8. 母なるものの前に
荒れ狂う海の面前
母なる海よ
母なる大地
そのふところに
僕は立つ
母なる空の夜の星
漆黒の空を僕は見上げる
僕はどこへ行くのだろう
ふるさとよ
無よ
僕はどこへ
帰ってゆくのだろう
おかあさん
あなたは一個の人間として
僕がどこへ行くと思うでしょうか
疾風怒涛
海岸線はうねっている
空は鳴いて
山が揺れる
母なる海よ
母なる自然
僕をはらんだ一個のおんなを
母と呼ぶという
が帰るところはそこではない
僕はそこへは帰らない
そして僕はいったい
どこへ行くというのだろう
疾風怒涛
母なる海に
面と向かって立っている
今ただここに立っている