少女まんがに描かれた母親像
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2018年2月7日 (水) 23:10時点における版
少女まんがに描かれた母親像
副題:その問題と答えをさぐる
冊子の注文のしかた
執筆者:井下真由美
*これは井下真由美さんの卒業論文です。
パンフレットにして販売もしています(あゆみ書店、A5版48ページ、定価300円+送料100円)。
パンフレットにするため文書に手を入れようと試みましたが表現に影響するためにほとんど原文どおりです。
なおまんが資料からの引用画は、ここでは省略をしています。
パンフレットには掲載しましたので、そちらを見ていただくようにお願いします。
⇒「子どもの側から親を独立した人として認めるー「ホットロード」」(映画を見る)[1]
はじめに
バブル崩壊後、近年は経済的には失われた10年という評価がある。
そんな中、最近ではアダルトチルドレン(註1)という言葉が出てきて現代に生きる人々の心のあり方のもろさが浮き彫りになってきている。
アダルトチルドレンの問題は、家族に原因があるといわれている。
では、家族の中の問題とは、どのような問題なのだろうか。
90年代にヒットし、社会現象になったアニメ、「新世紀エヴァンゲリオン」では、主人公の少年の父親への反感が表され、キーワードとして、父親を嫌い母親と仲良くしたいと思う男子の心理であるエディプスコンプレックスが全体のトーンを占めていた。
これは主に男子に向けた通過儀礼的なアニメであったが、それでは女子の場合の母との関係と大人になる過程はどうなっているのだろう。
たとえばエディプスコンプレックスと対になる言葉で、エレクトラコンプレックスというものがある。
こちらは母親を嫌い、父親を慕う女子の心理を意味している。
しかし、女子にとって母と娘の関係はエレクトラコンプレックスだけではない。
女性の作者によって描かれた少女まんがはフィクションでありながら、かつて少女であった作者が現在少女である読者に向けた、心の問題や課題を提示し、その問題を解くヒントを与えてくれる主要なメディアである。
男性社会といわれている中で、母と娘の問題は余り取り上げられることは今までなかったが、女性は全てかつて娘であり、娘はこれから母になる可能性が大きいことをおもえば、母と娘というテーマは大きくは取り上げられることこそなかったものの、過去から現在に至るまで続く身近なテーマである。
また、まんがというメデイアは青年期までの年代にとってはもっとも身近なメデイアで、母と青年期までの娘の関係を取り扱うのに適していると思える。
では少女漫画は、母と娘の関係にどのような課題を提起し、答えを出してきたのか。
本論では青年期までの娘とその母の関係に限定し、少女まんがの作品を見てゆく事で娘の成長に沿って変化する母と娘の問題とその答えを読んでゆく。
第一章は、母性という概念を家族史の中で明確にしたい。
次に第二章は、漫画自体の表現と少女漫画史、第三章からは初期の段階での母と娘の問題、第四章からはそれ以後の母と娘の問題、第五章は1990年以降の傾向について、各作品別に見てゆく。
〔目 次〕
少女まんがに描かれた母親像
第一章 子育てに関する家族史
第二章 まんがについて
第三章 母と、娘の個の確立ー山岸涼子の作品を中心に
第四章 母の生き方と娘ー萩尾望都の作品から
第五章 1980年代後半からの母性肯定とその後
結論&註・参考文献・まんが資料