マ―ケットとしてのコミティア―参加の報告と今後(5)

03.02.14 / コミティア / Author:

会場内をめぐって参加サークルの人に聞いた点は、作品の制作と制作費、それに販売方法です。
販売方法で答えてくれた人は、コミティアなどへの参加だけと言う人もいました。自分がかつて働いていたお店にもって行き、並べてもらっている人にも会いました。書店に持ち込んでいる人もいました。自分のホームページに載せている人もいましたが「売れたことがない」という話しです。
ネット上のショップに出している人もいましたが、売れるところは出店料が高いし、無料のところは(実はあゆみ書店はゼロショップというサイトに出していましたが)ほとんど売れない、という状況です。
コミティアもおそらく過半数のサークルにとっては収益から見ると採算点以下であろうと思います。人によっては先行投資であり、また作品の評価を試す場、作品傾向に同調できる人と出会う場、協力者に出会う場などそれぞれの思惑のなかで利用しているはずです。そういうなかで、創作品の販売ルートの役割が徐々にできていると思います。

経済史を読むと、はじめは農村から作物を都市の運んでくるとき、ある場所に定期的な市が立つ、それが恒常的な市場になったというのがあります。東京の巣鴨に豊島市場というのがありますか、あれはかつての“やっちゃば”(競り市の掛け声?)から発展したということを聞いたことがあります。
コミティアはこれに匹敵するものではないでしょうか? 生産者は個人や小グループの創作活動者です。多数いますがこれという販売システムを持ちません。従来は企業家的な仲立ちがその役割をしていました。ここに生産者と直接の消費者との接点ができたのです。それがコミティアというわけです。

これからもコミティアに参加しようと考えたのはこの点です。まだ不採算です。しかしそれほど大きな赤字ではありません。可能性としては採算分岐点近くにいるのではないでしょうか。
(まつだたけみ)

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