カテゴリ:札幌市西区(北海道)
(→札幌市西区) |
|||
1行: | 1行: | ||
==札幌市西区== | ==札幌市西区== | ||
<htmlet>sapporo-shi_nishi-ku001</htmlet> | <htmlet>sapporo-shi_nishi-ku001</htmlet> | ||
+ | |||
+ | ===[[:Category:周辺ニュース|周辺ニュース]]=== | ||
+ | ◆'''(憲法の現場:4)子ども食堂 子に幸福を、広がる試み /北海道'''<br> | ||
+ | 「ただいま!」。ドアが勢いよく開き、学校帰りの子どもたちが駆け込んできた。<br> | ||
+ | キッチンから「お帰りなさーい」と迎える声が響き、ケチャップライスを炒める甘酸っぱい香りが漂ってきた。<br> | ||
+ | 7人の子どもは宿題をしたり、トランプやオセロを楽しんだりして居間で思い思いに過ごす。<br> | ||
+ | 夕食は大きなテーブルを囲み、一斉にオムライスを口へ運んだ。<br> | ||
+ | 「まるでお祭りのようね」と、子どもを連れてきた母親(40)が目を細めた。<br> | ||
+ | ここは札幌市西区で4月13日にオープンした子ども食堂「kaokao(かおかお)」。<br> | ||
+ | 親の仕事などで夕食が1人になりがちな子どもたちのため、毎週水曜日に子ども300円、大人500円で夕食を提供する。<br> | ||
+ | 運営するNPO法人「ぐるーぽ・ぴの」代表の堀川淳子さん(73)が所有する住宅を利用し、近所の母親たちがボランティアで調理を担当する。<br> | ||
+ | 「西区は高齢化が進み、空き家も多い。子どもや高齢者が世代を超えて集える場所にしたい」と堀川さんは話す。<br> | ||
+ | 「kaokao」の設立には、北海道大で政治学を教える吉田徹教授(41)もかかわった。<br> | ||
+ | 「子どもたちが、自分のために手間ひまをかけて作ってもらったご飯を一緒に食べ、その時間を楽しむ。<br> | ||
+ | それは豊かな社会を育むための投資だ」と意義を語る。<br> | ||
+ | 日本国憲法は健康で文化的な最低限度の生活を営む「生存権」を保障する。だが近年、子どもの貧困が大きな問題になっている。<br> | ||
+ | 子ども食堂が道内や全国で広がるのも、こうした社会的な背景がある。<br> | ||
+ | 厚生労働省の2012年度の調査では、全国の18歳未満の6人に1人が「貧困」にあたるとされた。<br> | ||
+ | 国は13年に「子どもの貧困対策法」を制定し、道も昨年度から5年間にわたる対策推進計画を作り、教育や生活の支援に取り組んでいる。<br> | ||
+ | 日本財団などは今年3月、「子どもの貧困の社会的損失推計」をまとめた。<br> | ||
+ | 義務教育を終えて進学と就職に分かれる時期にあたる15歳の子どもを対象に、ひとり親世帯や生活保護世帯、児童養護施設の子どもを「貧困状態」にあると定義した。<br> | ||
+ | 道内で「貧困状態」の15歳(11年時点)は推計1万1452人で、大阪、東京、神奈川に次いで多かった。<br> | ||
+ | 道内の15歳全体に占める割合は23・7%と全国で最も高く、他の都府県と比べて生活保護世帯の子どもの割合が高かった。<br> | ||
+ | 道によると生活保護世帯は年々増加傾向にあり、ひとり親家庭は母子、父子世帯ともに低所得層が多いという。<br> | ||
+ | 母子世帯を支援する市民団体「しんぐるまざあず・ふぉーらむ北海道」の平井照枝代表(55)は「子どもの貧困は世帯の貧困によることが多いのに、『世帯の貧困は自己責任』とされ、手がさしのべられないことが多い」と話す。<br> | ||
+ | 吉田教授は「憲法が掲げる権利が不均等にしか分配されず、『格差』が生まれている。地域や世代を超えたコミュニティーで支え合うことで、その権利を再分配することができる。子ども食堂はそうしたコミュニティーの一つだ」と考えている。<br> | ||
+ | 【第13条】 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。<br> | ||
+ | 【第25条】 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。<br> | ||
+ | (2)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。<br> | ||
+ | 〔2016年5月14日・貧困ネット、平成28(2016)年5月4日 朝日新聞 北海道朝刊〕 <br> | ||
+ | |||
[[Category:北海道(地域)|さっぽろしにしく]] | [[Category:北海道(地域)|さっぽろしにしく]] | ||
[[Category:札幌市(北海道)|にしく]] | [[Category:札幌市(北海道)|にしく]] |
2016年5月15日 (日) 22:36時点における版
札幌市西区
周辺ニュース
◆(憲法の現場:4)子ども食堂 子に幸福を、広がる試み /北海道
「ただいま!」。ドアが勢いよく開き、学校帰りの子どもたちが駆け込んできた。
キッチンから「お帰りなさーい」と迎える声が響き、ケチャップライスを炒める甘酸っぱい香りが漂ってきた。
7人の子どもは宿題をしたり、トランプやオセロを楽しんだりして居間で思い思いに過ごす。
夕食は大きなテーブルを囲み、一斉にオムライスを口へ運んだ。
「まるでお祭りのようね」と、子どもを連れてきた母親(40)が目を細めた。
ここは札幌市西区で4月13日にオープンした子ども食堂「kaokao(かおかお)」。
親の仕事などで夕食が1人になりがちな子どもたちのため、毎週水曜日に子ども300円、大人500円で夕食を提供する。
運営するNPO法人「ぐるーぽ・ぴの」代表の堀川淳子さん(73)が所有する住宅を利用し、近所の母親たちがボランティアで調理を担当する。
「西区は高齢化が進み、空き家も多い。子どもや高齢者が世代を超えて集える場所にしたい」と堀川さんは話す。
「kaokao」の設立には、北海道大で政治学を教える吉田徹教授(41)もかかわった。
「子どもたちが、自分のために手間ひまをかけて作ってもらったご飯を一緒に食べ、その時間を楽しむ。
それは豊かな社会を育むための投資だ」と意義を語る。
日本国憲法は健康で文化的な最低限度の生活を営む「生存権」を保障する。だが近年、子どもの貧困が大きな問題になっている。
子ども食堂が道内や全国で広がるのも、こうした社会的な背景がある。
厚生労働省の2012年度の調査では、全国の18歳未満の6人に1人が「貧困」にあたるとされた。
国は13年に「子どもの貧困対策法」を制定し、道も昨年度から5年間にわたる対策推進計画を作り、教育や生活の支援に取り組んでいる。
日本財団などは今年3月、「子どもの貧困の社会的損失推計」をまとめた。
義務教育を終えて進学と就職に分かれる時期にあたる15歳の子どもを対象に、ひとり親世帯や生活保護世帯、児童養護施設の子どもを「貧困状態」にあると定義した。
道内で「貧困状態」の15歳(11年時点)は推計1万1452人で、大阪、東京、神奈川に次いで多かった。
道内の15歳全体に占める割合は23・7%と全国で最も高く、他の都府県と比べて生活保護世帯の子どもの割合が高かった。
道によると生活保護世帯は年々増加傾向にあり、ひとり親家庭は母子、父子世帯ともに低所得層が多いという。
母子世帯を支援する市民団体「しんぐるまざあず・ふぉーらむ北海道」の平井照枝代表(55)は「子どもの貧困は世帯の貧困によることが多いのに、『世帯の貧困は自己責任』とされ、手がさしのべられないことが多い」と話す。
吉田教授は「憲法が掲げる権利が不均等にしか分配されず、『格差』が生まれている。地域や世代を超えたコミュニティーで支え合うことで、その権利を再分配することができる。子ども食堂はそうしたコミュニティーの一つだ」と考えている。
【第13条】 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
【第25条】 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
(2)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
〔2016年5月14日・貧困ネット、平成28(2016)年5月4日 朝日新聞 北海道朝刊〕
カテゴリ「札幌市西区(北海道)」にあるページ
以下の8ページがこのカテゴリに含まれており、そのうち8ページが表示されています。
いかさ |
さ の続き |
なに |