20. あしあと
僕のキボウたちが
帰還した
脆弱で
ふわふわと
吹けば飛ぶような
キボウたちは
希望の面をかぶった
苦悩かもしれない
でもそんなことは
もうどうでもいいのだ
キボウたちは
あついトタン屋根の上
跳びあがって融け始める
僕は振り返る
無数の針のむしろ
息つまる監察室
手足しばられて
襲ってくる魔
僕は振り返るけど
戻ることはもはやない
すべては過ぎし時として
今を生きるすべとなる
キボウたちよ
たわむれももう僕には
通用しない
僕はもっと強くなろう
道なき道
振り返れば
あしあともなく