33. 覚醒する幾千の日と夜
静寂の中
聞こえぬ音が
漂っている
リアルな凹凸
まだ見ぬ実体
見はなされ
おびやかされ
晒された者の
裏返る脳裡
粘液質のものが痛々しく
外気に触れられてゆく
これが静寂
聞こえぬ音に遊ばれて
異形の世界へおりてゆく
これが静寂
見えぬ物に誘われて
異形の世界へおりてゆく
覚醒は
約束されたか
未知なるものの
うごめく波は
交信可能か不可能か
今はただもう
バラバラになった内容物を
かき集め縫い合わす
血のつまった布袋のように