「大人の引きこもり」教室は10日

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6月10日の第2回「大人の引きこもりを考える」教室は、「人間関係」がテーマです。レクチャーの最終案は当日渡しますが、準備案を書きました。
時間は1時から3時まで。個人的相談はその後で1時間ほど。場所は不登校情報センター。参加費は500円、会員の当事者は無料です。初めての参加を歓迎します。はじめに30~40分レクチャー、その後で質問やフリーの意見交流をします。

人間関係をつくるには年齢相応のところでの自立が条件になります。
小さな子ども同士は互いに自立していませんが、相応に釣り合いが取れた関係にあり、その関係のなかで人間関係ができます。
子どもの時期に友達関係ができないのが不登校、引きこもりの遠因になることが多いのです。
この子ども時代の関係のなかで、子どもは人間を学びます。相手を学ぶし、自分がどういう人間かも学びます。人との関係を学びます、その延長線に人間社会があります。
子ども同士の関係から人との関わり方を身につけていきますし、それが人と関わる力になり、社会性を身につけるものです。

このような関係に進んでいくのが苦しい子どももいます。大きく2つの面から指摘されます。
1つは先天的な要因です。内向的で閉ざしがちで子ども同士の関係がつくりづらい。繊細で感受性が強くて、相手の動きを敏感にキャッチして身動きがぎこちなくなる、など。
もう一つは後天的、周囲の環境条件によります。乳幼児きに虐待を受けた、かわいがられてこなかった、ある程度育ってきた友達関係も、いじめにより壊され、人間が怖くなるためです。
この先天的・後天的なものはどちらか一方というよりも両方が関係していることが多いように思います。ですが、両面を見なくてはなりません。

子ども時代の人間関係ができることで、心が育ちます。心はいろいろな面があり、どう表れるのかは個人差が大です。心が育つことで、自分の意志を明瞭にできる、相手を尊重する、社会性が伸びるのです。
思春期(小学校の高学年から)になると、これらが自立に向かう力として発揮されます。同時に思春期にはそれが試されるとも言えます。
不登校が多くなるのはこの時期からです。いろんな要因が重なると見なくてはなりませんが、それまでに子どもに基礎的な力が育ったかどうかがここで現れます。
それ以前は、友達も多かったし、仲間内ではリーダー的な子どもでも戸惑うこともあります。徐々に友達を遠ざけ、中学生に入る頃にはほとんどいないこともあります。

長期の引きこもり、同世代の人との対人接触が薄れている人は、この空白といえる部分の穴埋めが必要です。
引きこもりからすぐ仕事につくこと求められることは、この空白部分が目に入らないから、容易なことに見えるのです。同じ場所で働く人の状況によっては、可能なこともありますが、世の中の動きは、逆に働く場がせち辛くなり追い込まれやすくなってきました。
引きこもりからの社会参加に必要な穴埋めには、対人関係づくり、社会性の獲得などがあり結果としては精神的な安定・自立を相当程度身につける課題になります。
大人の引きこもりを考えると、普通には10年前後の対人関係の空白期があります。人によっては20年を超えることもあります。少年期の子どもと違いその成長はいっそう緩慢であり、上昇よりも下降が目につく事態もあります。

その過程に役立つものは、職業訓練的なもの、学習になるもの、スポーツやレクリエーションなど体を動かすもの、趣味や関心から人とつながるもなどの仲介物を通すことが、比較的スムーズになります。スペースに慣れるのから始めるのがいいのはそのためです。
個人的なカウンセリング、医療的対応も有効ですが、それらを含めて個人差が大きくなるのは確かです。

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