162 あしたの地図
月曜日, 5月 2nd, 2022横たわる
目を閉じる
頭の中が巡る
眠ってるというよりは
潜ってる感じ
夢を見るというよりは
見られてる感じ
潜っては浮かぶの
くり返し
深い呼吸の
くり返し
きのうは読むもの
あしたは書くもの
きのうは聴くもの
あしたは歌うもの
眠りと目覚めを
行き来する道
描いた地図
ポケットに入れたら
出かけよう
Archive for the ‘詩’ Category162 あしたの地図月曜日, 5月 2nd, 2022横たわる 目を閉じる 頭の中が巡る 眠ってるというよりは 潜ってる感じ 夢を見るというよりは 見られてる感じ 潜っては浮かぶの くり返し 深い呼吸の くり返し きのうは読むもの あしたは書くもの きのうは聴くもの あしたは歌うもの 眠りと目覚めを 行き来する道 描いた地図 ポケットに入れたら 出かけよう
161 抒情の蒸発土曜日, 4月 2nd, 2022忘れかけてた 傷あとが ここぞと目を覚ます 脳か心か身体か どこともいえない 傷がうずく 心の鼓動 血の流動 狂い咲く花 狂い飛ぶ虫 生い茂る草 追掛ける風 傷はなめない 目は 濡らさない 湿った抒情を 排除して 風に吹かれて 脳裡がかわく
真なるもののみ 結晶する 160 螺旋の日と夜水曜日, 3月 2nd, 2022自由の匂いがする 日暮れの風 孤独の味がする 街の夜気 ひとり日と夜 時が流れる
日に光るジンロックの 背徳性 灰色の地に落ちる 北向きの窓 かつての日と夜 同じ空気の肌ざわり
あの日と夜を つなぐのは 眠りのような 意志なき意識 空白の日と夜が 再び色を 持ちますように
日と夜はくり返すも 同じ所を まわるのではなく 螺旋状に移りゆく 159 夜の裏水曜日, 2月 2nd, 2022まぶたの裏の 黒いモクモク 幼少時代の 夜のモクモク 闇が闇でない 暗がりの中 朝は遠く 眠りは祈り 黙々と進む イニシエーション 夢中へ入る 最後の一歩 闇にうごめく 見えない雲 目を閉じたら 迫りくる 不安な夜の まぶたの裏 158 無の教室月曜日, 1月 3rd, 2022生きてる夢から 目覚めてみれば そこには誰も いないだろう くたびれた教室のような 薄暗い空間 寄り合う面々 それぞれの夢 彼らは目覚めて 立ち去った 夢が死ぬとき 僕らは目覚める 目覚めた僕らは 夢を知る 眠りすぎて 生きすぎて デジャヴだらけの 世界のほころび 夢からの 微妙な合図を 受けとって 読み取れないまま 現実という曖昧さ そして あの教室で 誰も僕を待っていない 157 不条理のひとすじ水曜日, 12月 1st, 2021つなぐことが できない者の 孤独と生滅 たくすバトンを 持たずして つながることを 恐れる者の 羞恥と隠遁 網の目の中 失われ つながれている 罪ある者の 祈りと覚醒 善悪もはや 混然として つなぎ目ひとつ おぼつかなくて 自己と世界の 理不尽さ 意図ある 糸の断絶 一条の光に 絡め取られる
156 不思議な気分のつくり方月曜日, 11月 1st, 2021眠りたくない夜 目覚めたくない朝 クリアな沈黙 クールな発語 デジャヴはいつも つかまえそこねる 一瞬の匂いのように 消え去ってゆく 名前のない感覚だけが うっすらと残ったりする
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