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主婦のひきこもり

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==主婦のひきこもり==  
 
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'''介護のストレスで人に会うのが嫌に 様々な主婦のひきこもり'''<br>
 
'''介護のストレスで人に会うのが嫌に 様々な主婦のひきこもり'''<br>
 
家にこもることが悪いわけではないですが、ひきこもり、塞ぎがちになることで、うつにつながることもあるので、注意は必要です。<br>  
 
家にこもることが悪いわけではないですが、ひきこもり、塞ぎがちになることで、うつにつながることもあるので、注意は必要です。<br>  
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〔2019年10/16(水) 女性自身〕 <br>
 
〔2019年10/16(水) 女性自身〕 <br>
  
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ページ名[[主婦のひきこもり]]、() <br>
 
 
'''1、2カ月のひきこもり繰り返す主婦 内閣府試算には含まれず'''<br>
 
'''1、2カ月のひきこもり繰り返す主婦 内閣府試算には含まれず'''<br>
 
電話相談では、とくに子どものころにいじめを受けた人からのひきこもり相談が多いという。<br>  
 
電話相談では、とくに子どものころにいじめを受けた人からのひきこもり相談が多いという。<br>  
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〔2019年10/16(水) 女性自身〕 <br>
 
〔2019年10/16(水) 女性自身〕 <br>
  
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ページ名[[主婦のひきこもり]]、(ひきこもりの動き、) <br>
 
 
'''ひきこもる主婦の実態 内閣府試算の14万人は「氷山の一角」'''<br>
 
'''ひきこもる主婦の実態 内閣府試算の14万人は「氷山の一角」'''<br>
 
実際に内閣府の調査では、専業主婦は無職の人と比べ、ひきこもりとみなされにくい。 <br>
 
実際に内閣府の調査では、専業主婦は無職の人と比べ、ひきこもりとみなされにくい。 <br>

2021年1月18日 (月) 08:11時点における版

主婦のひきこもり

介護のストレスで人に会うのが嫌に 様々な主婦のひきこもり
家にこもることが悪いわけではないですが、ひきこもり、塞ぎがちになることで、うつにつながることもあるので、注意は必要です。
「自分の子どもが不登校で……、と電話相談を受けて家庭訪問をすると、お子さんだけでなく、40代以降のお母さんもひきこもり、というケースをよく目にします。
ご本人は自覚していませんし、専業主婦という立場上、問題が表面化することもありません。
いわば、“かくれひきこもり”なんです」
そう話すのは不登校やひきこもりの自立支援を行う団体、関東自立就労支援センターの平岩健さん。
内閣府は今年3月、中高年(40~64歳)のひきこもりを調査。
全国に男女合わせて約61万人おり、女性は約14万人と推計した。
「内閣府の試算のなかには、さっきお話しした“かくれひきこもり”の主婦はカウントされていませんから、もっと多くなるのでは」
実際に内閣府の調査では、専業主婦は無職の人と比べ、ひきこもりとみなされにくい。
また、一部の自治体の調査では、ひきこもりの定義で、“専業主婦を除く”としている場合も。
そこで今回、中高年女性(40~64歳)のひきこもりを取材。
すると、さまざまな理由でひきこもりになることがわかってきた。
■介護のストレスで人に会うのがイヤに
内閣府の調査ではひきこもりの原因に「介護・看護」を挙げた人はいないが、実際は介護もひきこもりのきっかけになりうる。
静岡県在住の木田英代さん(仮名・64)は、いまから15年前、49歳のときに、夫(当時50歳)が若年性アルツハイマーを発症。
同時期に、75歳の義母も認知症になり、ダブル介護を余儀なくされた。
「夫は自宅で介護、義母は近くのグループホームに預けて、週に数回、身の回りの世話をしに行っていました。
夫は長男で、親から遺産を相続していたので、夫の兄妹から『あんたが全部面倒見てね』と、義母の介護をすべて押し付けられて……」
木田さんは公務員だったが、ダブル介護と仕事の両立をあきらめ、50歳で介護離職する。
「丸7年間ダブル介護しましたが、体力の限界を感じて、'12年に夫をグループホームに預けたんです。
同時期に、義母も看取りました。私も少し肩の荷が下りて、それから3年ほどはよかったんです」
しかし、'16年、施設の職員の不注意で、夫がベッドから転落し、大腿骨を骨折してしまった。
「施設はちゃんと謝ってくれず、原因も究明してくれない。
夫を別のグループホームに替えてやりたかったけど、ほかの施設に空きはなくて。
かといって、自宅で夫を1人で介護する余裕もない。どうすることもできず、なんだかもう、情けなくなってしまって……」
木田さんはこれがきっかけで人間不信になり、ひきこもるように。
「それまで、地域の『認知症家族の会』に参加して、同じ悩みを持つ家族の方の相談にものっていたんですが、行けなくなりました。
とにかく人に会うのがイヤで、だんだん入院していた夫の面会にも行けなくなってしまった」
そんな自分を責めてしまい、さらに状態は悪化。
「買い物にも行けず、食事を作るのも面倒。何か口に入れないと、と思ってやっとの思いで作っても、食べ物も喉を通らない。そういう状態が1年ほど続きました」
そんななか、昨年10月、木田さんを心配した「認知症家族の会」のメンバーから誘われて、ある講演会に出かけた木田さん。
「出かけるのはおっくうだったけど、年をとってもハツラツとしている方の話を聞いたら、私もまだまだやれる、という気になって」
その後、木田さんのひきこもり傾向は緩和されていったという。
「介護をきっかけにひきこもってしまう方は少なくありません。
介護を終えて燃え尽きたとか、介護離職をしたものの介護が終わっても再就職ができないとか。
また、親を施設に預けた罪悪感から、ひきこもる方もいます」
そう指摘するのは、女性のうつやひきこもりに詳しいメンタルアップマネージャの大野萌子さん。
「子どもが就職や結婚で手が離れると、愛情を注いでいた対象がなくなったことでとてつもない寂しさに襲われ、これが引き金となり、うつや、ひきこもりになる方がいます。
これを、ひなが巣立った後の巣の状態にたとえて、“空の巣症候群”と呼んでいますが、介護していた親が亡くなったり、施設に預けたあとになったりすることもあるんです。
家にこもることが悪いわけではないですが、ひきこもり、塞ぎがちになることで、うつにつながることもあるので、注意は必要です」
大野さんは、ひきこもりを長期化させないためのコツをこうアドバイスしてくれた。
「市や区の行政の窓口には、市民相談窓口が設置されていますし、各地域には、ひきこもりの家族会などもあります。
ちょっとした悩みでも、早めに相談することが長期化を防ぐカギです」
ひきこもり、塞ぎがちになるきっかけはさまざま。
まずは頼れる人に、気軽に相談することを心に留めておきたい。
〔2019年10/16(水) 女性自身〕

1、2カ月のひきこもり繰り返す主婦 内閣府試算には含まれず
電話相談では、とくに子どものころにいじめを受けた人からのひきこもり相談が多いという。
「自分の子どもが不登校で……、と電話相談を受けて家庭訪問をすると、お子さんだけでなく、40代以降のお母さんもひきこもり、というケースをよく目にします。
ご本人は自覚していませんし、専業主婦という立場上、問題が表面化することもありません。
いわば、“かくれひきこもり”なんです」
そう話すのは不登校やひきこもりの自立支援を行う団体、関東自立就労支援センターの平岩健さん。
内閣府は今年3月、中高年(40~64歳)のひきこもりを調査。全国に男女合わせて約61万人おり、女性は約14万人と推計した。
「内閣府の試算のなかには、さっきお話しした“かくれひきこもり”の主婦はカウントされていませんから、もっと多くなるのでは」
実際に内閣府の調査では、専業主婦は無職の人と比べ、ひきこもりとみなされにくい。
また、一部の自治体の調査では、ひきこもりの定義で、“専業主婦を除く”としている場合も。
そこで今回、中高年女性(40~64歳)のひきこもりを取材。
すると、さまざまな理由でひきこもりになることがわかってきた。
■過去のいじめが原因でひきこもり繰り返す
「ひきこもりに悩む女性からの相談件数は、倍増どころじゃありません。
うちでは週3回、電話相談を実施していますが、川崎の事件前は年に1件あるかないか。
しかし、事件後は、日に1~2件は必ずかかってきます」
そう話すのは、ひきこもりの家族会「楽の会リーラ」を運営する事務局長の市川乙允さん。
川崎の事件とは今年5月、川崎市で起きたひきこもりがちだった51歳男性による無差別殺傷事件だ。
「ひきこもっているせいで周囲から危ない人と思われる、自分も今後どうなるか心配など、不安を感じて電話してこられるのです」
電話相談では、とくに子どものころにいじめを受けた人からのひきこもり相談が多いという。
「45歳で専業主婦のSさんは、中1でいじめに遭って不登校になってから、3年間ずっとひきこもりでした。
なんとか大学まで卒業しましたが、就職した会社でパワハラに遭い、再び1年ほど自宅にひきこもるようになったそうです」
その後、バイト程度ならできるまでに回復。
しかし、仕事で人間関係のトラブルなどに遭い、過去にいじめに遭った体験がよみがえると、どうしても1~2カ月、ひきこもってしまったという。
「そうなると、就労したくても短期でパートを繰り返すしかありません。
とくに独身の女性は、頼れるのは親だけ。親が亡くなったらどうやって生活すればいいのか、不安を抱えている方もいます」
Sさんは25歳で結婚。いまは中学生のお子さんもいるという。
「ふだんは、掃除や買い物、子どもの世話など難なくこなせるそうですが、調子が悪くなると、買い物に行くのもつらくなり自室にひきこもることがあるようです。
調子が悪くなるきっかけは、夫が家のことに無関心とか、子どもが言うことを聞かないなど、ちょっとしたことが引き金のようです」
Sさんの場合、1~2日で回復するときもあるが、過呼吸の発作や、手洗いを何度もしてしまう強迫神経症の症状が出て、1カ月程度ひきこもることもあるという。
厚生労働省が定めた“ひきこもり”の定義は、仕事や学校に行かず、家族以外の人と交流をほとんどせずに6カ月以上続けてひきこもっている状態をいう。
しかし、Sさんのように、ひきこもり期間が6カ月に満たないひきこもりを繰り返す人もいるのだ。
「14万人なんて氷山の一角でしょう。主婦のひきこもりの原因や症状は十人十色。誰もが引きこもりになる可能性があります」
女性のうつやひきこもりに詳しいメンタルアップマネージャの大野萌子さんは、ひきこもりを長期化させないためのコツをこう話す。
「市や区の行政の窓口には、市民相談窓口が設置されていますし、各地域には、ひきこもりの家族会などもあります。
ちょっとした悩みでも、早めに相談することが長期化を防ぐカギです」
ひきこもり、塞ぎがちになるきっかけはさまざま。
まずは頼れる人に、気軽に相談することを心に留めておきたい。
〔2019年10/16(水) 女性自身〕

ひきこもる主婦の実態 内閣府試算の14万人は「氷山の一角」
実際に内閣府の調査では、専業主婦は無職の人と比べ、ひきこもりとみなされにくい。
「自分の子どもが不登校で……、と電話相談を受けて家庭訪問をすると、お子さんだけでなく、40代以降のお母さんもひきこもり、というケースをよく目にします。
ご本人は自覚していませんし、専業主婦という立場上、問題が表面化することもありません。
いわば、“かくれひきこもり”なんです」
そう話すのは不登校やひきこもりの自立支援を行う団体、関東自立就労支援センターの平岩健さん。
内閣府は今年3月、中高年(40~64歳)のひきこもりを調査。全国に男女合わせて約61万人おり、女性は約14万人と推計した。
「内閣府の試算のなかには、さっきお話しした“かくれひきこもり”の主婦はカウントされていませんから、もっと多くなるのでは」
実際に内閣府の調査では、専業主婦は無職の人と比べ、ひきこもりとみなされにくい。
また、一部の自治体の調査では、ひきこもりの定義で、“専業主婦を除く”としている場合も。
そこで今回、中高年女性(40~64歳)のひきこもりを取材。
すると、さまざまな理由でひきこもりになることがわかってきた。
■ひきこもった子どもに寄り添い自分も……
前出の平岩さんが目にしたケースはこうだ(個人情報秘匿のため、相談内容を一部変更して紹介)。
「前に、お子さんのひきこもりの相談を受けたBさんは47歳の専業主婦。
以前は、小学校の先生をされていましたが、中1だった娘がひきこもりになったとき、『自分が仕事ばかりで、娘をほったらかしにしていたのでは』と思い、教師を辞めて、お子さんに寄り添うことにしたそうです」
しかし、仕事を辞めても子どものひきこもりに変化はなかった。
「寄り添っても、子どものひきこもりは改善しないし、職は失うしで、自信をなくされたんでしょうね。
Bさんは次第に、『先生になるため努力してきたのに、自分の人生はなんだったのか』と、塞ぎこむようになったそうです」
さらに、「あそこの子はひきこもりだ」という近所の目も気になり、外出も避けるように。
現在は、週に1度、クルマで家から離れたスーパーに食材を買いに出かける程度だという。 「10年以上、母子でひきこもっている家庭も少なくありません。仕事を辞めると、人と接する機会は急になくなる。
さらに、子どものひきこもりを知られたくないので、外で友人に会うことも、ましてや家に呼ぶこともない。結果、社会と断絶してしまうのです」
女性のうつやひきこもりに詳しいメンタルアップマネージャの大野萌子さんは、ひきこもりを長期化させないためのコツをこう話す。
「市や区の行政の窓口には、市民相談窓口が設置されていますし、各地域には、ひきこもりの家族会などもあります。
ちょっとした悩みでも、早めに相談することが長期化を防ぐカギです」
ひきこもり、塞ぎがちになるきっかけはさまざま。まずは頼れる人に、気軽に相談することを心に留めておきたい。
〔2019年10/16(水) 女性自身〕

不登校経験なし50歳の専業主婦がある日突然マイホームにひきこもった深刻な理由〈dot.〉
“ふつう”の主婦が一転、ひきこもりに。自分でも気が付かないあいだに苦しさを溜め込んでいた理由とは(※写真はイメージ)
「家事手伝い」「主婦」という肩書きがあるがゆえ、内閣府の統計から漏れていた女性のひきこもり。
その実態が、当事者団体である「ひきこもりUX会議」の調査で明らかになった。
回答した143人の女性うち、既婚者は4人に1人。
中でも、専業主婦(配偶者と同居し、収入がない人)がひきこもるようになった原因は、コミュニケーション不安(81%)、精神的な不調や病気(75%)、家族以外の人間関係(66%)だった。
【調査結果】夫以外の接し方がわからない…“既婚女性”のひきこもり実態
マキコさん(仮名、50歳)もひきこもり主婦の一人。
高校卒業後に就職し、職場で出会った男性と29歳のときに結婚。
趣味があり、持ち家に住む “ふつう”の生活が一転したのは4年前だった。
孤立、認められたい……彼女が夫にさえも言えなかった思いとは。
不登校新聞の編集長、石井志昂さんが聞いた。
*  *  *
――マキコさんがひきこもり始めたきっかけはなんだったのでしょうか?
風邪をひいたのがきっかけでした。
――えっ!? 風邪ですか?
直接のきっかけとしては風邪だと思います。
ただ、いつもの風邪とちがったのは鼻づまりがひどかったことです。
経験したことがないような鼻づまりで息をするのも苦しく、眠れなかったんです。
お医者さんからは「後鼻漏(こうびろう)になっているが、そのうちに治る」と。
でも完治する前に鼻で炎症が起きてしまい、1カ月ほど、匂いを感じることができなくなりました。
シャンプーやコーヒーの匂いさえわからず、食べている物が腐っているのかもわからない。
もともと匂いに敏感なほうだったので、最初にパニックになってしまったのが、このときです。
お医者さんに、もう一度、症状を訴えると今度は強めのお薬が処方されました。
その薬の影響なのか、今度はなにを食べてもすごくしょっぱい。
味覚がおかしくなってしまったんです。
風邪だったのが、それがこじれてしまって、日々、眠れないし食べられない。
1カ月間に5キロ以上も痩せてしまい、このまま死ぬんじゃないか、とだんだんと精神的にも追い詰められていきました。
――どんな状態になったのでしょうか?
日中、部屋のなかでも寒けを感じて震えたり、夜中、家のなかを徘徊せずにはいられなかったりしました。
一日中、体が鉛のように重く、家事はもちろん通院以外の外出もできなかったです。
とにかくやる気が起きなんです、なにに対しても。
おフロにも入る気になれないし、身だしなみを整える気にもなれないので、髪はいつもボサボサ。
だんだんとネガティブなことしか考えられなくなり、「笑う」こともほとんどなくなりました。
考えていたのは、まず、なにもできなくなった自分を責める気持ちです。
それから、療養のために親元に戻ったため「こんな年になってまで親に迷惑をかけて」という罪悪感や「こんな自分は夫と別れなきゃいけない」という焦りも強かったです。
眠れずにいた晩に「もうダメだ、人生が終わってしまった」と感じて首を吊れる場所を探したこともあります。
風邪をひいてから数カ月で、一気にそういう状態まで追い詰められてしまったんです。
――「風邪がきっかけ」という話は初めて聞きました。
自分の状況を受け入れるのに時間がかかったのではないでしょうか?
私もまさかこんなことになるとは思ってもいませんでした。
いろんな病院にも行きましたが、「ストレスですね」と言われるばかりで、自分の身に何が起きているのか、病気なのかさえもわからなかったです。
その後、いい先生にめぐり合えて「うつ病」だと診断されましたが、それでも受け入れがたいものがありました。
というのも、私は不登校もせず、ふつうに学校へ通っていました。
高校を卒業してからは10年ほど働き、職場で出会った夫と結婚しています。
子どもはいませんが、主婦になってからはスポーツクラブに通い、趣味もありました。
スポーツクラブでは新しい友人もでき、家以外の居場所もあったと思っていたんです。
それが風邪をきっかけにして、自分のなかに溜め込んでいたものがバーンと弾けてしまったんでしょうね。
――溜め込んでいたものとはなんだったのでしょうか?
大なり小なり誰しも抱えているものはあると思いますが「他人に言えないこと」が私にもやっぱりありました。
5年間、不妊治療をしていたことは他人には言えないことでした。
不妊治療は30代後半から40代にかけてのときです。
不妊治療は保険外の治療なのでお金もかかりますし、「次こそはできるかもしれない」と思うとやめられませんでした。
やっとの思いであきらめましたが、いまでも隣近所の子どもたちを見るとつらいものがあります。
不妊治療も他人に言いづらいことです。
私だけじゃなくて、他の人たちも隠れるようにして診察を受けていました。
いま住んでいる自宅は義父の勧めで買った一軒家です。
自分たちがほしくて買った家ではないため、愛着がわかず、夫も家のことには無関心でした。
まわりには同じような年代の家族が住んでいますが、子どものいない私は近所付き合いもできず孤立していました。
だから誰にも言えず、自分でも気が付かないあいだに苦しさを溜め込んでいたんだと思います。
私が病んでしまった理由は、苦しい気持ちや寂しさを誰かに認められたかったからだと思うんです。
夫はいつも仕事が忙しく、ご飯もいっしょに食べていませんでした。
すれちがい生活の孤独を埋めるために、あえて趣味に没頭していたのかもしれません。
――マキコさん自身のうつ病やひきこもりの苦しい期間を抜けるために必要なことはなんだったのでしょうか?
主治医からは「すべてを受け入れなさい」と言われています。でも、これが難しいんです(笑)。
病院通いを始めたころ、主治医からは「家事をしようと思わなくていいから休みなさい。なにもしないことのほうが勇気がいるんです」とも言われました。そう言われて初めて「自分のことだけを考えればいいんだ」と思えたのが、私にとってのスタートラインでした。
自分を否定せず、自分自身を大事にしながら、散歩をして、読書をする。不満を感じていた両親や夫に対しての感情もだんだんと変わっていきました。
風邪をこじらせて親元へ行き、自宅に戻ってきたのが今年の5月、2カ月前のことです。いまでは家事ができるのもありがたいなと感じています。ひきこもりの当初は、一日があまりに長く感じていましたからね。
それから、ブックレット『ひきこもり女子会』(発行/ひきこもりUX会議)を読んだのも私にとっては大きな変化でした。ひきこもっている女性、ましてや主婦のことについてはネットでもほとんど情報がありません。ブックレットには実際の当事者が体験を書いていて、私の支えになりました。
――ありがとうございました。
  ■マキコさん(仮名)略歴
50歳女性。高校卒業後、就職。職場で出会った男性と1996年に結婚。
2014年に体調不良を機にひきこもりが始まる。
ひきこもり歴は現在に至るまで4年。夫と二人暮らし 〔2018年8/9(木)AERA dot.(聞き手・石井志昂)〕

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