『不登校・中退からのリスタ』項目の説明
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農山村・漁村地域の自治体が、子どもの減少対策と地域の活性化のために、特に都市地域の子どもを小学校・中学校に受入れる制度です。<br> | 農山村・漁村地域の自治体が、子どもの減少対策と地域の活性化のために、特に都市地域の子どもを小学校・中学校に受入れる制度です。<br> | ||
北海道・長野県に多く、また離島の多い鹿児島県などは離島留学と称しています。それらを含めて全国にあります。<br> | 北海道・長野県に多く、また離島の多い鹿児島県などは離島留学と称しています。それらを含めて全国にあります。<br> | ||
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対応できる以上の生徒が集中するのを避けるなどの理由があるためと思われます。<br> | 対応できる以上の生徒が集中するのを避けるなどの理由があるためと思われます。<br> | ||
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外国(英語圏が多い)の高校(ハイスクール)に留学し、その国の高校資格をとる人もいます。<br> | 外国(英語圏が多い)の高校(ハイスクール)に留学し、その国の高校資格をとる人もいます。<br> | ||
その留学を支援するのが高校留学機関であり、不登校生・高校中退生を積極的に海外の学校への留学を進めています。<br> | その留学を支援するのが高校留学機関であり、不登校生・高校中退生を積極的に海外の学校への留学を進めています。<br> | ||
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主に自学自習による学習と年間20日ぐらいの通学(スクーリング)により教育活動を評価し、教科科目の履修をするのが通信制高校です。<br> | 主に自学自習による学習と年間20日ぐらいの通学(スクーリング)により教育活動を評価し、教科科目の履修をするのが通信制高校です。<br> | ||
単位認定は学業成績と出席日数によります。<br> | 単位認定は学業成績と出席日数によります。<br> | ||
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(第5条)転入学 単位制による課程に係る転学または転籍は、修得した単位及び在学した期間に応じて、相当の期間を在学すべき期間として、これを許可することができる。<br> | (第5条)転入学 単位制による課程に係る転学または転籍は、修得した単位及び在学した期間に応じて、相当の期間を在学すべき期間として、これを許可することができる。<br> | ||
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'''〔定時制高校〕''' 定時制高校の設立は勤労者の高校として始まり主に夜間高校でした。<br> | '''〔定時制高校〕''' 定時制高校の設立は勤労者の高校として始まり主に夜間高校でした。<br> | ||
不登校生に対応するために昼間の定時制高校や三部制(午前部・午後部・夜間部)・多部制などの定時制高校が全国的に広がりました。<br> | 不登校生に対応するために昼間の定時制高校や三部制(午前部・午後部・夜間部)・多部制などの定時制高校が全国的に広がりました。<br> | ||
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特に時間の制約がある夜間定時制高校で三修制を導入するための工夫に苦心がみられます。<br> | 特に時間の制約がある夜間定時制高校で三修制を導入するための工夫に苦心がみられます。<br> | ||
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従来は養護学校といわれてきましたが、2007年に特別支援学校の名称が導入されました。<br> | 従来は養護学校といわれてきましたが、2007年に特別支援学校の名称が導入されました。<br> | ||
養護学校の名称も残されています。盲学校・聾学校も含まれます。<br> | 養護学校の名称も残されています。盲学校・聾学校も含まれます。<br> |
2022年1月2日 (日) 22:38時点における最新版
『不登校・中退からのリスタ』項目用語の説明
山村留学
農山村・漁村地域の自治体が、子どもの減少対策と地域の活性化のために、特に都市地域の子どもを小学校・中学校に受入れる制度です。
北海道・長野県に多く、また離島の多い鹿児島県などは離島留学と称しています。それらを含めて全国にあります。
山村留学を実施している小学校・中学校の全部が不登校生を受入れているのではありません。
子どもの状態、受入体制、受入人数によっては不登校の子どもも受入れ可能な状態があるのです。
山村留学とは認められていないけれども、農山村・漁村地域にある小学校・中学校で、宿泊施設を設けているところは、実質的には山村留学に近い内容です。
公立の学校ではなく宿泊型フリースクールも似ている様子といえます。
いずれも子どもにとっては家族と一時的に離れて生活する経験が重要になるとみられます。
高校の場合、積極的に不登校生や高校中退者を受入れている全日制高校が、農山村地域や地方都市にあります。
地域活性化の取り組みとも結びついていて山村留学の高校版の様相を示しています。
フリースクール
自由な学校というヨーロッパで始まった新しい教育実践・教育運動です。
日本においては不登校の子どもの学習と居場所として80年代からつくられ広がりました。
2017年に教育機会確保法がつくられ、公的な承認を得る状態になりました。
義務教育に相当する15歳までを中心に独自の教育理論や方法により運営される学校以外の教育機関がフリースクールの範疇にあると考えます。
実際には高校生年齢以上の生徒が入ることも珍しくはありません。
フリースクールの現状はきわめて多様な状態にあります。それは設立の経緯が多様であることも関係します。
学習塾から発展したところ、親の会の要望で生まれたところ、相談室や心理カウンセラーが運営しているものなどです。
オルタナティブスクール、シュタイナースクール、デモクラテイックスクール、サドベリースクールなどをフリースクールとします。
また通信制サポート校や高卒認定予備校もフリースクールの範囲にされます。
これらは不登校生を受け入れている教育機関としての理解によるためとみられます。
広義のフリースクールには不登校生を対象としていないスクールも含まれます。
それ以外に医療機関が設立するところ、カウンセリング機関が設立するところ、社会参加や就労に向けた取り組みをするところにもフリースクールを自称するところがあります。
児童心理治療施設
発達障害生、虐待を受けた経験、情緒障害などで感情や行動が不安定な18歳未満の子どものための児童福祉施設です。
心理療法や生活指導を通して社会復帰を目的とする宿泊型の施設で、全国に45か所あります。
以前は情緒障害児短期治療施設とよばれていました。
小学校・中学校の分教室になるところ、近くの学校に通学するところの違いがあります。
入所生が通信制高校に在籍し通信制高校サポート校になるところもあります。
過年度生 帰国生・外国籍の生徒 発達障がい生
高校の入学において健康や学業成績以外でハンディがあると思えるのは過年度生 帰国生・外国籍の生徒 発達障がい生です。
その受入れ状況を提供していただきました。
〔過年度生〕 高校の入学においては中学卒業後1年以上の生徒を過年度生と言います。
不登校生を受け入れる高校ではほとんどが年齢制限をしていません。
少数ですが年齢制限のある高校もあります。
むしろ、生徒側の心理的な抵抗感を学校がどのようにフォローしようとしているかが重要になるといいます。
〔帰国生・外国籍の生徒〕 不登校生の受け入れ対応には、帰国生(帰国子女)の受け入れ、外国籍の生徒の受け入れの様子を紹介しています。
中心は日本語をどの程度話せるのか、読めるのか、理解できるのかです。
また集団行動を重視する日本の学校システムになじむのかは生徒側の心配です。
本書を参考に入学希望校に相談に行くといいでしょう。
〔発達障害生〕 発達障がい生の受け入れ状況も重要です。
発達障害の診断を受けていなくても本人・家族がその傾向を感じる生徒は多数います。
状態は個人差が大きいので学校は「生徒の様子を見て受け入れる」としているところが多くを占めます。
生徒側の不安感をどのように受け止められるのかが判断としては大事です。
そこを慎重を紹介する学校、積極的に受け入れようと公表する学校など、学校の様子が表れています。
高校の入学、転学
高校への入学や転学は法令で基準が決められています。
〔学校教育法施行規則〕(59条)高等学校への入学は、第54条の3の規定により送付された調査書その他必要な書類、選抜のための学力検査の成績等を資料として行う入学者の選抜に基づいて、校長が、これを許可する。
(60条)第1学年の途中又は第2学年以上に入学を許可される者は、担当年齢に達し、当該学年に在籍する者と同等以上の学力があると認められた者とする。
(61条)他の高等学校に転学を希望する生徒のあるときは、校長は、その事由を具し、生徒の在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付しなければならない。
転学先の校長は、教育上支障がない場合には転学を許可することができる。
高等学校等就学支援金
高校(および同等の教育機関)に就学する生徒の授業料等を国の予算で支給する制度です。
生徒家族の所得により支給額は異なります。
生徒個人に直接に支給するのではなく、生徒が在籍する学校に支給されます。
該当する学校は高等学校、高等専修学校です。技能連携校は生徒が連携する高校に在籍するので支給対象です。
本書においてはこれらの情報紹介が不完全なところもありますので、進学に当たっては確かめてください。
自治体による学習援助金や貸付金制度をするところもあります。
自治体(教育委員会)や社会福祉協議会に問い合わせるといいでしょう。
二学期制
1年を前期(4月~9月)と後期(10月~3月)の二学期にする制度です。4月と10月に入学があり、3月と9月に卒業があります。学期ごとに単位認定できます。
〔単位制高等学校教育規程〕第3条 単位制の課程については、教育上支障がないときは、学期の区分に従い、生徒を入学させ、又は卒業させることができる。
〔学校教育法施行規則〕65条③ 校長は、特別の必要があり、かつ、教育上支障がないときは、…学期の区分に従い、入学を許可し並びに各学年の課程の修了及び卒業を認めることができる。
*高校によっては、セメスター制といって二学期制をとりますが、学期ごとに単位認定をするところ、1年を通して単位認定するところ、両方を複合するところの違いもあるようです。
不登校の親の会・家族会
不登校の子どもを持つ親の会は80年代初めから生まれています。
当時は登校拒否の親の会と称されることが多かったです。
学習障害(LD)児親の会を含め発達障害系の親の会・家族会など不登校とひきこもりの近接領域には多くの種類の親の会・家族会が生まれています。
親の会の要望でフリースクールやフリースペース(居場所)、さらに相談室なども生まれました。
その後、心理相談室や保健所には定例的な親の集まる機会を設けているところもあります。
フリースクールでも親の会を開いているところがあります。
どのような活動に重点があるかはその親の会の誕生のいきさつ、運営のしかた、構成員の要望、専門家のかかわり方や協力のしかたにより特徴がでます。
教育機会確保法
正式には、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保に関する法律といいます。2017年から施行されています。
不登校の子どもへの対応として小学校・中学校という義務教育年齢の子どもが通うフリースクール等の学校以外の学習・生活・居場所などを確保することを認める法律です。
資格取得等を科目履修に認める制度
高校卒業資格認定の合格科目を単位認定する仕組みです。文科省基準では高校卒業に必要な単位74単位の半分までは認めてよいとしています。
この基準により各校で何をどのように認めるのかを決めています。制度を採用している学校はあまり多くはありません。
職業高校等では、危険物取扱者などの技能審査(検定)を単位に認める、就業経験を単位に認めるところもあります。
高卒認定資格試験に合格できるよう補習講座を開く高校もあります。
全日型通信制高校&通学型通信制高校
従来の通信制高校は年間20日前後の通学(面接授業とテスト)とレポート提出によるもので、文字通りの通信教育が中心でした。
そこに週5日・週3日登校など通学日数のが多い通信制高校が生まれました。
これらは全日型通信制高校とか通学型通信制高校と呼ばれます。
このような通学日数の多い通信制高校は90年代に私立高校につくられ広がりました。不登校生に対応するためです。
広がったのは全日制高校ほどではなくても生徒の状態によっては相当程度の通学が可能な状態にあること、従来型の通信制高校よりも生徒に適合した登校条件になるからです。
いわば全日制高校の登校日数が緩和された状態の高校です。
通信制高校の年間必要登校日数は20日前後であり、このタイプの登校であれば欠席が多くても進級できないほど多くはなりません。
不登校傾向でも在籍でき学ぶことができるのです。
学業面での成績があれば単位取得でき、ほとんどが進級でき卒業していきます。
高卒認定資格試験と高卒認定予備校
高卒認定資格は文科省が実施する高校卒業程度を認定する検定試験です。かつては大検(大学入学資格検定)と言われました。
高卒認定資格試験に合格すれば高校卒業と同等です。一度に全科目合格でなくとも累積で合格になります。
高校在籍中でも受験でき、高校の取得単位も科目試験の合格になります。年2回実施します。
受験のための予備校は高卒認定予備校とよばれます。
一部の自治体で高校卒業資格がない人が就職その他の場面において不利益を受けなくするために、高卒認定資格試験の受験を勧めています。
受験費用や必要な学習のための塾費用負担などの学習援助もしています。
適応指導教室&教育支援センター
自治体が設立運営する官制のフリースクールともいえる教育機関が適応指導教室です。
不登校の子どもを対象とした対応機関であり、子どもは小学校・中学校に学籍を置いたまま、適応指導教室に通います。
学籍のある小学校・中学校へ戻ることが建前になっています。
それは子どもの状態によるので、多くの子どもは学校に復帰しないまま卒業を迎えます。
教科学習は、子どもの自習時間を主に午前中に設け、教師は質問に答える形で対応指導するところが多いようです。
一斉授業の形のところもあります。
その場合でも子ども数が少ないので、個別指導ができます。
多くの教室では運動、ゲーム、社会見学など子ども同士が関わる取り組みが重視されます。
教師のほかにカウンセラーなどのかかわりを強くしているところもあります。
適応指導教室は90年代に多くでき始め、そのあと文科省は教育支援センターの名称を使うようにしています。
教室へ通うことは、学校への出席扱いとなり、連日通う子どもは「不登校」扱いにはなりません。
中学校卒業後も高校へ進学しない生徒が引きつづき通ってくる子どもを受入れるところもあります。
高校の不登校生を受入れる適応指導教室もわずかですがあります。
高等専修学校 大学入学資格付与指定校
〔高等専修学校〕 専修学校とは特定の職業・技術教育を行なう学校です。
中学卒業で入学できるのが高等専修学校で、専修学校高等課程とも言います。
高校卒業で入学できるのが専修学校専門課程、別名が専門学校です。
3年制以上の高等専修学校は、大学入学資格付与指定校とされ、卒業生は大学入学試験の受験資格があります。
それもあって高等専修学校は高校卒業同等資格の学校といわれます。
高等学校等就学支援金の対象になります。
専修学校にはほかに一般課程があり、ここは入学資格が特に問われません。
〔大学入学資格付与指定校〕 国内の大学・短期大学を受験できる人には受験資格が必要です。
高校卒業が中心ですが高卒認定試験の合格者、外国の学校で12年以上の修学をしていることなどです。
3年以上の高等専修学校(専修学校高等課程)卒業生も大学入学試験の受験資格があります。
この3年以上の高等専修学校を大学入学資格付与指定校といいます。
高等専修学校(専修学校高等課程)には、2年制や1年制のところもあり、その卒業生には大学入学試験の受験資格がありません。
全日制高校と寄宿寮
全日制高校とは週5日の通学と午前・午後の教育活動を基本とし、高校といえば普通は全日制高校を指します。
しかし、全日制高校は一部を除いて不登校や中退生を視野においていません。
不登校生徒を受け入れる全日制は主に地方都市や農山村地域にある寄宿寮のある高校です。山村留学の高校版を思わせます。
家族と離れている、寮生活をする面などが教育的役割があるといわれます。
都内をはじめ都市域で不登校生を受け入れる全日制高校もありますが積極的に公表していません。
対応できる以上の生徒が集中するのを避けるなどの理由があるためと思われます。
高校留学
外国(英語圏が多い)の高校(ハイスクール)に留学し、その国の高校資格をとる人もいます。
その留学を支援するのが高校留学機関であり、不登校生・高校中退生を積極的に海外の学校への留学を進めています。
文化的な背景が日本とは違うので生徒によっては雰囲気の違う状況で学ぶ機会にできます。
留学先の学校を含めて国内外の教育機関で合計12年以上修学した人は、日本の大学入学資格があります。高校卒業と同等です。
日本の高校に在籍した状態で、1年間高校留学すると履修・修得した科目にかかわらず合計で30単位を取得できます。
これは高校卒業に必要な74単位のなかにカウントされます。
教育課程 履修と修得
〔教育課程〕 高校で履修・修得する科目のことであり、高等学校設置基準により学科ごとに、学校教育法施行規則により決められています。
学年制においては教育計画(どの科目を何年生で何時間の授業をするかの計画)に基づき、曜日ごとの科目履修の時間割りとなります。
この教育課程を学年ごとに表にしたものが教育課程表(カリキュラム)です。
単位制高校や総合学科においては科目が多く設定され、生徒一人ひとりが独自に教育課程表を作成していきます。
科目の1週間当たりの授業時間数が1単位です。
〔履修と修得〕 履修とは、その科目の授業を受け、学ぶことをいいます。
修得とは履修した上で内容を身につけたという意味で、1年間の授業の3分の2以上に出席し、試験で一定点数以上であることを条件にします。
これを満たせば単位修得です。
試験の点数が満たないときは追試を実施されることがあります。
また出席日数が不足のときには補修を行う高校もあります。
高校卒業同等資格
高校卒業同等資格は〔学校教育法施行規則〕69条により次のように決められています。
(1)外国において、学校教育における12年の課程を修了した者又はこれに準ずる者で文部大臣の指定したもの。
(2)文部大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者。
(3)文部大臣の指定した者。
(4)高等学校卒業程度認定規定により文部大臣の行う高等学校卒業程度認定試験に合格した者。
通信制高校と広域通信制高校
主に自学自習による学習と年間20日ぐらいの通学(スクーリング)により教育活動を評価し、教科科目の履修をするのが通信制高校です。
単位認定は学業成績と出席日数によります。
単位取得に必要な登校日数は少ないので、学業成績(レポート提出とテスト)ができれば単位取得できないことはまれです。
これが従来からある通信制高校です。
通信制高校のうち3つ以上の都道府県から生徒募集できるのを広域通信制高校といいます。
この制度を利用するために同じ教育団体が学習センターを設立して全国的・地域的に広い範囲で展開するようになりました。
本校が所在する以外の都道府県から生徒募集するには、該当する都道府県の承認が必要です。
単位制高校と学年制 無学年制
〔単位制高校〕 高校卒業に必要な単位数は74単位です。週1時間の授業が1単位です。
この単位数を基準に全体の教育課程(カリキュラム)を設定します。
単位を学年にとらわれず修得する制度をとるのが単位制高校です。
通信制高校はすべて単位制です。定時制や全日制にも単位制を採用する高校があります。
単位制以外を学年制といいます。学年で必要単位をとると2年生、3年生に進級し、さらに卒業になります。
単位制高校でも便宜的に2年生、3年生と呼びます。
〔無学年制〕 高等学校において、学年による教育課程の区分を設けない場合です。
大学のように学年によらず履修科目が選択できるほど明瞭ではないようです。
法令はこうなっています。〔学校教育法施行規則〕64条の3 高等学校においては、…学年のよる教育課程の区分を設けないことができる。
〔単位制高校の編入学・転入学〕
〔単位制高等学校教育規程〕(第4条)単位制による課程に係る編入学は、相当年齢に達し、相当の学力があると認められた者について、相当の期間を在学すべき期間として、これを許可することができる。
(第5条)転入学 単位制による課程に係る転学または転籍は、修得した単位及び在学した期間に応じて、相当の期間を在学すべき期間として、これを許可することができる。
定時制高校と昼間定時制高校 三修制
〔定時制高校〕 定時制高校の設立は勤労者の高校として始まり主に夜間高校でした。
不登校生に対応するために昼間の定時制高校や三部制(午前部・午後部・夜間部)・多部制などの定時制高校が全国的に広がりました。
昼間の定時制高校は始業時間が遅くなる程度で、全日制高校とあまり変わらない状況になりました。
これが公立高校で不登校生を受け入れる方法として広まった背景です。
東京都の昼間定時制高校はチャレンジスクールといいます。
〔三修制〕 定時制高校と通信制高校の基本型は4年制です。
高校卒業に必要単位を74単位に減らしたのを受けて3年で卒業できる制度ができました。
1年で25単位履修する(3年で卒業可能な単位が取れる)、高卒認定試験合格科目等を単位認定に認める、他校の科目授業を履修できる、高卒認定試験の科目受験のために補修授業をする、などがみられます。
これらにより3年で卒業できるのを三修制といいます。通信制高校では三修制が広く定着しました。
特に時間の制約がある夜間定時制高校で三修制を導入するための工夫に苦心がみられます。
特別支援学校・養護学校
障害者(身体・知的)、病弱者、虚弱者、発達障がいの一部を対象とする教育機関です。
従来は養護学校といわれてきましたが、2007年に特別支援学校の名称が導入されました。
養護学校の名称も残されています。盲学校・聾学校も含まれます。
特別支援学校・養護学校の一部に一定の心身の条件があり不登校である子どもが入っています。
小学部・中学部・高等部のほかに幼稚部・高等部の専攻科があります。
夜間中学校 自主夜間中学校
〔夜間中学校〕 さまざまな理由で、中学校で学べなかった人に、義務教育を保障するためにつくられたのが、夜間中学校です。
生徒は、戦争や家庭の事情で学校へ行けなかった中高齢者、外国人(在日朝鮮・韓国人に加えてアジア各地からの生徒)です。
昼間の中学校で不登校のまま卒業した生徒が、入学できるようになりました。
一般に夜間中学校は、元不登校の子どもに特別の対応をしているわけではありません。
生徒の数が比較的少なく、1人ひとりの精神状態や体力、学力に対応できること、多様な生徒がいて自由な雰囲気があることなどが、これらの生徒が登校できる理由です。
入学の資格は、義務教育年齢を終える15歳以上の人です。
授業料は無料。給食費、教材費が必要なところ、逆に行政側から就学援助を受けられるところなど地域差があります。
〔自主夜間中学校〕 公立夜間中学校の数がきわめて少ない状態で、有志による私設の夜間中学校が、自主夜間中学校です。
2016年に教育機会確保法ができ夜間中学の設立機運が高まっています。
住民の要望により自治体に夜間中学校の設立を求める動きとともに、自主的な夜間中学校の設立から始まったところもあります。
日本で生活する外国籍の子どもの教育が空白になっている現状が明らかになっています。
公教育の立ち遅れのなかで夜間中学校・自主夜間中学校がこの面を補充しているといえます。
夜間中学校・自主夜間中学校の在籍生に外国籍の子ども・生徒が多いのはこの反映です。
世界の、特に発展途上国で取り組まれている識字教育(alphabetization)の日本版に当たると考えることもできます。
〔通信制中学校〕 東京都と大阪府に、公立の通信制中学校があります。
中学校卒業程度認定
「就学義務猶予免除者の中学校卒業程度認定」の略称であり、さらに中検とも略します。
病気や家庭の事情などで中学校を卒業できなかった人に対して、中学校卒業生と同等の学力の有無を調べ、合格者は中学校の卒業同等と認めます。
また高校入学受験資格が得られます。
中学校卒業資格とは違います。この試験は都道府県教育委員会が実施します。
これまで、登校拒否によるものが就学義務の猶予・免除の事由になるかどうかは、ケースバイケースとされました。
現在は、不登校であるために中学校を卒業できない例はほとんどありません。
それは必ずしもよいことばかりではありません。
形の上で中学校を卒業していても、学習内容がともなっていない人は、それを補充する機会を必要としています。
夜間中学校と中学校卒業程度認定試験がそれを補充する制度になります。
技能連携校 技能教育施設
〔技能連携校〕 通信制高校と連携し技術・知識や専門科目を学習する教育機関で、正式には技能連携施設といいます。
元は企業内にあった学園(教育機会)です。
企業で働く人が職業上必要な知識や技術を習得する教育機会を高校卒業資格に結び付けようとして設けられた教育機関です。
都道府県教育委員会の認定を得て設立されます。
通信制高校と連携しているために通信制サポート校と似ている状態になります。
不登校・中退生の対応にこの教育機関が独自に活用されました。
生徒は連携する通信制高校にも学籍をおき、ダブルスクールになります。
3年制の技能連携校の卒業は連携する高校も同時に卒業になります。
しかし、看護師養成学校の一部には3年制でないところもあります。
〔技能教育施設〕 〔学校教育法〕45条の2 高等学校の定時制の課程又は通信制の課程に在学する生徒が、技能教育のための施設で、当該施設の所在地の都道府県の教育委員会の指定するものにおいて教育を受けるときは、校長は、文部大臣の定めるところにより、当該施設における学習を当該高等学校における教科の一部の履修とみなすことができる。
〔学校教育法施行令第4条 技能教育施設の指定〕
二、修業年限が1年以上であり、年間の指定時間数が680時間以上であること。
三、技能教育を担当する者(実習を担当するものを除く)のうち、半数以上の者が担当する技能教育に係る高等学校教諭の免許状を有する者又はこれと同等以上の学力を有するものと認められる者であり、かつ、実習を担当する者のうち半数以上の者が担当する実習に係る高等学校教諭の免許状を有する者若しくはこれと同等以上の学力を有すると認められる者又は6年以上担当する実習に関連のある実地の経験を有し、技術優秀と認められる者であること。
高校入学・再入学
高校への入学・再入学に必要な書類は卒業した中学校に用意してもらうことができます。
〔学校教育法施行規則〕54条の3 (中学校の)校長は、中学校卒業後、高等学校、高等専門学校その他の学校に進学しようとする生徒のある場合には、調査書その他必要な書類をその生徒の進学しようとする学校の校長あて送付しなければならない。
学校間連携 科目履修生
〔学校間連携〕 近接する高等学校が、自校にはなく他校にある科目や講座を在籍する生徒に互いに履修できるようにする制度です。
同一校内の通信制課程、定時制課程などの履修も同じです。
〔学校教育法施行規則〕63条の3 校長は、教育上有益と認めるときは、生徒が当該校長の定めるところにより他の高等学校において一部の科目の単位を修得したときは、当該修得した単位数を当該生徒の在学する高等学校が定めた全課程の修了を認めるに必要な単位数に加えることができる。
2 前項の規定により、生徒が他の高等学校において一部の科目の単位を修得する場合においては、当該他の高等学校の校長は、当該生徒について一部の科目の履修を許可することができる。
〔科目履修生〕 〔単位制高等学校教育規程〕単位制による課程のうち定時制の課程又は通信制の課程のあるものを置く高等学校においては、当該単位制による課程の聴講生として特定の科目を履修する者(科目履修生)に対し、多様な教育の機会の確保について配慮するよう努めるものとする。
通信制高校学習センター 通信制高校サポート校 協力校
〔通信制高校学習センター〕 私立の広域通信制高校が採用する方法です。
高校設置は都道府県の承認を受けます。そのうえで分校舎を各地に置きます。
この各地に置いた校舎が学習センターです。~キャンパス、~校舎などと呼ばれます。
学習センターは本校とは別の都道府県にあることが多いのですが、同一県内に複数の学習センターを持つ広域通信制高校もあります。
設置承認を受けている都道府県以外から生徒を募集するには該当する都道府県の承認が必要です。
〔通信制高校サポート校〕 通信制高校と連携し、在籍する生徒の通常の教育活動を本校とは別に行なうのが通信制高校サポート校、略称がサポート校です。
協力校や連携校ともいいます。
本校が生徒募集できる承認を得ている都道府県に校舎があることが多いですが、設置主体が本校とは違う経営体の場合も少なからずあります。
教員は基本的には本校の教員とは別です。
教育内容(科目設定など)も本校と別になっている所がありますが、単位認定・卒業資格は本校が行ないますので、教育内容は本校の承諾が必要です。
通信制高校学習センターと通信制高校サポート校の違いは設置主体の違い、教員の所属はどちらか、教育内容の決定、都道府県から生徒募集の承認を得るのはどちらかなどの点です。
比較的小規模な学習塾等において、在籍生が通信制高校に進学したとき、通信制高校サポート校になるばあいがあります。
サテライト教室などの名称で呼ばれることがあります。
*通信制高校学習センターと通信制高校サポート校は一般には区別されずに使われています。
〔協力校〕 公立の通信制高校が同一県内の高校を利用し、在籍する生徒のスクーリングに対応しています。
日曜日が多いですが、教室の空き状況によってはウィークデイもスクーリングがあります。この学校を協力校といいます。
狭域通信制高校
広域通信制高校ではなくではなく同一県内または隣接する県と2県から生徒募集する通信制高校を狭域通信制高校といいます。
都道府県立の通信制高校が該当しますし、私立通信制も多数あります。
ホーススクール
乗馬学校です。動物との相性がよい不登校の子どもを受け入れています。
宿泊型のところ、フリースクールとすることがあります。
外国の高卒認定資格
日本の高卒認定試験の相当する外国の資格制度があります。
バカロレア資格(スイス・フランス)、アビトゥア資格(ドイツ)は、文科省告示により大学入学資格を認められています。
アメリカ、韓国なども高校卒業程度を認定する制度があり、多くの大学で入学の受験ができます。