メインイベント

伝えることはあるだろうか

話すことはあるだろうか

君を笑顔にできるようなことが

一息つかせられる話題というものが

今ここにあるだろうか

 

 

思い浮かべてみる

君のはおるセータの色を

今日いく街の空の色を

お互いがどれくらい電車の乗ってあうのか

つまり、君が僕に会うために

使う時間はいくらなのか

 

他人の悪口はいわない

自己否定はしない

ただ単に話題をつなぐにしろ

仕事の話もない

ただつったてチラシを配るだけの

話なら、5分ももたすことはできない

 

仕方ないから夢の話をしよう

僕は40代で本を三冊かきたい

高校時代読んで未来を示唆してくれたような

レベルの本を

三冊書きたいんだ

 

それで、50代になったら

自分が一人前になったら

人助けをしたい

かつて僕を外に連れ出してくれた人

心というものを取り戻させてくれた人

そんな人に自分もなりたい

 

時計の長針が12をさす

携帯が震える

そろそろ時間だ

今日のメインイベントの時間がくる

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四方の壁

四方の壁に取り込まれていた

力いっぱいこぶしを叩きつけた

壁からはぽろぽろと粉がこぼれるばかり

ひざまづき、血だらけの手の甲をなめる

力をなくした渡り鳥が

海に没していくような気分だった

四方の壁は僕をあざわらった

どこにもいけやしないぞと

変わることはない

まるで生まれて初めて父親に殴られた時のように

無力感が口の中に広がっていく

記憶が遠すぎて書き換えることができないように

ここから脱出することができない

 

光の浮遊に突如目を覚ます時

僕には見える

何千年も前からの壁

パラパラ落ちる土に何度も咳き込み

目をこすりつづける

誰かが鍵をかけていったみたいだ

この世界には一人しかいないのに

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『知らない』すべてが怖い

    2章  果てが分からないのが怖い 

 

 何かのアニメでヒロインがこんなことを言っていた。

 

小学6年の時、野球場にプロ野球を見に行った。そこで何万人かの観客の一人になった時、自分特別な何かなんじゃないことに気づいた。ただのちっぽけな一人のひとなんだって。

 僕にはそのヒロインほどの明瞭な感受性はない。だけどおなじような憂鬱にすでに子どもの頃、とり付かれていた。

 ある日僕は、宇宙の果てには何があるのか分からないことにきづき、それがぼくの寿命までにどうにもならないことに気づき、そしてマクロの極点がわからないという事はミクロの極点もわからないだろうし、そもそも現在進行形で呼吸したり細胞分裂したりしている。約60億人の人間がそれぞれに見えている世界を知ることは永久に不可能だと気づいた。僕がまあ『知っている』といってゆるされそうなのは、約60億人の内ひとりだけだ。

その後僕はこの余りの世界の『不確か感』に耐え切れず、毎日駅のホームから改札へ向かうと際『この行きかうヒトは本当は実在していないじゃないか。背中からナイフで一刺しすれば風船のようにパンッと消えるのではないか』といった妄質に駆られていた。仮借のない言い方をすれば、刺したい誘惑から数分間耐えしのんでいた。とりあえず今いえるのは、刑務所送りにならなくてよかったということだ。

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『知らない』全てが怖い

      1章 未来が怖い

 

 知らないということは、僕にとって恐れを意味した。一日でも早く不確実なスケジュールを明確な予定にし、見えない未来を予測可能な未来に手繰り寄せようとし、行き先にたどりつくための必要な時間と経路を知ろうとする。

 僕はたかだか『不確実』な未来が怖いというだけの理由で、学生の頃、リーダーや幹事を務めたりした。立場が上であればそれだけ先に未来に関与できる可能性は高い。情報も集まるのだ。だが僕は確信を持っていえる。長いもの巻かれることができる人、舵を人に委ねることができる人。そんな人はそれだけで一定限の勇気をもっているのだ。

 そして、ことの善し悪しはともかくとして、世の中で求められる95%の人材はそのような人たちなのだ。むやみに恐れ、事情や行き先を知りたがり、そのうえさしたる能力もない。なんて使い勝手の悪い人間なんだろう。

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過ぎし 歌姫へ

 時々今も思い出すんだ。君の昔話を

 

そして今、昔話を語る口には次々とアルコールが

つがれていく

まるで家事でもこなすように

君は貯蔵庫に手を伸ばし

次のビールの栓をあける

 

もし君にこれっぽちの才能もなければ

くそみたいな、その他大勢と同じ才能ならば

よかったのにね

もしくはその夢とやらを手の内におさめて

仔細ながめまわせば良かったんだ

そうすれば君は少なくともやめることができたんだ

…夢見ることを

 

酔いどれに夢にたわむれても

翌朝には虚しさの穴がまた少し広がるだけ

僕は背を向け帰るべきだったんだ

君の瞳に宿る輝きのなごりなんか

目にすることもなく

 

そして僕はビールを口に注ぎ込む

腹に力をいれ、君の闇に吸いこまれないよう

祈りながら

もはや夕焼けすら幕をひこうとしている

光の届かない場所へとこの世界は

姿を変えようとしている

 

幻を追い暗闇に落ちて行こうとする

僕の心に影がさす

もうすぐこの部屋は真っ暗だ

あの輝きのなごりをみつけなければ

多分、永遠に

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黒いインク

黒いインクをキャンパスに零してしまった

手元には水彩絵の具しか残ってなかった

黒いインクを視(み)たなくて

絵の具を片っ端からぬりたくった

インクは消えない、一筆ごとに絵の具が弾かれて

黒が浮きでてきた

でも、筆を止めるわけにはいかなかった

黒いインクを直視したらきっと気が触れてしまうから

筆を止めるわけにはいかなかった

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ソウルアサイラム

A
心の奥底にきちんとピントを合わせれば
生き続ける事が僕を成長させると信じている
B
ただ、心が錯乱に埋めつくされたら
下手な曲芸師の操るマリオットのようになってしまったら
もう一度僕を迎えいれてくれ
c
そして試練に立ち向かう力がつくまで
僕の時間を留めておいてくれ
ソウルアサイラム
僕にとってあなただけが
故郷のように感じるんだ
ソウルアサイラム

A
あなたが抱えこんだ心の業のようなことが
ひどく懐かしく感じるような時がある
B
そう、木枯らしが心を乱暴にノックし続ける時は特にね
この場違いな道化師のような日々の終わりに

そして試練に立ち向かう力がつくまで
僕の時間を留めておいてくれ
ソウルアサイラム
僕にとって時にあなただけが
故郷のように感じるんだ


あなたは余りに寡黙だった
だからこそ僕は多くをあなたから学んだんだ
それはある種刻印のようなものなんだ

ソウルアサイラム
そして試練に立ち向かう力がつくまで
僕の時間を留めておいてくれ
ソウルアサイラム
僕にとってあなただけが
故郷のように感じるんだ

ソウルアサイラム

  
※J-popみたくしてみました。全然歌詞popじゃないけど

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流れていく

流れていく 分かっている この夜も流れていくんだ

僕はができることは、気持ちをせき止めず

窓を覆っている障害をのけて

この星の流れに身を任せることだ

宙の果てにたどりつけなくとも

宙に身を任せることはできる

執着や哀しさも一緒に流してしまえ

実りのない恋慕や『こうすればよかった』全ての事と

流暢なドラマーのタム回しに感じた時のように

一秒先の 時 に飛び込んでいこう

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よりそえるものになりたい

よりそえるものになりたい

あなたが今朝選んだコートのように

何気なく目にするコーヒ屋の看板のように

 

よりそえるものになりたい

あなたが初めて買った誰かのレコードのように

何百回も手のひらで握られた懐中時計のように

 

よりそえるものになりたい

あなたの50cm外側に立つガードレールのように

かすかに心をなごませてくれる

遠方の飛行機雲のように

 

よりそえるものになりたい

あなたの心はまだかろうじて脈打っていると

教えてくれる全ての物事のように

よりそえるものになりたい

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