土曜日, 7月 1st, 2023
ハンドサインで
助けを求めた
サインの意味も
知らないまま
宇宙内外の
はるかどこかに居るはずの
僕の親玉に
サインを送る
見放された仔の
無力と絶望
彼方からくる
暗示ももはや
途絶えがちで
混沌のうちから
この生を受けるも
生まれ落ちた衝撃で
使命も指令も
そんなものがあったのかさえ
忘れてしまった
そうして僕は
つぶされる
全身全霊
つぶさに滅びる
あなたの
最後の仔になる
覚悟はすでに
できていたのに
木曜日, 6月 1st, 2023
孤独
個の毒
ことごとく
苦悩
愚の脳
このうえなく
恨み
うらやみ
暗闇のなか
夢想
無の相
嘘うたう
存在
その際
空ぞらしく
命
そののち
祈る価値
月曜日, 5月 1st, 2023
僕らは空に
飼われてる
バクテリアも
マウスも
ヒトを知らない
そして
ヒトもまた
何かを知らない
月
日
星
雲
見得るものしか
見ていない
見得ないものを
見る覚悟
自由意思で
生きている
と 信じるも
そもそも自由が
あり得るか
そうして僕らは
空に
飼われてる
日曜日, 4月 2nd, 2023
自分らしさを
信じない
個体の差など
とるにたりない
幻想としての
自己の表象
個性の主張の
おごりと空虚さ
個人といえども
起源は同じ
始まり終わり
みな同じ
あなたと僕の
相違があるとき
それはあなたと僕が
真に芯から
対人してると
いえるとき
水曜日, 3月 1st, 2023
かつて
人の夜は
静寂だった
無音の
冷やかな空気に
包まれる
音を伴わない
声を聴く
動かない静けさの
声を聴く
沈黙に耐えられぬ
饒舌
黙考に耐えられぬ
脳内
夜の果て
明暗入り混じり
日のかわり目の
きしみを聞く
水曜日, 2月 1st, 2023
光に目を閉じ
闇を求める
そしてそれは
真の闇ではない
光を本当に失うとき
求めることなく
闇は
抜き差しならない
闇になる
人の目を避け
孤独を求める
そしてそれは
真の孤独ではない
人が本当に居なくなるとき
求めることなく
孤独は
抜き差しならない
孤独になる
束縛に慣れながら
自由を求める
そしてそれは
真の自由ではない
束縛が本当にほどけるとき
求めることなく
自由は
差し替えられない
自由になる
火曜日, 1月 3rd, 2023
鋭いつららを
振りかざしていた
独りよがりで
闘っていた
何かを傷つけたかも
しれないけれど
握ったつららは
やがて溶けていった