和歌山県の高野山高校で生徒による傷害事件が発生しました。
高野山高校は不登校生・中退生を受け入れる高校として不登校情報センターのサイトでも紹介しています。
このような事件が生じたことはまことに残念です。被害者の回復を祈り、関係者の心労に思いいたすところです。
高野山高校は、全寮制の男女共学の高校で、普通科と宗教科があります。
これまでも関係する進路相談等で紹介したことがありますし、同校の学校案内書は希望者に配布するために保管もしています。
以前に相談されたある人は、精神的な不安定状態を改善するために高野山高校に行きたいともいっていました(いくつかの事情で実現はしませんでしたが)。
事件の詳細は報道以外にはわかりませんが、高野山高校への進学案内は継続する予定です。
なぜならこの事件は、学校の体制やスタンスの問題から生まれたものと判断できないからです。生徒間の事情であり、事件後の学校の対処もおおむね適切であるように思います。
より詳細なことがわかりしだい、情報センターとして可能で必要なことは行いますが、いまの時点ではこのような方向が必要だろうと思います。
十代の高校生を寮制度で受け入れ、生活と教育をすすめるのはそう容易なことではありません。
不登校・中退を経験する生徒のなかには問題を自分のなかに抱え込むタイプの人が少なからずいます。そういう生徒をサポートすることはことさら大事であり、高野山高校はそれを長く実践されてきました。
この事件が生じたからといって、その課題にウェイトをおいて取り組む高校を非難がましく言うことはできません。
むしろこのような課題を避け、“リスク”をとらず楽な道を選ぶ高校よりははるかに優れているのですから。