17. 扉
僕のキボウたちよ
そんなに僕の周りを飛び交うな
僕には影が付き添っているのだ
君らの素敵な舞いに
僕は同調することができない
僕の小さなキボウたちよ
そんなにはしゃいでいるな
君らは僕に近しい者でない
絶望や虚無や懐疑たちほどには
僕に近しい者ではない
彼らは君らのように気まぐれじゃない
例えば不意にやってくる別れの日にも
調子のいい晴れた午後にも
彼らは必ず隣で笑っている
キボウたちよ
そのまま自由に飛び去るがいい
君らはそのほうがふさわしい
僕は扉を開ける
光はあふれている
道はどこにでも造られる
僕は一歩踏み出す
希望のないままにも
僕は扉の向こうに歩み出せる
何も見えない光が
すべてをのみこもうとする
ここからつながるものは
いったい何であるか
僕は知らない