187 漂う夢

春が僕を

けだるい空気へ

誘いこむ

 

失われた夢のように

消えてゆくのは

あおい春

 

夢を

夢と認識するために

毎日めざめる

 

夢では現実を

目覚めれば夢を

忘却するばかり

 

目覚めなければ

夢は

永久に閉じられた

異世界

 

個人的であり

普遍的でもある

了解不能の世界

 

世界として

漂う夢らは

見えない

言えない

質量もない

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