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森の子児童センター

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2017年3月15日 (水) 17:09時点における版

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森の子児童センター

所在地 〒901-2122 沖縄県浦添市勢理客1−4−1
TEL 098-874-7610
FAX 098-942-4668

子どもの貧困:基地の街から/4 児童福祉、底上げを 沖縄振興予算、インフラ先行
「遅まきながらようやく子どもに目が向き始めた」。
放課後や夜間に子どもたちに無料で夕食を提供したり、宿題を教えたりしている沖縄県浦添市の「森の子児童センター」館長、大城喜江子さん(61)は国が今年度、沖縄の子どもの貧困対策として10億円を計上したことを歓迎する。
国の沖縄振興予算は従来、インフラ整備や産業振興に主に使われ、最近まで児童福祉政策は後回しにされてきた。
センターを運営する「まちづくりNPOうらそえ」は、職員4人と夜間のボランティア2~4人で、1日平均約100人の子どもたちに対応してきた。
訪れる子の中には学校給食がない日は食事を取れない子もいる。
そこで大城さんたちは、昨年9月から職員らが集めた空き缶や段ボールを換金して食材費に充て、家庭菜園の野菜を使うなどして無料の夕食提供と学習支援を始めた。
人員も予算もぎりぎりの中で支援する大城さんたちにとって、国による貧困対策は大きな価値を持つ。
今年度は市を通じて800万円の助成が得られることになり、学習支援のための職員を2人増員し、夕食の品数も増やすことができた。
琉球大で10月初旬、森の子児童センターのような「子どもの居場所」に派遣される学生ボランティアのための説明会があり、約30人が参加した。
子どもの貧困対策予算10億円は、民間施設や児童館などを利用した県内92カ所の「子どもの居場所」への助成のほか、居場所への学生派遣にも活用され、琉球大を拠点にボランティアセンターが開設された。
同大をはじめ県内11の大学や専門学校などの学生約60人が今年度中に派遣される予定だ。
参加した沖縄キリスト教学院大1年の神山怜奈さん(20)は「大学の授業で子どもの貧困問題について調べ、身近でこんなに生活に困っている人がいることを初めて知った。できることをしたいと思った」と話す。
国は沖縄の子どもの貧困対策に今後5年間は「集中的に取り組む」としているが、それ以降は未定だ。
大城さんは「貧困は今始まったことではない。子どもを育てるには何年もかかることを理解してほしい」と継続的な支援を期待する。
沖縄振興計画を議論する沖縄振興審議会の会長代理を2003年から13年まで務めた琉球大の嘉数啓(かかずひろし)名誉教授(74)は対策を評価しつつ、警鐘を鳴らす。
「対策が、貧困家庭に依存する新たな事業を作り出すことになれば本末転倒だ。貧困家庭の子どもたちを囲い込んだ事業は差別を助長することにもつながりかねない。自治体は対症療法ではなく、児童福祉行政全体の底上げを目指すべきだ

◇格差是正、目標に ◇沖縄振興予算
本土復帰の1972年にスタートした沖縄振興開発計画(2002年から沖縄振興計画)に基づき、約11兆8000億円が投入された。
計画は本土との「格差是正」や「自立型経済の構築」を目標に掲げ、那覇空港ターミナルビルや沖縄コンベンションセンター建設など、予算の多くが社会基盤整備や産業振興に活用された。
〔◆平成28(2016)年10月28日 毎日新聞 西部朝刊〕

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