自己保存の言動になりやすい

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「家族から見た周辺履歴書」の説明において乳児期・幼児期の課題が未達成の子どもが思春期や成人したときにどうなるのか。そういう質問を受けました。それは情感的な体験の蓄積が不足しているということです。その結果に共通することは自己防衛的な反応がついて回ることが特徴でしょう。実は小さな子どもによく見られることで、そばに母親がいないと不安に感じることです。それが相応の年齢になっても超えられないのです。

これはいわゆる自己中心に利益を図ろうとするタイプ(ジコチュー)と同じではありません。自分の存在を維持し自分を守るのにエネルギーの多くの部分を費やすことにならざるをえない状態です。自己防衛的な反応が多いタイプを自己保存中心タイプと表現しておきます。自己利益中心タイプと自己保存中心タイプとして分けて理解するのがいいと思います。

 自己保存中心タイプの成人によく見られるのは、引っ込み思案、自己肯定感が低い、受け身であり、何かをするときにサポートをする人を必要とする、ときには責任を持つ人を別に要求することもあります。周囲からの攻撃に弱く、攻撃を避けるためにその人なりのさまざまな工夫を凝らします。引きこもりとして他の人との距離を置こうとする傾向もその一つです。攻撃(いじめなど)を避けるために道化的に振舞ったりすることもあります。自己利益中心タイプと対極的に違うのは、遠慮がちで周囲の人への過剰と思える配慮的な姿勢です。

かなりよく見られるのは、それらが何かの拍子にからかいの対象に転じます。何かの学業が優れているとか、特異なスポーツにより自分を確立しようとすることもあります。この他にもその子どもなりの工夫をしますが、いつもうまく行くわけではありません。それらはその人の成長や人格形成そのものです。それは自分の持つエネルギーや意欲に比べてかなり大きな課題に向き合うことです。対人関係や集団や社会に息苦しさを感じるのですが、当人は意外にもそれが人として普通のことだと思うことが多いようです。それでいながらその圧迫感に圧倒されてしまうことも生まれます。

これらの説明は成人した引きこもりによく見られる様子です。引きこもりや対人関係の拒否はこの情感的体験の蓄積不足の表われ方と考えられます。対人関係により成長の栄養とエネルギーを得るのですが、その栄養源・エネルギー源なく成長を図ろうとしていることになります。

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