(41)『旅がらすに途方にくれて』

7月 1st, 2008

 長期に渡ってひとつの居場所へと定着をしても、ずっと同じ所へと居座り続ける事は出来ないように思う。
 それは、二度とその場から立ち去る事ではない。一旦は、別の目新しい風への直面をしてみた上で、馴染みである居場所以外にも足を踏み入れて見る。
 去年の5月頃から本の執筆を行い始めて、今年2月に1冊の随筆集である試作本が出来上がった。
 けれども、今の時点では完全版ではなく、そこまでの製本として仕上げるまでには、いつの話になるのか知れたものではない。
 自分としても、あまり心の中で期待をしていない、というよりも期待をしないようにしていると解釈をしたほうが正しいであろう。
 ある人によれば、次の第二作目を出す事を望んでいるとの言い分も耳にはしたが、自分の中では、第一作目の試作が出来上がってその製本へと行かないまでには、一旦は、どこかで足を止めて、何かがピリオドを遂げる時期へと差し掛かっているかのような気がしなくもない。
 今は3月の下旬近くで、もう間もなく新年度の時期となる。だからと言って直接には関係がないかもしれないが、自分からしても、ずっと同じ境遇におき、そろそろ違和感を抱き始めて来たのである。
 先へと進んでいく事だけが、人生の目標ではないが、何にも変わらないようなつまらない状況の中に長く居座り続ける事は、それもまた、切ないだけであるかもしれない。
 ある程度の時が経てば、次第と周囲の様子などが変化をしてもおかしくはない。変わってほしくはないものでも、時が過ぎれば変わってしまい、又、別れたくはない相手であっても、疎遠となってしまう事もある。
 これから先の人生よりも、最も現在におかれている時を、懸命に生きるべきであるように思える。

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