その3「中心目標は引きこもり当事者の利益」
この取り組みの中心目標は引きこもりの当事者が直接の利益を得ることです。
引きこもりの大部分は支援団体にも医療機関にも、保健所などの行政機関にも接触していないものと考えます。一説では100万人ともいう引きこもりの少なくとも半分以上はこの状態にあると見ています。なかには40歳以上の高年齢の人も精神障害の領域に入っている人もいます。それに該当する人を「引きこもり」と判断、認定する制度は年齢を除くとないのですから避けられません。
そういう人が何らかの関心を示し、関われば早期に相応の収入が得られる取り組みになりうるのが「引きこもり支援を企業CSRにする運動」です。何かを始めてもいつ収入になるのか見当のつかない学習や訓練にしないことです。直接の利益(原則として入金の半分)を当事者に還元する仕組みを導入します。
しかし、この運動への引きこもりの人の参加が継続的・安定的な収入になる状態は基本的には想定できません。それほどやさしいとはいえないからです。その収入は一時的なものになるかもしれません。不安定ながら継続する小遣いのようになるかもしれません。そういう想定で取り組みます。どう展開するのかは引きこもり当事者と家族と支援者の関わりが大きいでしょう。
その関心を人や社会との接触に転化する機会にすることが必要です。周囲の家族や支援者にはそれを受け入れるだけの柔軟な環境が求められます。この環境をつくるのがこの取り組みのめざすものになるでしょう。