75. いのち

視界も
音もなく
匂いも
味もなく

固い枕と
軽い布団の
身に触れることだけに
意が集中する

意するところ
過去未来はなく
今現在の
一瞬一瞬

間隙なき
感覚
機械的な
器官

眼耳鼻舌身意
生きる実相
六根
六つ目の

意とは何か
脳か
胃の血か
心臓か

その自らの身を
裡返し
広げて晒して
血を乾かす

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