東京電力が計画停電を発表した。
実際に停電になったのは、発表された計画の一部にとどまった。
発表の仕方は不備、混乱と報じられている。
でも発表と比べて停電の実施がはるかに限られている。
そこに事態の本質がありはしないか。
不確実な事態のなかで努力をした跡が読みとれはしないか。
むしろ原子力発電所の方が罪深い。
百万年に1回の事故の可能性と聞いた遠い記憶がある。
いまは最悪の事態をくいとめる尽力を静かに応援したい。
停電のため交通信号のない交差点が出来ている。
行き交う自動車は譲り合い、トラブルはない。
あるドライバーがラジオ局にその感動を伝えてきた。
中国の新聞に、災禍の中の日本人の秩序ある行動を讃えているというのを聞いた。
阪神淡路の時もそうだった。
電車の中で、席を譲るのを気恥ずかしく感じる日本人。
本当に必要なときに静かに自分の順番を待つ。
こういうのがいい。
これが日本人の底力のような気がする。