82 ひと夏ひと朝

真昼の陽を
全身に浴び
蒸発しそうな
夏でした

夜中の闇を
吸い込み続けて
窒息しそうな
夏でした

夜明けの空は天高く
苦しまぎれに
起き続けていた
朝でした

夜更けを導く
斜陽へ必至の
朝日を見ている
朝でした

ひと夏きりの
陣は背水
生きながらえて
命からがら

ひと朝ごとに
あらたまる
思いきっての
自分狩り

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