44. 一歩

自分らしさを
置いてきた
記憶もうすれた遠い果て

 

自我は幻想
行きでも帰りでもある
旅は途中

 

道見失い
落ちて滑って
深いふところ

 

いだかれるのは
自己の小ささ
大きな非自己

 

自分の足で
歩み進んでいる
という感覚も錯覚

 

夢の中にひきこもり
外へ出てゆく
一歩が踏めない

Leave a Reply