タワーマンションの増加に思うこと

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JR総武線平井駅北口に100メートルを超えるタワービルHirai Terraceができました。店舗の入居を待って間もなくオープンするでしょう。私が注目しているのは自転車の駐輪場が用意されているかどうかです。居住者は駅まで徒歩で1分以内ですが、このタワービル内の商業施設には自転車利用者が多くなると思えるからです。

23区内有数の田舎風ともいえる平井駅周辺ですが、こんな都市開発でいいのかという懸念もあります。主要都市中心に全国各地でタワーマンション(タワマン)ができています。100メートルを超えるものだけでも数百棟になるのではないでしょうか? 聞くところでは神戸市はこれ以上のタワマン建設を許可しないという宣言をしたとか。何となくわかる気持ちがしました。

年末12月29日の東京新聞(朝刊)はタワマンをめぐる様子を扱っています。取り上げられたのは総武横須賀線と南武線が交差する武蔵小杉駅周辺のタワマン街です。小杉町3丁目にはタワマンが3棟建ちました。古くからの住民はこの再開発で転出し、町会参加者は減少し、町会は解散しました。人口はこの20年間で2.5倍になっているので、町会に代わりエリマネ(一般社団法人武蔵小杉エリアマネジメント)ができ、現代風になりました。しかしこのエリマネも存亡の危機にあるといいます。会員は約70人で、「災害時の共助」などは代替しにくいというのです。住民は増加し、40代など若い世代が中心になっていても…私には「住民の結びつき」ができにくいためではないかと思います。町会とエリマネの役員を経験した人が「タワマンの住民は40代が多い。30年たてば70代。…この町はどうなってしまうのか」という声を伝えています。

新住民の子ども世代のところで住民のつながりができ、地域は復活するかもしれません。しかし、その保障はとくにありません。ここは日本人が本来もっている何かが生かされ、公助ともいうべき自治体の施策が生きてくるのを待つ…に頼るだけでは、希望が持てない気がするのです。実は私が知る人もここに近い地域のタワマンに住んでいます。その人のことをふと思い出しました。

「農薬を使う農業生産者は自作の農作物を食べない」ときいたことがあります。「タワマンを建設する建設業者はタワマンに住みたくない」というのも聞いたこともあります。生産者はその生産物の見えない部分が見えているからでしょうか。

土地利用として平屋がいいとは一概にはいえません。山岳地形が多く平地の少ない日本では、地上の空間を有効利用する技術と知識はあります。しかし、技術と知識だけで世界はできているわけではない…と思います。タワマンの状態を考えることは、「地縁的で親和的な団体」を遠回りの対極側から考える機会になりました。

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