29. 白紙をステージに

ヒマラヤほどの消しゴムひとつ
ミサイルほどのペンを片手に
と歌う

キーボードで打つ
明朝体より
紙の上で躍る文字

走り書きの痕跡を
つまづきながら
歩いて見る

言葉は
書いた途端
死ぬか生きるか

小さな声をつむぎ
ペンと消しゴムで
拡声する

紙の上をステージに
消えゆくさだめとして
文字の羅列

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