カテゴリ:鹿児島県(地域)
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鹿児島県内で生活保護費以下の収入で暮らす子育て世帯の割合が2012年で20・6%に上り、全国で3番目に高かったことが20日、山形大学の戸室健作准教授(社会政策論)の調査で分かった。<br> | 鹿児島県内で生活保護費以下の収入で暮らす子育て世帯の割合が2012年で20・6%に上り、全国で3番目に高かったことが20日、山形大学の戸室健作准教授(社会政策論)の調査で分かった。<br> | ||
全国平均(13・8%)を大きく上回り、07年と比べても5・8ポイント悪化した。<br> | 全国平均(13・8%)を大きく上回り、07年と比べても5・8ポイント悪化した。<br> | ||
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〔2016年3月28日・貧困ネット、平成28(2016)年3月21日 南日本新聞 朝刊〕 <br> | 〔2016年3月28日・貧困ネット、平成28(2016)年3月21日 南日本新聞 朝刊〕 <br> | ||
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「友だちのようにダンス教室や塾に通ってみたかった」―。<br> | 「友だちのようにダンス教室や塾に通ってみたかった」―。<br> | ||
鹿児島でも深刻化する「子どもの貧困」を浮き彫りにした山形大准教授の調査。<br> | 鹿児島でも深刻化する「子どもの貧困」を浮き彫りにした山形大准教授の調査。<br> |
2016年9月10日 (土) 20:50時点における版
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子どもの生活調査・鹿児島県
周辺ニュース
[未来照らして-かごしまの子どもたち]子育て世帯の貧困率、鹿児島県は20.6%で全国3位 5年で5.8ポイント悪化 =山形大が12年分調査
鹿児島県内で生活保護費以下の収入で暮らす子育て世帯の割合が2012年で20・6%に上り、全国で3番目に高かったことが20日、山形大学の戸室健作准教授(社会政策論)の調査で分かった。
全国平均(13・8%)を大きく上回り、07年と比べても5・8ポイント悪化した。
5年間の伸び率が高いのが特徴で、戸室准教授は「鹿児島は子どもの貧困が急速に進んでいる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
都道府県別では沖縄が最も高く37・5%。大阪(21・8%)、鹿児島、福岡(19・9%)、北海道(19・7%)、宮崎(19・5%)と続いた。
戸室准教授は生活保護の基準となる最低生活費以下で暮らす世帯を「貧困」と定義。
国民の就業実態を調べるため、総務省が5年ごとにまとめる「就業構造基本調査」のデータを活用し、貧困世帯のうち、18歳未満の子どもがいる世帯数の推移(1992~2012年)を調べた。
鹿児島県は子育て世帯の14万2800世帯のうち、2万9449世帯が貧困世帯となる。
県内の子育て世帯の貧困率は、1992年に14・5%。97年には9・6%と低下したものの、2002年14・9%、07年14・8%と悪化し、12年は20%を突破した。
世帯数は20年間で減少したにもかかわらず、貧困世帯数は2144世帯増えた。
特に07年からの5年間は、7502世帯増え、伸び率も全国平均を2ポイント上回った。
一方、子育て世帯を含む県内の全貧困世帯のうち、生活保護を受給している世帯の割合は12年が12・3%で、全国平均を3・2ポイント下回った。
戸室准教授は「全国的に子どもの貧困率が上昇している」と分析し、「最低賃金の引き上げや非正規雇用を抑えるなどの対策が必要だ」と指摘した。
子どもの貧困については、厚生労働省が平均的な所得の半分未満で暮らす人を貧困と定義して調査しているが、都道府県別の数字は出していない。
同調査による12年の貧困率は16・3%。
〔2016年3月28日・貧困ネット、平成28(2016)年3月21日 南日本新聞 朝刊〕
子どもの生活調査・鹿児島県
[未来照らして-かごしまの子どもたち]進路阻む負の連鎖 親が奨学金に手、大学目指しバイト代貯金 =鹿児島県の子育て世帯、貧困率3位
「友だちのようにダンス教室や塾に通ってみたかった」―。
鹿児島でも深刻化する「子どもの貧困」を浮き彫りにした山形大准教授の調査。
働きながら鹿児島県内の高校に通うある生徒は、持病の病院代さえままならず、貧困による劣等感から不登校になった中学校時代を打ち明けた。
親の所得や家庭環境が進路に直結する現実。何とか「負の連鎖」から抜け出そうと、懸命に努力している。
「部活の道具代や大会費が払えない状態が続き、学校にも居づらくなった」。
中学に入ると、貧困がきっかけで不登校となり、その後はほとんど自宅で過ごした。
親の収入は手取りで10万円ちょっと。
母には浪費癖があり、借金も抱えていた。下にもきょうだいがいる。「家に負担はかけられない」。
ぜんそくで通院していたが、病院代さえもったいなく思え、自分の判断でやめた。
家庭用ゲーム機、塾、習い事、家族旅行…。
小学校高学年から友人たちの話題についていけなくなった。
当たり前のように交わされる会話が「別世界」に映った。
「習い事に行きたい」と親に頼んだこともあったが、「どうせ長続きしない」と相手にされなかった。
上のきょうだいの最終学歴は全員「中卒」だ。
「この家に生まれたのだから、しょうがない」。中学時代は自分でもそう思っていた。
だが卒業が近づくにつれ、「環境に流されたくない」という思いが強くなり、高校に進学した。
学費と生活費は、アルバイトと奨学金で賄う。中学の遅れを取り戻そうと、必死に勉強し始めたころ、頼みの奨学金を親が使い込んだ。
「子どもの教育には本当に関心がないんだな」。愛情を感じられず、涙があふれてきた。
勉強は嫌いじゃない。それでも「負の連鎖」から抜け出す厳しさは嫌と言うほど味わってきた。
「経済的に苦しい家の子は勉強を投げ出してしまうことも多いと思う。塾に通うのが当たり前の家も多いのに」
自分の力で大学に進むことが目標だ。入学金はアルバイト代から少しずつ貯金している。
「この家だからと諦めるのは悲しすぎるでしょ」。生徒の表情が少し和らいだ。物が散乱し、子どもが勉強するスペースさえ確保できていない―。
生活保護世帯と接する機会が多い県内の福祉関係者は、教育の格差が広がりつつある現実を目の当たりにしている。
貧困に進路を閉ざされるケースは特別なことではない。
「少子化で一人の子どもにお金をかける家庭も多い中、学力の差がつかないわけがない。
親への働きかけを含め、負の連鎖を何とかして食い止めなければ」と話した。
〔2016年3月28日・貧困ネット、平成28(2016)年3月21日 南日本新聞 朝刊〕
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