188 無機的な夜

夜は明けない

日は出ない

見えない路を

徘徊する

 

夢とも何とも

いえないところで

自らそこへと

入っていった

 

その隅っこは

暗かった

顔が闇に

埋ずもれた

 

そうだ僕は

なにものでもない

顔をもたない

無機物だ

 

そろいもそろって

よくもまあ

不毛さだらけで

つどったものだ

 

というよりそれは

集まりではなく

それぞれに在る

一人の僕だ

 

独りの闇で

虚空をつかんで

握ったこぶしを

解く指の一本ずつ

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