江戸川区が主導して設立した『駄菓子屋居場所 よりみち屋』が新聞で紹介されました。なにかと話題を掘り起こして紹介する『しんぶん赤旗』(日曜版2024年11月24日号)です。
ひきこもり経験者の居場所を駄菓子屋にするときいたのは3年ほど前のことです。ちょっと変わっているなという印象を持ちましたが、不登校情報センターの居場所の「建て前」は書店(あゆみ書店)でしたので、少し納得する部分もありました。居場所と名乗らないのがうまくいくかもしれないのです。
設置場所の条件をめぐり回り道があり、実際にできたのは2023年1月だそうです。不登校情報センターと同じ区内にあり、「できたらしい」という話はかなり前に聞いていましたが、行ったことはありません。
日曜版には設立経過が書かれています。2021年の区の調査で、区内に約9000人のひきこもり状態の人がいる。その人たちの要望に「家以外の居場所」と「就労支援」が多くあり、福祉部生活援護管理課の担当者が駄菓子屋を想定したといいます。もう1つの要望「就労支援」は、日曜版ではふれていませんが、「みんなの就労センター」になります。こちらは一般社団法人であり、その会員は江戸川区民以外も入れますし、私もその会員に勧める人と一緒に登録に行きました。
それでこの「江戸川区駄菓子屋居場所 よりみち屋」の内容は——おそらく日曜版記者はある1日の取材日を中心にした記事なので、いくぶん私の想像も混じりますが、少なくとも20年前に不登校情報センターで展開されたものよりもちゃんとしている感じはします。区の委託を受けた医療機関の関連会社が運営し、社会福祉士、ケアマネジャー、ピアサポーターなど職員が対応します。そのあたりは安心感があり、実際の様子はひきこもり当事者の状態を反映して、より自然な雰囲気を感じます。
そして思います。これはひきこもり経験者ばかりではなく、地域の人たちの世代を超えた交流の場の1つになる。長い目で見れば、孤立しがちな人たちが、少なくとも初めのうちはこれという利害関係なく、知り合っていく場です。「第2の家であり、家族みたいな場」という利用者の声はそれを示しています。
先日紹介した、NPO法人抱撲とはまた違う、地域共同体的に成長するように期待します。核家族になって家族が世代継承機能を低下させているなかでそれを補い、新しい形で機能を伸ばしていけるのか。そのように発展することを期待しています。
これが行政区の委託事案であることが、どのように影響するのかも注目点です。