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- 『知らない』全てが怖い に 810 より
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カテゴリー別アーカイブ: 詩
四方の壁
四方の壁に取り込まれていた 力いっぱいこぶしを叩きつけた 壁からはぽろぽろと粉がこぼれるばかり ひざまづき、血だらけの手の甲をなめる 力をなくした渡り鳥が 海に没していくような気分だった 四方の壁は僕をあざわらった どこ … 続きを読む
過ぎし 歌姫へ
時々今も思い出すんだ。君の昔話を そして今、昔話を語る口には次々とアルコールが つがれていく まるで家事でもこなすように 君は貯蔵庫に手を伸ばし 次のビールの栓をあける もし君にこれっぽちの … 続きを読む
黒いインク
黒いインクをキャンパスに零してしまった 手元には水彩絵の具しか残ってなかった 黒いインクを視(み)たなくて 絵の具を片っ端からぬりたくった インクは消えない、一筆ごとに絵の具が弾かれて 黒が浮きでてきた でも、筆を止める … 続きを読む
ソウルアサイラム
A 心の奥底にきちんとピントを合わせれば 生き続ける事が僕を成長させると信じている B ただ、心が錯乱に埋めつくされたら 下手な曲芸師の操るマリオットのようになってしまったら もう一度僕を迎えいれてくれ c そして試練に … 続きを読む
流れていく
流れていく 分かっている この夜も流れていくんだ 僕はができることは、気持ちをせき止めず 窓を覆っている障害をのけて この星の流れに身を任せることだ 宙の果てにたどりつけなくとも 宙に身を任せることはできる 執着や哀しさ … 続きを読む
よりそえるものになりたい
よりそえるものになりたい あなたが今朝選んだコートのように 何気なく目にするコーヒ屋の看板のように よりそえるものになりたい あなたが初めて買った誰かのレコードのように 何百回も手のひらで握られた懐中時計の … 続きを読む