13. 目覚めの鮮度

薄紫の
花を
目が食べ
目覚めたとき

その直後も
草を食むように
咀嚼しつづける
夢見の歯車

ふと遠い日のすももの果実
熟れて柔らかに割れ
したたって染みる
濃い赤紫の汁を見る此の時

いつも鮮度よし
頭蓋の割れ目のギザギザが
咀嚼して
したたる汁の鮮やかさ

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