問題は「孤立」することだと話す。<br>
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− | '''「孤立すると心身が疲弊し、生きる気力も失っていきます」'''<br>
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− | 脱するにはどうすればいいか。これまでゴールは就労であり自立だといわれてきた。<br>
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− | だが林さんは、まず大切なのは「居場所づくり」だと語る。<br>
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− | 「自分のような人間は死んだほうがいいと思っている人に、就労支援だとか自立だと言っても、届かない。<br>
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− | それより大切なのは、一人じゃないと思えて、安心できる『居場所』。<br>
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− | そこから就労やボランティアなどにつながっていくのが理想です」<br>
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− | 居場所づくりのため、林さんたちは16年から全国の都市で「ひきこもりUX女子会」を開催している。<br>
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− | これまでに100回近く開き、10代から60代まで延べ約3900人が参加した。<br>
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− | こうした女子会は、今では自治体や民間の団体などが主体となって各地に広がっている。<br>
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− | 生協パルシステム連合会からの委託で暮らしの困りごと相談や居住支援などを行う一般社団法人「くらしサポート・ウィズ」もその一つ。<br>
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− | 18年6月に都内で「ひきこもり女子会@パルシステム」を開いたのを皮切りに、これまで5回開催。<br>
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− | 多い時で100人近い参加があった。次回は6月17日の予定だ。<br>
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− | 関西の美術系大学や専門学校で写真の勉強をし、上京し美大に入るも周囲になじめずひきこもってしまった都内の女性(30)も、「女子会」によってひきこもりから抜け出すことができた。<br>
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− | 29歳になった一昨年4月、あと1年で30歳になることにショックを受けた。<br>
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− | この4年間、私は何をやっていたの、このままじゃダメになる……。<br>
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− | 翌5月、ネットで「女子会」が開催されるのを知って参加した。<br>
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− | そこでは同じような悩みやつらさを抱える女性が多いことに驚いた。<br>
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− | 同じ境遇の女性と知り合ったこともあり、徐々に一人で動けるように。昨年から美術館でパートとして働きだした。<br>
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− | まだひきこもりから完全には脱したと思わない。<br>
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− | だけど最近、自分だからできることがあると思うようになった。<br>
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− | 自分を元気にしてくれた「居場所」を、今度は自分がつくることだ。女性は楽しそうに話す。<br>
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− | 「そこでは、みんなで絵を描いて楽しんだりしたい。<br>
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− | 何より、自分が立ち上げることによって、そこが私の居場所になるかもしれません」<br>
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− | 急がなくてもいい。ひきこもっていた4年間が、意味があったと思える時がきっとくる。<br>
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− | ※AERA 2020年4月6日号より抜粋<br>
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− | 〔2020年4/7(火) AERA dot.(編集部・野村昌二)〕 <br>
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− | ===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
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− | ページ名[[ひきこもり主婦]]、、() <br>
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− | '''発達障害とうつ発症 45歳ひきこもり主婦が子育て疲れと夫の浪費癖に向き合えた理由'''〈dot.〉<br>
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− | 「子どもの命を守ること」を最優先にやったこととは <br>===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
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− | 「家事手伝い」「主婦」という肩書きがあるがゆえ、内閣府の統計から漏れていた既婚女性のひきこもり。<br>
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− | その実態が、当事者団体である「ひきこもりUX会議」の調査で明らかになった。<br>
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− | 回答した143人の女性うち、既婚者は4人に1人。<br>
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− | 中でも、専業主婦(配偶者と同居し、収入がない人)がひきこもるようになった原因は、コミュニケーション不安(81%)、精神的な不調や病気(75%)、家族以外の人間関係(66%)だった。<br>
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− | 【調査結果】夫以外の接し方がわからない…“既婚女性”のひきこもり実態<br>
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− | リョウコさん(仮名、45歳)もひきこもり主婦の一人。高校を卒業後に就職した建設会社でいじめを受け、結婚・退職後は自宅にひきこもるようになった。<br>
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− | 躁うつ状態も経験し、27歳のころに出産。<br>
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− | 子育てに追い詰められた彼女を救った人とは。不登校新聞の編集長、石井志昂さんが聞いた。<br>
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− | * * *<br>
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− | ――「ひきこもり歴が21年」というリョウコさんですが、そのきっかけはなんだったのでしょうか?<br>
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− | 25歳で退職したのを機にガクッときたのが直接のきっかけでした。<br>
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− | 私は高校卒業後、すぐに建設会社に就職しました。就職したのは1990年。<br>
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− | 87年に男女雇用機会均等法が施行され、女性にも門戸が広がり始めた時期でした。<br>
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− | 私自身も「仕事さえできれば上がっていける」と感じていたときです。<br>
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− | ところが私は「歓迎されない新入社員」でした。<br>
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− | 入社前のあいさつ時、事務員の女性から「私、あなたには入ってほしくない」とも言われました。<br>
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− | 私も若かったので「そんな人もいるよな」と思っていましたが、かなり多くの社員がそう思っていたみたいです。<br>
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− | 私への嫌がらせは露骨でした。<br>
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− | 書類ミスがあれば私だけは最初から書き直しを命じられたり、わざと負担の大きい仕事を押し付けられたりしていました。<br>
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− | 「どこの馬の骨のやつかわからないから信用できない」とも言われ、社内で出回る「結婚できなさそうな人ランキング」という番付表ではいつも1位。<br>
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− | あからさまにバカにされることも多かったです<br>
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− | それでも「仕事さえできれば」とがんばっていましたが、仕事をやればやるほど「女のくせに」とバッシングされました。<br>
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− | 精神疾患にもなり3カ月間の休職をしたこともありまが、社内いじめは私が退職するまで続きました。<br>
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− | ――なぜこんなにも露骨ないじめをしてくるのでしょうか?<br>
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− | 私が入社した建設会社では、女性社員といえば「おえらいさんのお嬢さん」しか採用されなかったんです。<br>
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− | お得意先や役所に勤めている人のお嬢さんだからコネがあり、そのコネが仕事につながる。しかし私にそんなコネはありません。<br>
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− | 私を雇ったのは会社の方針かもしれませんが、「お前のせいで何千万円も損をしている」と言ってきた社員もいました。<br>
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− | とくに営業部は私の入社に不満が強かったそうです。<br>
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− | ――リョウコさんがひきこもり始めたのは退職後です。<br>
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− | 一番つらい時期ではなく、その時期を抜けたときに「痛みが吹き出す」のもよくあることです。<br>
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− | リョウコさんの場合も、そうだったのでしょうか?<br>
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− | たぶんそうだと思います。就職中は苦しいと感じることよりも「自分が悪いんだ」としか思っていませんでした。<br>
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− | ――ひきこもっていたときはどんな状態だったのでしょうか?<br>
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− | 一日中、ずっと布団のなかにいて、ぐっすりと寝るわけでも、眼が覚めているわけでもないという感じでした。<br>
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− | 「仮眠」と「寝ぼけた状態」をくりかえすので、現実のなかにいるのか、夢なかにいるのかよくわからない、そういう状態です。<br>
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− | ――ひきこもり中は「白昼夢を見ているようだった」という人もいます。<br>
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− | まさにそういう感じです。<br>
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− | なので私の記憶が正しいのかはわかりませんが、ほとんど寝っ放しですごしていたのは事実だと思います。<br>
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− | この期間、炊事、洗濯、掃除など、家事はすべてできませんでした。<br>
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− | 外出もしませんし、お風呂に入ることも、規則的に食事をとることもできません。<br>
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− | 着替えや部屋の電気をつけることも、ままならないし、おそらく味覚も鈍くなっている状態でした。<br>
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− | ――その期間は、どんなことを考えていましたか?<br>
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− | なにかを感じたり、考えたりすることはできませんでした。<br>
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− | ただ布団にもぐって「何も知りたくない」「何も見たくない」「何も聞きたくない」と思うだけです。<br>
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− | 寝ているあいだに会社で罵られていた当時の夢を見て、眼が覚めてしまうということはよくありましたけど。<br>
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− | この期間は、「うつ状態」とハイテンションな「躁」の状態を行き来していました。<br>
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− | 躁状態に入ると今度は寝ません。<br>
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− | 家事をして、病院へ行き、ありったけのお金で買い物をして、夜中まで飲みに歩く。うつ状態のときとは人が変わったように活動的でした。<br>
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− | ――周囲はどんな反応でしたか?<br>
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− | 夫は協力的ではありませんでした。<br>
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− | 躁状態のときは何も言わず、うつ状態になると「働かざる者食うべからず」「使えないやつだ」と言っていました。<br>
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− | 母子家庭で育ったので父とはつながりがなく、母とも疎遠でした。<br>
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− | 私が休職した段階で、母は「うちの家系から精神疾患だなんて恥ずかしい」と言い、「あなたの気質が悪い」と言ってました。<br>
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− | 友人は就職時から相談に乗ってくれ、いまでも感謝していますが、私の躁状態がひどくなってからはしだいに離れていきました。<br>
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− | ――誰にも相談できる状態ではなかったんですね?<br>
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− | 相談したいと思ったことはありません。<br>
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− | 自分が「病気」「苦しい状態」だという認識すらありませんでした。<br>
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− | ――お話を聞くかぎり、ひきこもっていたこと自体よりも、周囲が心の傷に理解を示していないほうが危険な状態だと感じるのですが?<br>
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− | そのとおりです。<br>
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− | 1年半のあいだ、激しい躁うつ状態をくり返して自殺未遂に至りました。<br>
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− | 大量に服薬して気が付いたら病院で胃洗浄を行なっていました。<br>
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− | 医者からは「家に帰ってはいけない」と言われ入院しています。<br>
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− | この入院によって激しい躁うつ状態が、やや収まりました。<br>
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− | 今に至るまで約20年間は「ひきこもり」状態だと思いますが、苦しかった時期のひとつです。<br>
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− | もうひとつは「波」は子どもが生まれてからやってきました。<br>
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− | ――お子さんが生まれてからの「波」というのは?<br>
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− | 引き金になったのは「経済的な不安」です。<br>
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− | 夫には浪費癖があり、子どもが生まれてからも給料の半分以上は趣味に費やしていました。<br>
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− | 生活費もままならない状態になっても、私は「食べさせてもらっている」という意識が強く、文句を言えないまま不安ばかりが大きくなりました。<br>
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− | そして子どもが1歳半の時、育児の疲れもあり、私の体は以前の「動けない状態」へと使づいていきました。<br>
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− | なんとか最低限度の育児はするものの、私の不安は苛立ちに変わり、苛立ちは子どもに向かっていく。<br>
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− | 子どもを「殺してしまいたい」と思うほど追いつめられました。<br>
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− | ふり返れば、このときが一番苦しかった時期です。<br>
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− | ――お子さんとりょうこさんは、どうなったのでしょうか?<br>
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− | まず、母を説得して子どもを預け、私自身が3カ月間、入院しました。<br>
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− | 医師からのアドバイスもあり、「子どもの命を守ること」を最優先として、一時期は親元で暮し、自宅に戻ってからは夫の給料を私が管理しました。<br>
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− | その後も順風満帆というわけではありません。<br>
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− | やはり私が受けていた傷も深く、子どもも発達障害だったため集団生活になじめませんでした。<br>
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− | 小学校の校長先生からは「出て行け」と言われたこともありますが、どの相談機関も支えてはくれませんでした。<br>
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− | 風向きが変わったのは、入院先で知り合った児童精神科医の先生に受診してからです。<br>
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− | 先生だけが子どもや私の苦しさと向き合ってくれました。<br>
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− | 診察は3カ月に1回、10分程度。しかし、この時間がなければどうなっていたかわかりません。<br>
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− | 先生は特別なクスリを出すわけでも、すべての問題を解決してくれるわけでもありません。<br>
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− | でも子どもの話はどんなことでも疎まずに聞きます。<br>
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− | 私が悩んでいる時は、心の折り合いがつくまで付き合ってくれます。<br>
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− | ホントにこの時期、先生に合わなければ、私ひとりではムリでした。<br>
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− | うちの子はいま、高校を卒業し、東京の会社で就職しています。<br>
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− | 先生は私の主治医になってくれ、生活費は養育費でまかなっています。<br>
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− | ――これまでのことをふり返って、ひきこもった根本的な理由はどこにあると思いますか?<br>
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− | 誰からも「あなたはあなたでいいんだ」と伝えてもらえず、自己肯定感がなかったことです。<br>
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− | 私も発達障害です。でも私が生まれたころには発達障害という概念はなく、周囲からは「ヘンな子」だと言われ、親からは「恥をかかせるな」としか言われませんでした。<br>母とは血が繋がっていますが、母から愛はもらっていません。<br>
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− | だから私は苦しくても会社にいたんです。<br>
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− | 小さいころからから周囲に否定され、自己否定感しか育たなかったから、いじめを受けても「ここでがんばらなきゃ」としか思えなかったんです。<br>
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− | 自己肯定感があれば「根拠はないけど私は大丈夫、他の場所でもきっとやれる」と思い、早めにSOSをあげられました。<br>
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− | ひきこもったのは必然です。私がどんな道を通っていても、ひきこもっていたと思います。<br>
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− | ――「これがあれば変わっていた」と思うことはありますか?<br>
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− | ひとりでもいいので理解者に出会えればちがったと思っています。<br>
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− | 「あなたはあなたでいいんだ」と心から伝えてくれる人がいたら、と。<br>
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− | 私は先生との出会いを通して、一人だけでも理解者がいれば変わることは実感しています。<br>
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− | あるいは、私と同じような立場の人であれば、林恭子さんたちが開く「ひきこもりUX女子会」ですね。<br>
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− | 同じ境遇の人と共感しあえることでも気持ちは楽になりますし、私自身も女子会へ行って気持ちが救われました。<br>
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− | ――ありがとうございました。(聞き手・石井志昂)<br>
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− | ■リョウコさん(仮名)の略歴<br>
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− | 45歳・女性。北海道生まれ。高校を卒業後、大手建設会社に勤務。<br>
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− | 社内いじめを受ける。24歳で結婚。25歳で退職しひきこもり。27歳で第一子を出産。<br>
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− | ひきこもり期間は25歳から現在に至るまでの21年間<br>
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− | 〔2018年8/20(月)AERA dot.〕 <br>
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− | ===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
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− | ページ名[[ひきこもり主婦]]、、() <br>
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− | '''32歳ひきこもり主婦が明かす 婚活で脱出を図った母優先の日々'''〈dot.〉<br>
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− | 「自分の苦しさよりも母の顔色を気にしていた」と女性は明かした <br>
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− | 「家事手伝い」「主婦」という肩書きがあるがゆえ、内閣府の統計から漏れていた既婚女性のひきこもり。<br>
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− | その実態が、当事者団体である「ひきこもりUX会議」の調査で明らかになった。<br>
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− | 回答した143人の女性うち、既婚者は4人に1人。<br>
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− | 中でも、専業主婦(配偶者と同居し、収入がない人)がひきこもるようになった原因は、コミュニケーション不安(81%)、精神的な不調や病気(75%)、家族以外の人間関係(66%)だった。<br>
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− | 【調査結果】夫以外の接し方がわからない…“既婚女性”のひきこもり実態<br>
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− | サキさん(仮名、32歳)もひきこもり主婦の一人だ。<br>
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− | 高校1年生のゴールデンウイーク明けから不登校になり、定時制高校、通信制大学へと進学し、28歳で結婚。<br>
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− | 5年のひきこもりを経てアルバイトで働けるようになったいまも「ひきこもり主婦」と自認するのは、それができずに苦しんだ過去があったからだ。<br>
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− | 不登校新聞の編集長、石井志昂さんが思いを聞いた。<br>
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− | * * *<br>
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− | ――ひきこもり始めたのはいつからでしょうか?<br>
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− | 高校1年生で不登校になったのを機にひきこもり当事者になりました。<br>
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− | その後、定時制高校や通信制大学などに通い、28歳のときに夫と出会い結婚しています。<br>
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− | ――ふだんはどんな生活を送っているのでしょうか?<br>
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− | 朝、起きたら家事をして、アルバイトがある日は働きに出ています。子どもはいないので育児はしていません。<br>
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− | ――えっと……、ひきこもりでもなく、ふつうの主婦とも変わらない生活だと思うのですが?<br>
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− | 私もそう思っていました。<br>
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− | でも、第三者から見れば、17年前の不登校から今に至るまで「ひきこもり」と「ふつうの人」を行ったり来たりしていました。<br>
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− | 「家からほとんど出ない」という定義がひきこもりならば、その期間は5年ほどあります。<br>
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− | どんな状態であれ、生きづらさから解放されたことはありません。<br>
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− | むしろ「自分はひきこもりだ」という事実から遠ざかろうとしていたことが、私の苦しんだ要因でした。<br>
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− | もちろん、その背景には「母との関係」も大きなポイントでした。<br>
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− | ――なるほど。それではまずひきこもりのきっかけとなった不登校の経緯を教えてください。<br>
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− | HSC(ひといちばい敏感な気質の子ども)だったのは理由のひとつです。<br>
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− | 多くのHSCと同様に、私も大声や物音からダメージを受けます。<br>
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− | とくに先生の怒鳴り声や生徒の騒ぐ声は本当に苦手です。<br>
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− | なので小学校に入ったころから「キツイ」とは感じていました。<br>
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− | 一方、小学3年生のころから両親の意向で中高一貫校の受験勉強を始めました。<br>
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− | 塾にも通いましたが成績は乏しくなく、見かねた母に付きっきりで教えられました。<br>
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− | そのかいあってか第一志望に合格しています。<br>
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− | でも、いざ入学してみると進学校の授業スピードは早く、瞬く間に私は落ちこぼれました。<br>
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− | それからは先生に嫌味を言われ、同級生にバカにされる日々でした。<br>
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− | 学校に居場所がなく、つらく感じることも多かったのですが、母を「悲しませたくない」と思い相談はできませんでした。<br>
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− | 母を悲しませることが何よりも怖かったんです。<br>
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− | それでも限界が来たのが高校2年になるころ、疲れはてて不登校になりました。<br>
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− | ――さきほど「苦しかった理由の背景」として母との関係をあげていましたが、親子関係が悪かったわけではないんですね。<br>
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− | 表面的な「関係の悪さ」ではなく、関係が近すぎて息苦しかったんです。<br>
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− | 私は、両親の結婚13年目に生まれた一人娘です。<br>
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− | 物心がついたとき、母はすでに私の「体の一部」みたいな存在でした。<br>
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− | 母は常に隣にいて、私が困ったときには「こうすればいいのよ」とすぐにアドバイスをくれました。<br>
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− | ずっと母を「完璧な人間」だと思っていました。<br>
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− | 母に言われたことを信じ、そのとおりに行動してきました。<br>
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− | そこに安心感を得る一方で息苦しさを感じ、さらには自分勝手なことをして失敗したら、母に「見捨てられる」という恐怖感も感じていました。<br>
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− | おかしな関係性が顕著になったのは不登校になってからです。<br>
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− | 不登校になってからの母の狼狽ぶりはすさまじいものがありました。<br>
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− | 母は何冊もの不登校の本を読み、病院やカウンセリング、気分転換の旅行など、あちこちに私を連れて行きました。<br>
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− | しかし私のことで悩むあまりに食事も喉を通らなくなり、ガリガリに痩せ、笑顔が消え、衰弱していきました。<br>
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− | そんな母のようすをみて「とんでもないことをしてしまった」と私は後悔しました。<br>
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− | そこからが不登校やひきこもりである自分を偽って、生きづらさをエスカレートさせていく時期が始まります。<br>
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− | 必要以上に外出をくり返し、「早く社会復帰したい」と言い続け、アルバイトに何度も挑戦しては挫折しています。<br>
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− | 挫折して動けなくなると、はいずり回るようにして生活する日もありました。<br>
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− | ストレスによるポリープが体にいくつも見つかったこともあります。<br>
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− | 毎日、どうしようもないくらい不安で、自殺したい気持ちが日に日に大きくなって「死」がとても近くに来ているのも感じました。<br>
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− | ――かなり苦しい時期ですね。<br>
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− | いまふり返れば苦しい時期だったと思いますが、自分の苦しさよりも私が気にしていたのは母の顔色です。<br>
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− | 挫折するたびに「こんなにがんばったんだから」と思いながらも「また悲しませてしまうだろうか」と母の反応を見ていました。<br>
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− | そういうことを10年ほどくり返し、疑問に思ったことがあります。<br>
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− | 「私は誰のために生きているのだろう」と。私が私自身に抱いた、初めての疑問でした。<br>
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− | その後、母に対する憎しみが生まれ、衝突が始まります。<br>
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− | 感情的に「私はお母さんのせいで苦しかった」と母を責め、責めたことによる自己嫌悪に苦しむ。<br>
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− | その苦痛を紛らわすため、また母を責める。そんな悪循環で母娘ともどもボロボロになりました。<br>
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− | ある日、「疲れたから休みたい」と母に言ったことがあります。<br>
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− | 初めての本音でした。それを言えた瞬間、ようやく肩の荷が降りたような不思議な感覚を持ったのを覚えています。<br>
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− | その一言ですべてが変わったわけではありませんが、その日からベクトルが変わっていったのはたしかだと思います。<br>
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− | ――ご結婚されたのは、そのあとのことですよね?<br>
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− | そうです。気持ちの整理が少しできたとはいえ、物理的に母とは離れようと思っていたところ相手が見つかり結婚しました。<br>
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− | 私はたまたま運がよかったのですが、ひきこもり当事者で婚活した人からは、たいへんだったという話を聞いています。<br>
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− | そもそも自己肯定感が低いのに、働けないという自分をさらして男性から「査定」されるわけですからね。<br>
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− | みんな「結婚しなければこの先の人生は」と生存を賭けて、婚活をしていました。<br>
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− | ――サキさんが、いまでも自分を「ひきこもり主婦」だと思うのは、なぜでしょうか?<br>
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− | よく誤解されていますが、ひきこもりは経済的な問題ではないんです。<br>
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− | 「働けた」とか「結婚できた」とか、そんなことで本物の生きづらさはなくなりません。<br>
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− | 私が生きづらかったのは、母が私の幸せのために生きていたからです。<br>
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− | 母は、ようやく生まれた娘を、めいっぱいの愛情で守ろうとしました。<br>
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− | 私も母の幸せのために生きてしまっていました。<br>
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− | でも、それが結果として母も気がつかないうちに、私から生きる楽しさを奪っていました。<br>
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− | 苦しんだなかでやっと見つけたのは「誰のために生きているのだろう」という疑問です。<br>
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− | 母も私も他人のために生きていたから苦しかったんです。<br>
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− | 私は私のために生きなければ、生きづらさからは抜け出せません。<br>
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− | いまは自分のために生きていくための「リハビリ中」です。<br>
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− | リハビリと言っても大げさなことはしていません。<br>
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− | 体調がいい日は、数少ない気が許せる友人と出会うとか、母が嫌っていたけど本当は好きだったジャニーズの番組を観るとか、そんなことです。<br>
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− | いま、そういうことがようやく楽しめるようになってきました。<br>
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− | ――ありがとうございました。<br>
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− | (聞き手・石井志昂)<br>
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− | ■サキさん<br>
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− | 32歳。ひきこもり歴は5年。高校1年生の5月連休明けに不登校。<br>
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− | 定時制高校、通信制大学へと進学し28歳で結婚。現在は主婦をするかたわらアルバイトもしている<br>
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− | 〔2018年8/17(金)AERA dot.〕 <br>
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− | ===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]===
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− | ページ名[[ひきこもり主婦]]、、(ひきこもりの動き) <br>
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− | '''初調査でようやくわかった「ひきこもり主婦」の実態 背景には学歴も職歴も求められる女性像'''<br>
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− | 「対人恐怖を感じる」と答えたひきこもり女性の割合(実態調査より筆者作図)<br>
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− | 本日、初めて「現役のひきこもり女性」を対象にした実態調査の結果が取りまとめられました(分析・一般社団法人ひきこもりUX会議/監修・新雅史助教)。<br>
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− | 調査結果からは、これまで可視化されてこなかった「ひきこもり主婦」の存在が浮かび上がってきました。<br>
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− | ひきこもり女性における主婦の割合は4人に1人。<br>
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− | 背景には、ひきこもりにかぎらず女性全体が背負わされている問題点が見えてきました。 <br>
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− | ■ひきこもり=外出不可は誤解<br>
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− | ひきこもりと言えば「自宅や部屋から一歩も外へ出られない」というイメージが根強くあります。<br>
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− | ひきこもりの人が玄関を開けるシーンでエンディングを迎える、というドラマもあるぐらいです。 <br>
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− | もちろん、ひきこもりの人が外へ一歩も出られない状態もあります。<br>
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− | 上記のカットは、ある男性のひきこもっていた当時を描いてもらったイメージイラストです。<br>
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− | しかし、国の調査でも、ひきこもりの定義はそこまで狭く考えられてはいません。 <br>
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− | コンビニや病院への外出など「用事があれば出掛けられる人」もひきこもりの定義に入っています。 <br>
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− | では国は何に主眼を置いて「ひきこもり」だと定義しているのか。<br>
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− | ひらたく言えば「働けるはずなのに働けない人」を問題視しているのです。<br>
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− | コンビニや病院へ行けても、それだけでは自活できません。 <br>
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− | ■4人に1人が「ひきこもり主婦」<br>
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− | ひきこもりは54万人いると国は推計しています。<br>
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− | この推計は15~39歳に区切ったものです。40歳以上の人や家事を切り盛りする「主婦」は対象外です。<br>
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− | しかし、実際には主婦であっても、ひきこもり状態の人と同様に苦しんでいる人がいます。<br>
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− | 「ひきこもり主婦」という存在や問題が知られていないため、本人もSOSを出せずに苦しんでいる場合があります。 <br>
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− | こうした状況をよく知る「ひきこもりUX会議」は、女性(性自認含む)にかぎった調査を2017年に行ないました。<br>
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− | そして今回、分析を進めて「ひきこもり主婦」についての結果も取りまとめています。<br>
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− | 1回の調査だけでは結果を断定することができませんが、ひきこもり主婦などの大まかな傾向が初めてわかったと言えます。 <br>
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− | 分析対象となったのは「現在ひきこもっている女性」143人。このうち既婚者の女性は38人。<br>
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− | ひきこもり女性のうち、4人に1人が主婦でした。<br>
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− | ひきこもり主婦からは「そんなに多いんですか」という声を複数、聞きました。 <br>
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− | というのも当事者どうしも結婚していることを隠す傾向があるからです。<br>
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− | 「結婚すれば脱ひきこもり」だと考えるひきこもり当事者も多く、既婚者は当事者から疎まれてしまうからです。<br>
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− | ひきこもり主婦自身も「主婦の割合」は知らなかったのです。 <br>
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− | ■ひきこもり主婦の平均年齢は45歳<br>
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− | 分析によってわかった平均年齢やひきこもり期間は下記のとおりです。 <br>
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− | ◎平均年齢 45.2歳<br>
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− | ◎ひきこもり期間 1カ月~20年<br>
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− | ◎ひきこもり期間の平均 7.6年<br>
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− | ひきこもり期間の平均は「7年」と長期にわたります。<br>
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− | しかし、ひきこもりの平均期間としては、けっして特色のあるデータではありません。<br>
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− | 他の民間団体の調査では、ひきこもりの平均期間は10年。<br>
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− | 39歳を上限とした国の調査でも「7年以上」が3割ともっと多かったからです。 <br>
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− | ■ひきこもり主婦の学歴と職歴<br>
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− | 国の調査でも判明していなかった学歴や職歴もあきらかになりました。 <br>
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− | ◎大学進学率 47.7%<br>
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− | ◎正社員経験率 76.3%<br>
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− | ◎アルバイト等を含む就労経験者率 94.6%<br>
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− | ◎アルバイト等を含む就労の平均期間 10.1年<br>
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− | 私が取材したところ、働き方はさまざまでした。<br>
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− | 40代のひきこもり主婦は、8年間、正社員として勤め、そのあいだに受けたパワハラにより、20年間ひきこもっています。<br>
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− | 30代のひきこもり主婦は、アルバイトなどをして「働ける時期」と「ひきこもりの時期」を交互にくり返していました。 <br>
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− | 10年間、継続して働いていた人ばかりではありませんが、「働けない」「学校にも行けない」というひきこもりのイメージとは異なります。 <br>
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− | 主婦以外のひきこもり女性の大学進学率は39.1%。<br>
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− | 正社員経験率は26.7%。単純比較はできませんが、ひきこもり主婦のほうが割合は高くなっています。<br>
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− | また、他の調査結果を参照してもひきこもり主婦の大学進学率や正社員経験率は高いと言えます。<br>
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− | ■ひきこもった「理由」トップ3<br>
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− | このほか判明したこととしては、ひきこもりの理由などで「既婚」「未婚」の差がない傾向も見てとれました。<br>
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− | ◎コミュニケーション不安 84.2%<br>
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− | ◎精神的な不調や病気 81.6%<br>
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− | ◎人間関係(家族以外) 63.2%<br>
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− | ※全16項目/複数回答可 <br>
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− | ひきこもり主婦に聞いた「ひきこもった理由」のうち、トップ3の回答結果は上記のとおりです。<br>
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− | 主婦以外のひきこもり女性もトップ3は同一項目が選ばれました。<br>
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− | ■ひきこもり主婦の自己認識をめぐる回答<br>
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− | ( )内が「主婦以外のひきこもり女性」の回答結果<br>
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− | ◎自分が嫌い 92.1%(93.3%)<br>
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− | ◎対人恐怖がある 79.0%(74.3%)<br>
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− | ◎相談できる人がいない 42.8% (39.4%)※ <br>
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− | 既婚、未婚にかぎらず「大半のひきこもり女性は自己否定感が高く、対人恐怖を持っている」こと、そして4割の人が「相談できない」という傾向が見てとれました。<br>
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− | とくに結婚していても「相談できない人」の割合は変わらないという結果は注目に値します。 <br>
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− | なお、私が取材したひきこもり主婦の方は「ひきこもり後に結婚した人」も「結婚後にひきこもった人」も両方います。<br>
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− | しかし、ひきこもった理由や自己否定感などは、双方、変わらないという印象を受けています。
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− | こうした取材や分析結果は「結婚しても問題は変わらない」ことを反証しているとも言えるでしょう。 <br>
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− | ■結婚では解決しない4つの重荷<br>
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− | しかし、なぜひきこもり主婦は学歴や正社員率が高いのか。<br>
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− | そして結婚をしても「ひきこもりの苦しさ」はなくならないのか。<br>
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− | 分析したひきこもりUX会議代表・林恭子さんは「ひきこもりや主婦にかぎらず、現在の女性は、求められてきた『4つの女性像』があるからだ」と指摘しています。<br>
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− | 4つの女性像とは「よき妻」「よき母」「よき社会人」「よき娘」です。 <br>
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− | 良妻賢母でありながらも、社会人としても働けるキャリアウーマンであり、両親からの期待に応えられる「いい子」であること。 <br>
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− | ひきこもり主婦も主婦以外のひきこもり女性も学歴も職歴も求められ、がんばってきた。<br>
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− | しかし、それゆえに自分の許容量を超えてしまい、立ち止まらざるをえなかった。<br>
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− | 女性に求められた女性像は「生きる希望」につながらず、むしろ「心のなかの重荷なり苦しまされている」と林さんは指摘します。 <br>
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− | 心の重荷は結婚や就労では解決されません。<br>
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− | 林さんらが指摘している課題解決の方法は「いまの自分が否定されずに開示できる場」が確保されることです。 <br>
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− | ありのままの自分を語ることができ、それが受けとめられる。<br>
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− | その過程のなかではじめて「求められた姿」と「自分の姿」の乖離に気が付き、その溝が埋まっていく。<br>
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− | 林さんたちは「世の中から求められた姿ではなく、いまの自分を生きていいんだということを知ってほしい。<br>
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− | そのためにまずは安心して集まれる場が必要だ強く感じた」ことからひきこもり女性だけの場や調査を始めたそうです。 <br>
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− | '''■当事者に即した実態把握を'''<br>
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− | ひきこもり女性への調査分析と取材によって上述のような結果が出ました。<br>
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− | くり返しになりますが、ひきこもり女性の4人に1人が主婦だったことなどは、国の調査では見えてこなかった実態であり、意義のある結果でした。<br>
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− | ひきこもりの打開策としてなにが有効なのかは公民ともに手探りの状態です。<br>
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− | しかし、ひきこもり当事者の実態が可視化されれば、打開策の方向性は見えてくるでしょう。<br>
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− | 願わくば、今回の分析結果が国でも共有され、年齢や職種で区切るような「うわべの実態調査」はやめて、当事者の実態に即した調査が始まることが期待されます。 <br>
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− | 現実を把握してから、なにが必要かを考える。<br>
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− | やはり、それが遠いようで一番の近道だと思えてなりません。 <br>
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− | ※「相談できる人がいない」の割合……質問事項で、相談できる人が「いない場合は問10へ進んでください」と示しているため、相談できる人が「0人」と回答、もしくは「無回答」の者の合算値を表示。<br>
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− | 〔2018年8/7(火)石井志昂『不登校新聞』編集長、不登校経験者〕 <br>
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| '''「ひきこもり主婦」 になるかも!? よくある原因と抜け出し方''' <br> | | '''「ひきこもり主婦」 になるかも!? よくある原因と抜け出し方''' <br> |
| ひきこもり主婦って一体なに? 近年では、この「ひきこもり状態になる主婦」が一種の社会問題化しているのです。<br> | | ひきこもり主婦って一体なに? 近年では、この「ひきこもり状態になる主婦」が一種の社会問題化しているのです。<br> |